「合意なき離脱」に向けて
東京市場
東京市場のドル円は目立った取引材料がなかったものの、持ち高調整の円売りを受けて一時112.872円まで上昇しました。
ロンドン市場
欧州勢参入後は売りで反応。東京市場の円売りの動きが一服し買い戻す展開になり112.70円付近まで軟化しました。一方で、ユーロはブリクジットに関してメイ英首相が重大な声明を発表するとの一部報道を背景に売りが先行しました。
NY市場
NY市場ではメイ英首相が「EU離脱について悪い合意よりは合意なしの方が良い」と発言したことが伝わると、ユーロとポンドが激しく売られポンド円は149円台半ばから147円まで急落しました。ただ、ドル円はリスク回避のドル買いと円買いが拮抗したことで112円台半ばで小動きとなり前日比では0.140円高い、112.602円で取引を終えました。
≪2018年9月21日クローズ時点≫
ドル・円:「ブル」 売り47% 買い53%
ユーロ・円:「ベア」 売り70% 買い30%
英ポンド・円:「ブル」 売り43% 買い57%
豪ドル・円:「ブル」 売り23% 買い77%
NZドル・円:「ブル」 売り19% 買い81%
ユーロ・ドル:「ベア」 売り72% 買い28%
【今日の主な経済指標】
14:00 SGD 消費者物価指数(CPI)[前年比] 8月
17:00 DEM IFO企業景況感指数 9月
21:30 CAD 卸売売上高[前月比] 7月
22:00 EUR ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
JPY 休場
ZAR 休場
CNY 休場
KRW 休場
-今日のトレードポイント-
今週の24日から日米通商貿易協議(FFR)が始まります。米国側との日程調整で後ろ倒しになりましたが、市場では楽観論が広がっており、無風で通過した場合は投資家のリスク許容度が高まりそうです。一方で、英国のEU離脱は「合意なき離脱」に向けて進んでいるとみます。EU側は自身の提案に対して強気な姿勢が報道機関を通して伝わってましたが、英政府の見解は「NO」でした。事実、英国は「合意なき離脱」の準備書を公表し民間で準備、用意すべきものをリストにして出しました。内容を見ると通商、関税、金融サービス、補助金の管理、医薬品、原子力と多岐に渡っていることがわかります。ここから推測できることは英政府はEU側が大きく態度を変えない限り「合意なき離脱」を厭わない姿勢が表れているように思えます。今回のメイ首相の発言は欧州通貨のトレンドを変えるほどの力があったと考えます。