月に一度の祭、米雇用統計
【本日のトレードポイント】
昨日は米中貿易問題や香港情勢、欧州情勢に対する懸念が後退したことからリスクオン基調に。リスク選好度が高まったことでドルやポンドが買われ円が売られる展開となりました。夜方にかけて発表された米指標も堅調な結果を見せたことからドル買いは拍車がかかりました。
本日は米雇用統計の発表が予定されています。コンセンサスは、以下の通りです。(カッコ内は前回値)
・非農業部門雇用者数+15.9万人(+16.4万人)
・失業率3.7%(3.7%)
・平均時給前月比+0.3%(+0.3%)/前年比+3.1%(+3.2%)
雇用者数は底堅いペースでの増加が予想されています。昨日発表されたADP全国雇用者数やISM非製造表景況指数などの先行指標からも堅調な結果を予想することができます。ただ、米中貿易問題に端を発する景気の不透明感が広がる中で労働市場への影響も出てくる可能性もありサプライズには注意が必要です。
失業率は先月からほぼ横ばいで完全雇用の状態が維持されていると予想されています。先月までに引き続き、サプライズがない限り失業率の注目度はやや他に劣ると思われます。
平均時給の伸び率はここ数か月やや失速していますが、前月比のコンセンサスはやや強気なものとなっています。好調な内需の源でもある家計所得を支えるこの指標の結果はマーケットの注目度も大きく、サプライズがあった場合には非常に大きな反応を見せることが予想されます。
雇用統計を消化した後にはパウエルFRB議長によるディスカッションも控えています。ディスカッションが「経済見通しと金融政策」という非常に関心の高いテーマで行われる点、ブラックアウト期間を前にした最後の発言である点からマーケットの注目度はひとしおです。