FXレポート

英EU離脱は20年末に

【本日のトレードポイント】
 ジョンソン首相がEUとの貿易協定成立の期限を2020年末に決めました。これは英総選挙での政権公約の中に移行期間を延長しないというのが盛り込まれており方針を明確にした格好です。仮に貿易協定に合意がなくても2020年末には離脱するとしたことで、ジョンソン首相の強い覚悟がともいえそうです。しかし、マーケットでは20年末までにEUとの貿易協定を結ぶのは厳しいのではないかとの見方から、再び「合意なき離脱」が意識されポンド売りが強まっています。昨日のポンド売りの影響でポンド円は英総選挙での4円幅の上昇が全戻しとなりました。

 今回のジョンソン首相の発言の背景には20年末という期限を切ることでEU側に貿易協定締結を迫る狙いがありそうです。ただ、ウェイアンドEU次席交渉官は「2020年末の英国のブレグジット期限を深刻に捉えるべき」「その事態に備える必要がある。つまり2020年末までに合意がまとまらなければまた崖っぷちの状況に直面することを、交渉において留意しなくてはならないということだ」と述べて警告を発しました。期限を切ることで貿易協議に向けて優位に進めたいジョンソン首相とEU側の交渉は互いに譲れない部分をどのように解決するか注目です。

 一方で、米国は米中貿易協議が一息つくなか、トランプ大統領の弾劾調査に注目が集まっています。18日米下院本会議でトランプ大統領の弾劾訴追がほぼ確実とみられるなか、トランプ大統領はペロシ下院議長に弾劾訴追をした場合、「アメリカ民主主義に対する開かれた戦争を宣言する」と伝えました。この脅しとも取れる内容を受けて、訴追を取りやめるか注目点の一つです。ただ、下院では民主党議員が多数派で通過するとみられますが、上院では共和党が過半数議席を占めておりトランプ大統領が罷免されないことも既成事実とみられてます。短期的には下院での採決結果を受けてAIやアルゴリズムといったシステムが反応し大きく動意付く可能性が考えられ、採決のタイミングでは警戒したいです。

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