米大統領選とブレグジットの二大テーマ
【本日のトレードポイント】
-景気刺激策について180℃方向転換-
先週末にトランプ米大統領は「景気刺激策について民主党案よりも大きな規模で合意することを望む」と発言しました。先週半ばには「景気刺激策について民主党との協議を中断するよう指示した」と真逆の方針を打ち出していただけにマーケットは大きく振り回された形となりました。共和党が民主党側に譲歩する形とはなりましたが、案の内訳をみると民主党が死守したい資金難となった州政府への援助ではなく中小企業・航空産業への支援が主な増額要因となっています。トランプ米大統領率いる共和党は大統領選までの合意成立を目指していますが、なかなかハードルは高いように思えます。また、トランプ大統領が再選された場合には今以上の財政支出額となることが予想されるため、業績向上の株高と財政悪化のドル安のシナリオが考えられます。
-二大テーマの重要性アップ-
今週のマーケットの注目は、先週までに引き続き米大統領選の行方と15日(木)に交渉期限を迎えるブレグジットに集まるでしょう。
米大統領選は15日(木)に予定されていた第二回大統領候補者による討論会がトランプ陣営の不参加表明により中止されるとされています。その代わりに両候補はそれぞれ集会を行うとしており、討論会に匹敵するだけのインパクトを残そうとするはずです。景気刺激策についてなのか、新しいマニュフェストなのか、対立候補の悪口なのか、何にせよ事前の支持率を左右する事に繋がると見られています。マーケットは依然としてバイデン氏有利を相場に織り込んでいるだけにトランプ氏に有利になる材料には大きく反応するでしょう。
ブレグジットは交渉期限としている15日(木)のEU首脳会議の日をついに迎えます。英側は新型コロナの影響で将来が非常に不透明な状況下での合意なき離脱は避けたいところです。何らかの口実で交渉期限は延期するのではないかというのがマーケットの大勢を占める見方になっています。EU側も15日以降の交渉を受け入れる準備があると表明しておりここに関してはマーケットインパクトも少なく済むのではないかと考えられます。しかし、万が一合意なき離脱が確定してしまうケースや離脱期限ごと延期してしまうといったケースの場合には欧州通貨を中心として大きく反応することが予想され注意が必要です。
マーケットの注目度は低いものの、15-16日に開催予定のG20財務相・中銀総裁会議の発言内容にも一定の注意を払う必要がありそうです。