日米通商協議の行方は
東京市場
東京市場のドル円は新規取引材料不足から動意に欠く展開となり111.33円付近を堅調に推移しました
ロンドン市場
欧州勢参入後は調整的なドル売りが優勢になったことでユーロドルが1.155ドルから1.1608ドルまで上昇しました。ドル売りの流れはドル円にも波及したことで一時110.993円まで下落しました。
NY市場
NY市場では目立った取引材料がなかったものの、米長期金利の上昇をきっかけにドル買いが優勢になるとドル円は111.477円まで反発し前日比では0.015円高い、111.378円で取引を終えました。
≪2018年8月7日クローズ時点≫
ドル・円:「ブル」 売り35% 買い65%
ユーロ・円:「ベア」 売り52% 買い48%
英ポンド・円:「ブル」 売り22% 買い78%
豪ドル・円:「ブル」 売り18% 買い82%
NZドル・円:「ブル」 売り9% 買い91%
ユーロ・ドル:「ベア」 売り53% 買い47%
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 国際収支・経常収支 4月
08:50 JPY 国際収支・貿易収支 4月
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)[前期比] 1-3月期
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)[年率換算] 1-3月期
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI 5月
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-先行き判断DI 5月
15:00 DEM 貿易収支 4月
15:00 DEM 経常収支 4月
15:00 DEM 鉱工業生産[前月比] 4月
15:45 FRF 鉱工業生産指数[前月比] 4月
21:00 BRL IBGE消費者物価指数(IPCA)[前月比] 5月
21:15 CAD 住宅着工件数 5月
21:30 CAD 四半期設備稼働率 1-3月期
21:30 CAD 新規雇用者数 5月
21:30 CAD 失業率 5月
23:00 USD 卸売売上高[前月比] 4月
23:00 USD 卸売在庫[前月比] 4月
-今日のトレードポイント-
日米通商協議について
9日に日米通商協議(FFR)が開催されます。トランプ米大統領は大統領に就任以降から各国に向けて貿易不均衡の是正について言及していました。トランプ政権は貿易不均衡の是正に向けて中国に対しては2000億ドル相当の輸入品に対する関税率を25%へ引き上げることを示唆し、中国も対抗措置を発表するなど貿易戦争が発生しています。ただ、これには中国側の限界があらかじめ見えています。それは輸入量の差で米国の方が輸入量(米国:5050億ドル 中国:1300億ドル)が多いため関税の掛けあいになっても圧倒的に米国が有利な状況のため、貿易通商において強気な姿勢で臨んでいることが考えられます。では、日米通商協議はどうなるでしょうか。2月の大統領経済報告で米国製の自動車が日本市場への売り込みが困難、市場の開放が進んでなく「閉鎖的」であることを批判していました。また、日米貿易不均衡の是正のためには「為替レートでの調整が一つの重要な機能になる」としたほか、ドル安を容認する姿勢を示すなど、市場開放を強く訴える内容でした。今回の協議では日本としても妥協点を探りながらの対応になると考えられますが、市場の解放の一つとして上がっている安全基準の見直しなどは国民から支持されるようなことではないため、協議に臨む茂木経済財政相には厳しいかじ取りが求められそうです。素直に行けば円高が進む局面と考えられますが、先日のEUとの貿易協議では事前に厳しい結果が予想されユーロ安との見方が優勢でしたが、結果的には米国側の柔軟な対応によりユーロ高に反応していることから、結果を見極めてから取引に入ってもいいかもしれません。
トルコ情勢について
米国との政治的緊張を背景にトルコ円は6日に史上最安値を更新し20.40円まで下落しました。トルコは貿易赤字と高いインフレに苦しむ中、米国との関係悪化で経済制裁を受けるなど、リスクオフの流れに歯止めが利かなくなってきています。市場から最も好まれるとされた解決策は米国との政治的緊張の解消になるとみられますが、エルドアン大統領が一歩も引かない姿勢を示していることから、先行きも厳しい情勢です。そういった中、9月28日からドイツに訪問することが報じられました。両国の関係改善の一環とみられここを手掛かりに西側諸国との関係を改善できれば風向きが変わる可能性が出てくるため期待を込めて注視したいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 110.30-112.40
ユーロ・円 128.00-130.50
ポンド・円 143.00-145.00