米雇用統計、一筋縄ではいかない可能性
【本日のトレードポイント】
-データで現れた強い米経済-
昨日発表されたISM製造業景気指数は予想外に強い結果となりました。コンセンサスが49.7に対し結果が52.6でした。50が景気判断の境目とされており、予想以上に製造業センチメントが改善して、結果が50を超えてくる展開にマーケットは驚きを隠せなかったようです。これは2019年2月以降の水準です。マーケットに蔓延していたリスクオフムードは後退し、強いドル売りと円買いで反応しました。ADP雇用統計も発表され、コンセンサスを下回ったものの前回に比べ雇用環境改善の兆しが見えています。
FOMC議事録も公表されましたが、従来のスタンスを踏襲する内容でマーケットの反応は限定的でした。注目されていたYCC(イールドカーブコントロール)については、更なる分析と調査が必要との見方を示し、内容に目新しい変化はありませんでした。
-雇用統計-
明後日7月4日に独立記念日を控えており雇用統計の発表が1日早まります。本日発表となる米雇用統計のコンセンサスは非農業部門雇用者数が前月比307万人増、失業率は12.5%と前回より雇用環境が改善すると見られています。新型コロナウイルスの第2波懸念がある中での雇用改善は額面通りポジティブに受け止めていいのか一考の余地がありそうです。ただ、指標結果が出た瞬間か数日後かは不透明ですが今回の雇用統計がトレンドを作る事は間違いないでしょう。