ブリュッセルトンネルが聞こえるか
【本日のトレードポイント】
-合意なき離脱が意識され-
東京市場のドル円は日経平均とダウ先物の下落を受けて、リスク回避的なドル買いが強まったことで105.30円から105.42円まで上昇しました。欧州市場では主要な欧州株式が全面安を受けて、ドル買いが加速。ドル円は一時105.62円まで上昇しました。ただNY市場では、スラック英首相報道官が「英国は合意なき離脱の準備と意志がある」と発言したことをきっかけに「合意なき離脱」を意識したポンド売り一色となり、ポンド円は137.80円から136.40円付近まで急ピッチで下落し、ドル円も105.45円まで上値を削り取引を終えました。
-三者電話会議に注目-
本日はラガルドECB総裁の発言、米生産者物価指数、各FRBや連銀総裁の発言が予定されているほか、ブレグジットに関して英ジョンソン首相、ライエンEU委員長、ミシェルEU理事長による三者電話会議が予定されています。ジョンソン首相がEU側に譲歩案の提出を求める期限が10月15日に迫るなか、昨日のスラック英首相報道官の発言はEU側への圧力を強める狙いがあります。本日の電話会議では譲歩案について話し合われるか、延長を含めて話が進むのかまったく先が見えない展開が予想されます。そのため、マーケットとして状況を織り込み難いため、EU本部があるベルギーのブリュッセルで当局者の発言がもれ聞こえるとして「ブリュッセルトンネル」と言われるヘッドラインに注視したい局面です。ポンド円はポジティブな内容であれば昨日の下落分の全戻しも考えられる一方で、ネガティブな内容の場合、9月安値133.03円がターゲットになる恐れがあり下値の動きに注意したいです。