英スーパーサースデー来たる
【本日のトレードポイント】
-ADPはネガティブサプライズ!しかし...?-
昨日発表された米ADP全国雇用者数は、前月比16.7万人増とコンセンサスの120万人増を遥かに下回る結果となりました。マーケットも予想外のネガティブサプライズにドル売り圧力が優位に。既に発生していたドル売りの流れを汲んでドル円では一時105.32円まで下落しました。しかし、ドル売りが一服すると再度105.70円手前まで上昇しました。今週末の雇用統計に向けての不安を残す形となったものの、一昨日のトランプ米大統領による「雇用統計では大きい数字が出るだろう」との言葉が市場の安心感を誘ってドルを下支えしているとの見方もできます。
加えて、同時に発表された前月発表分の修正値にも注目すべきでしょう。速報値では237万人増だったのに対し、修正値では431万人増と大幅な増加です。この点から今月発表値とコンセンサスとの差異は相殺されているとも言えます。
-7か月振りのスーパーサースデー-
本日のメインイベントは英中銀金融政策委員会(MPC)の開催でしょう。今回は金利・声明発表といった金融政策の発表に加えて、四半期経済見通しの公表とベイリー英中銀総裁の会見も予定されている所謂「スーパーサースデー」です。特に今回のMPCは新型コロナウイルスの影響やEUとの貿易交渉といった英国を取り巻く注目トピックが多いだけにマーケットの注目はひとしおです。
マーケットのコンセンサスは政策金利および声明内の量的緩和(QE)プログラムの維持を決める見込みです。ただ、5月会合時に予想されていた経済のV字回復実現は程遠く修正を余儀なくされたり、ハト派寄りの見通しとなる可能性が高いでしょう。米国に比べ新型コロナウイルスの影響が少ないとはいえピークを越えたとは言い難く、感染が拡大するようであればマイナス金利導入も視野に入れる柔軟性を持たせてくる事も考えられます。
年末に控えるEU離脱後の景気減速を見据えた場合、金利・QEともに幅を残しておく事が求められます。足下の景気減速か未来の景気減速かどちらを優先すべきか苦しい判断を迫られるでしょう。