「合意なき離脱」に踏み込むか
【本日のトレードポイント】
-ドル乏しくポンド隆盛-
昨日の東京市場は目立った取引材料がなく方向感の欠く相場展開でした。ロンドン勢参入後は「合意なき離脱」を意識した売りが優勢となりポンド円は137.10円付近から136.05円付近まで下落しました。NYタイムには欧州首脳会議の一日目が開催されバルニエ欧州委員会首席交渉官が「合意する見通しはある」と発言したほか、ジョンソン首相がEU離脱について明日今後の対応を発表するとしたことで、様子見ムードとなりドル円とポンド円はもみ合いながら取引を終えました。
-EU首脳会議2日目-
本日は主要な経済指標では米小売売上高、米鉱工業生産、ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)が予定されています。重要な米経済指標が複数控えていますが、短期的にドル円の値動きは限られており、EU首脳会議とジョンソン首相の発表に注目が集まりそうです。EU首脳会議でのEU側の主張は英国がもっと歩み寄らなければならないとした一方で、フロスト英主席交渉官は会談の結論に失望しているとし、両者の溝は埋まりそうにないです。そういった中、ジョンソン首相が設定した交渉期限の15日を過ぎました。9月7日に発言した内容に照らして、今後の対応を明日発表するとしました。発言内容からは「それまでに合意できなければ、両者間に自由貿易協定(FTA)は成立せず、われわれはこれを受け入れて前進すべきだ」と述べており交渉の打ち切りを示唆しています。ジョンソン首相が本当に「合意なき離脱」に舵を切るのか注目の発表になります。現在、ポンド円は136円台を推移していますが、合意なきになった場合、下値のサポートは5月安値の129.38円が意識されてもおかしくなさそうです。