FXレポート

G20閉幕。米中貿易摩擦に関して何も解決策を示せず、さらに長期化へ

東京市場
 東京市場でドル円はじり高の展開に。日経平均がプラス圏に浮上したことや、時間外の米10年債利回りが3.17%台後半まで上昇したことが支えとなりました。

ロンドン市場
 欧州市場は、「メイ首相が本日にも公式声明を発表する可能性」との一部報道を英政府が否定したことや、コーヴェニー・アイルランド外相が「まだ何も合意しておらず、ここ最近の楽観的見方は根拠となるものが少ない」などと発言したため、ブレグジット進展期待が後退しポンド円やポンドドルは下げました。

NY市場
 NY市場は、エッティンガー欧州委員のユーロ高けん制発言を受けて、ユーロ円が弱含みの展開となりました。また、トルコ裁判所は米国人牧師アンドリュー・ブランソン氏の釈放を決定。トルコリラ円は19.26円近辺まで上昇しましたが、事前に期待で買われていただけにその後はいったん利食い売りなどが出た模様で18.75円まで下落。その後は戻して19.08円で取引を終えました。

【今日の主な経済指標】
08:01 GBP ライトムーブ住宅価格[前月比] 10月
13:30 JPY 鉱工業生産・確報値[前月比] 8月
15:30 INR 卸売物価指数(WPI)[前年同月比] 9月
16:00 TRL 失業率 7月
16:15 CHF 生産者輸入価格[前月比] 9月
21:30 USD ニューヨーク連銀製造業景気指数 10月
21:30 USD 小売売上高[前月比] 9月
21:30 USD 小売売上高(除自動車)[前月比] 9月
23:00 USD 企業在庫[前月比] 8月
         USD 月次財政収支 9月
         RUB 実質鉱工業生産[前年比] 9月

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-今日のトレードポイント-
 先週末G20財務相・中銀総裁会議が閉幕しました。多くの国が「貿易摩擦の激化で世界経済のリスクが増している」との認識を示しているものの、議長国であるアルゼンチン・ドゥホブネ財務相の「当事国同士でしか解決できない」の発言に代表されるように、米貿易摩擦に関する解決策は何も示せず、ますます長期化の様相を呈しています。会議ではあまり各国の対立がなかったと伝えられており、ある程度は米国の保護主義を黙認している姿勢があるのではとの見方ができます。今週方向性が示されるものとしては伊予算案と米財務省が公表する為替報告書があります。まずイタリアに関しては期限が迫っているにも関わらず明確な見通しがいまだに伝わっておらず予断を許さない状況といえます。一方為替報告書については、米財務省スタッフがムニューシン財務相に対して「中国は為替操作せず」との報告をしたと一部報道が伝えており、中国が為替操作国に認定される可能性はやや後退しています。しかし、中国が為替操作国と認定された場合、米中貿易戦争が米中通貨安戦争へと拡大する可能性が高く、その場合はドル安・円高圧力が強まるでしょう。

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