米中貿易協議の進展なるか?
【本日のトレードポイント】
昨日のドル円は、ロンドン時間に「中国は米国との部分的な貿易合意に前向き」「中国は米国の農産物の追加購入を提案」などの報道が伝わると、米中対立懸念の緩和ムードから買いが入り、米10年債利回りの上昇につれて一時107.63円と2日以来の高値を付けました。また、27時に公開されたFOMC議事要旨では、緩和政策の終了期について議論が行われ、多くのメンバーはインフレが9月利下げを正当化するとの認識を示したことが明らかとなりました。
本日は米9月消費者物価コア指数(CPI)に注目です。
米消費者物価指数については、FRBが米国のインフレ指標として重視している個人消費支出(PCE)デフレータに対して、発表時期が早く傾向が似ていることから先行指標として注目度が高いです。前回発表された8月分は前年比+2.4%と2018年7月以来の大幅な伸びを記録しており、9月分も近い水準となることが予想されています。仮に予想を上回れば短期的にはドル買い材料となるものの、市場のインフレ期待が回復すれば(インフレ期待の低下がFRBによる利下げの主要な根拠の1つであることから)緩和サイクルの余地が限定的となる可能性があり、中長期的にはドル安要因となることも考えられます。また、ヘッドラインで振らされる材料が複数あります。米中貿易協議は「部分的な貿易合意」との報道がされ対立緩和ムードが漂っているものの、米政府は中国政府のウイグル族への弾圧に関して制裁を科すなど圧力を高めており、今までの中国側の対応からしてすんなりといくか疑問が残る展開です。トルコのシリア国境への進軍は、昨夜にトランプ大統領は「米国はトルコのシリア侵攻を了承していない」との見解を示しており、トルコの対応に注目が集まるほか、ブレグジットも離脱期限まであと約20日に迫り議論が本格化されるため、報道も熱が帯びてくる見通しです。