米中貿易協議は継続、合意するにしても長期化は必至の情勢か
東京市場
東京市場ではドル円は往って来い。東京序盤は5・10日(ゴトー日)とあって実需の買いや米中通商協議は米国時間10日も継続されるとの報道を受けて一時111.05円まで上昇しました。しかし日本時間13:00に米国が対中関税率(2000億ドル相当)を10%から25%へ引き上げたことや、これに対して中国も「関税引き上げに対して対抗措置を取る」と表明したことから、売りが優勢となり昨日のNY市場の終値付近まで戻す形となりました。もっとも、米中通商協議は米国時間10日も継続するため、さらに一方的に売りが進むことはありませんでした。
ロンドン市場
ロンドン市場ではドル円は軟調。トランプ大統領が「中国との交渉は急ぐ必要はない」「中国が交渉のやり直しを再び試みないことを望む」とのツイートしたことを受けて売りが優勢の展開となりました。
NY市場
NY市場ではドル円は堅調。NY序盤はダウ平均の下落に伴い売りが優勢の展開に。米中通商協議が終了した後、米中両閣僚とも「通商交渉は非常に順調だった」旨の発言をしたことや、引き続き協議が継続するとの報道で安心感が広がり、リスク回避後退のムードとなりダウ平均は上昇。ドル円も追随する形で上昇しました。
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 外貨準備高 4月
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・速報値 3月
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・速報値 3月
15:00 NOK 四半期国内総生産(GDP)[前期比] 1-3月期
16:00 TRL 経常収支 3月
HKD 休場
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-今日のトレードポイント-
先週は米中貿易協議は引き続き継続するということで終わりました。完全決裂という最悪のシナリオは避けられましたが、知的財産などの分野で法律改正の約束を果たすにしても法律改正を受け入れるには、中国政府内での協議の時間がかかります。従って合意するにしても長期化するのは必至となり、今後も米中両国の交渉に市場が振り回されることはありそうです。当面の動きとしては対中関税率を10%から25%へ引き上げたことから、中国経済の成長率は引き下げられる見通しとなります。また、関税は米中経済だけではなく世界経済の成長を減速させることになります。こうなると米連邦準備理事会(FRB)も利下げに踏み切らざるを得ないとの見通しが予想され、ドル売りのバイアスが強まるのではと見ています。