FOMC議事録公表の注目度突如高まる
【本日のトレードポイント】
-久しぶりに味わったトランプ砲の威力-
昨日はパウエルFRB議長の発言からトランプ米大統領のTwitter上におけるツイートまでの流れで相場が大きく動きました。パウエルFRB議長は政府による適切な規模の追加景気刺激策の必要性について述べました。しかし、その後トランプ米大統領は急遽「追加景気刺激策の協議を大統領選後まで停止する」と自身のTwitter上で発表しました。マーケットは、ペロシ下院議長とムニューシン米財務長官の協議が継続していた点から合意期待を強めており、為替相場は一斉にリスク回避のドル・円買いで反応しました。パウエルFRB議長が財政政策の必要性を強く訴え、金融政策と足並みをそろえることを強調していただけにそのインパクトは大きいものとなりました。
-追加緩和のトリガーが明らかになるか-
本日はFOMC議事録の発表が日本時間27時に予定されています。9月会合分の発表となりますが、本会合ではゼロ金利政策の維持と「完全雇用の上でインフレ率が2.0%まで上昇するまで金利をゼロ金利に据え置く」と確約したフォワードガイダンスが導入されました。その際、資産買い入れなど追加緩和のペース加速や買い入れ資産の構成変更も選択肢として認めたもののその詳細については言及を控えました。議事録ではそれについての議論の内容、つまり発動の必要を要する条件が明らかになる可能性があります。加えてマーケットが会合の度に注目し続けるYCC(イールドカーブコントロール)の採用に関しての議論内容についても関心が集まります。
また、前述した昨日のトランプ米大統領の発言もあります。明らかにリスクオフムードとなったマーケットが資産買い入れを主とした追加緩和に対して期待を持てる議論内容かにも注目が集まるでしょう。
新型コロナウイルスの感染再拡大や景気回復のペース鈍化、米追加景気刺激策の協議打ち切りにとどまらず欧州ではブレグジットに関して英側が主張する交渉期限が迫っているなど、様々なリスクオフ要因が出てきています。マーケットが冷え切っているだけにネガティブなヘッドラインにはセンシティブに反応しそうです。いつも以上に気を配りたいです。