イタリアの財政問題
東京市場
東京市場のドル円は主要のアジア株式市場の軟調な動きもあって、114.00円から113.80円まで小幅に下落しました。
ロンドン市場
欧州市場ではイタリア株式と国債価格の下落を受けて、ユーロ売りが強まりユーロ円は131.90円から130.71円まで大幅に下落しました。
NY市場
NY市場ではイタリアの財政不安を背景としたリスク回避から米長期金利が低下したことでドル円は一時113.52円まで下落。ただその後、NYダウが史上最高値を更新したことで投資家のリスク回避姿勢が後退し113.80円まで持ち直し前日比では0.331円安い、113.638円で取引を終えました。
【今日の主な経済指標】
10:30 AUD 住宅建設許可件数 [前月比] 8月
16:00 TRL 消費者物価指数(CPI)[前月比] 9月
16:00 TRL 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 9月
16:50 FRF サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 9月
16:55 DEM サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 9月
17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 9月
17:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数(PMI) 9月
18:00 EUR 小売売上高[前月比] 8月
18:00 EUR 小売売上高[前年同月比] 8月
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:15 USD ADP雇用統計[前月比] 9月
22:45 USD サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) 9月
22:45 USD 総合購買担当者景気指数(PMI、改定値) 9月
23:00 USD ISM非製造業景況指数(総合) 9月
CNY 休場
KRW 休場
PLZ ポーランド中銀、政策金利
05:00 USD パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
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-今日のトレードポイント-
先週からイタリアの財政問題を背景にユーロ安が継続しています。この財政問題が根深いためかユーロ安が長期化する気配があります。イタリア政府が決めた経済財政計画では19~21年の財政赤字が国内総生産(GDP)比で2.4%と前政権の公約の3倍にしました。これによって欧州委員会から批判の声が上がりマーケットも大きくユーロ安に傾きました。欧州委員会の懸念はEU加盟国に対し財政赤字を国内総生産(GDP)比3%、債務残高を60%以内に抑えるよう義務づけており、3月末時点のイタリアの債務残高が133%になっている点です。債務残高を低下させるためにも緊縮財政が必要というのが欧州委員会の主張です。一方で、イタリア政府の見解は財政支出をしてGDPを伸ばすことで債務残高が低下するといった主張をしており、両者の主張は正反対です。欧州委員会は再考を促していますが、連立政権の一翼を担う「五つ星運動」党首であるディマイオ氏は「われわれは2.4%目標を撤回するつもりはない。1ミリたりとも引き下がらない」とEU側に強くけん制するなど、両者が歩み寄るような余地はないようにみえます。このまま行くとEU側はユーロ加盟国に財政規律を求めていることから予算案は承認されず、イタリア側に財政赤字を改善する措置を策定し実施を求める勧告を出す流れになりそうです。イタリア側が勧告を無視し政策を強行した場合、最悪デフォルトやユーロ離脱といったシナリオも考えられます。リスクオフが意識されるなか、イタリアの財政問題は次のギリシャショックやBrexitが想起されているのです。