雇用統計を控えての米指標に注目
【本日のトレードポイント】
昨日のドル円は、東京時間、日経平均株価の下落を受けて一時107.74円付近の安値を付けたものの、欧州時間に入ると徐々に買い戻しが優勢となり、ユーロドルのドル高につられる形で108円付近まで持ち直しました。
NY時間開始後も底堅い動きは変わらず、9月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が予想を下回ったことで一時107.93円まで下押しする場面もありましたが、先週発表された「米国市場に上場している中国企業の上場廃止を米政府が検討している」との報道を米財務省報道官が否定したことでダウ平均が一時170ドル超上昇するなど、堅調な米国株に支えられ108.17円台まで上値を広げました。
本日は、豪RBA政策金利、米ISM製造業景況指数に注目です。
RBA政策金利は、先月24日に行われたロウRBA総裁の講演により利下げ観測が後退し、金利先物市場が織り込む利下げ確率は講演前の74%から60%に低下しています。ただ依然として追加利下げの可能性は高く、利下げ実施となれば豪ドル売りの展開が予想されます。
米ISM製造業景況指数については、前回発表された8月分は49.1と市場予想の51.1を下回り、2016年8月以来初めて50を割り込む結果となりました。また、同指数の低下は5か月連続でした。
本日発表される9月分の市場予想値は50.2となっており、かろうじて50を割らない水準ではありますが、50を割る結果となることも十分に考えられます。ただ下振れに関してマーケットはある程度予想しており、反応は限定的となる事も予想されます。逆に予想値を上回る水準の場合、マーケットが大きく好感することも予想されます。
今日の米国経済は企業部門の弱さと、家計部門の強さの要素から成り立っています。米国経済や金利情勢を占うには、今週末に予定されている米雇用統計の結果を踏まえた上で、総合的に判断する必要がありそうです。