GMのストライキ、影響の有無は
【本日のトレードポイント】
昨日のドル円は、正午前まで一昨日のパウエルFRB議長会見から続くドル売りが継続しており、一時108円60銭台まで値を下げました。その後、日銀金融政策会合の結果が正午を過ぎても公表されなかったことで思惑買いが先行。ただ、次回会合での追加緩和が直接的に示唆されなかったことからその戻しは限定的でした。
本日も雇用統計やISM製造業景況指数などの重要イベントに加えてFRBメンバーの発言も多く予定されています。昨日一昨日と日米金融政策発表は無風で通過しましたが、今夜も一波乱ありそうです。
今夜の雇用統計に関してマーケットが注目しているのはGMの大規模ストライキの影響が結果にどの程度影響を及ぼすのか、という点です。
GMのストライキは9/16-10/25に行われ全米で46,000人のフルタイム職員がストライキを実施しました。加えてサプライチェーンの構造上、追加的な雇用減少も考えられ影響範囲は想像以上となりそうです。
実際に9月の鉱工業生産指数は前月比-0.4%と低下しています。中でも自動車・関連部品セクターは-4.2%と最大の下押し要因になるなど指標結果にも影響を及ぼしています。
一方で非農業部門雇用者数には一部影響が出るものの、失業率には影響がないとの見方もあります。
ISM製造業景況指数に関しては前月同様に、米中問題を巡る不確実性と低調な世界景気を理由として縮小傾向が維持されるとの見方が強まっています。コンセンサスは49.0と前月に比べてややバウンドした数値となりますが、景況判断の目安となる50超は難しいと思われます。
まとめると、雇用統計はコンセンサスとの大幅な乖離がある可能性もあるのでサプライズに注意が必要です。他方、ISM製造業景況指数は低調な数値が予想されていますが、既に織込み済なため反応は限定的と思われます。