FOMCメンバーが踏み込む
東京市場
ドル円は軟調。序盤は、米中貿易の進展の報を受けて上昇する展開も見せました。しかし、仲値にかけて実需筋の売りを皮切りに一気に値を落とし、1月3日以来の安値を付けました。
ロンドン市場
ユーロドルは方向感模索。ロンドン市場は目立ったイベントや指標などがなく材料不足感から動意付き辛い展開となりました。
NY市場
ドル円は急騰。FOMCボードメンバーのブラード米セントルイス連銀総裁の発言を受けて、ドル買いが一気に優勢に。その後も市場の利下げ圧力をけん制するような発言を繰り返すとドル買いは更に加速。107.40円付近まで上昇した。
【今日の主な経済指標】
11:00 NZD ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
15:00 DEM GFK消費者信頼感調査 7月
15:45 FRF 消費者信頼感指数 6月
18:15 GBP カーニー英中銀(BOE)総裁、発言
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:30 USD 耐久財受注[前月比] 5月
21:30 USD 耐久財受注・輸送用機器除く[前月比] 5月
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-今日のトレードポイント-
今日のトレードポイントを3点に分けて整理していきます。
①ドル円の上値は依然として重たい
昨晩のパウエルFRB総裁、ブラード(セントルイス)連銀総裁両名の発言はドルの買い圧力を一時的に高めるだけではなく、利下げに備えるマーケットにある種のメッセージを発信しました。
パウエル総裁に先んじて発言したブラード(セントルイス)連銀総裁はマーケットに対して「7月に50bp(0.5%)の利下げを実施する状況にない」と発言。FRBからすると過度な利下げに備えているマーケットに待ったをかけました。ブラード(セントルイス)連銀総裁がFOMCのボードメンバー(投票権を有する委員)であることに加え、先日のFOMCで利下げを主張するハト派であったためマーケットはドル買いで大きな反応を示しました。
続いて発言したパウエルFRB議長は「不確実性が緩和を必要とするか注意深く見ているが、短期的な指標に過剰反応しない」と述べました。ただ「インフレ基調の低下が緩和への議論の争点となっている」とも述べたことからマーケットは反転し、ドル売りで反応しました。
②米中首脳会談は進展なしとの一部報道
今週末に予定されている大阪G20サミットでの米中首脳会談では、マーケットが期待しているほどの進展がないのではと報じられています。主に米政府側の消極的な姿勢に起因しており、米当局者の発言として「中国側のいかなる関税条件も受け入れず、今回の会談の目的は貿易協議再開にある」ともある。