燻るロシアゲート問題
先週金曜日のドル円は、WSJ紙が「モラー特別検察官がトランプ選挙陣営に召喚状を出した」と報じたことを契機に、東京市場においてドル売りが先行しました。さらに米10年債利回りの低下や日経平均株価が400円超高から急失速したこともドル売りに拍車を掛けました。市場では「海外勢から週末要因の利食い売りが持ち込まれた」との指摘もあり、112.39円近辺まで下押ししました。欧州市場では、112円台半ばでのもみ合いが継続しました。NY市場に入ると、米10年債利回りが低下幅を拡大すると日米金利差縮小を見越したドル売りが出ました。さらに、NYダウ平均が100ドル超下げたほか、ナイト・セッションの日経平均先物が170円安まで売られたことから、ドル円は111.95円付近まで下落し10月16日以来の安値を更新しました。引けに掛けては安値圏でのもみ合いとなり112.10円台で取引を終えました。
≪2017年11月17日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」 売り30% 買い70%
ユーロ・円 :「ベア」 売り76% 買い24%
英ポンド・円 :「ブル」 売り26% 買い74%
豪ドル・円 :「ブル」 売り14% 買い86%
NZドル・円 :「ブル」 売り22% 買い78%
ユーロ・ドル :「ベア」 売り78% 買い22%
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 貿易統計(通関ベース) 10月
16:00 DEM 生産者物価指数(PPI)[前月比] 10月
23:00 EUR ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
00:00 USD 景気先行指標総合指数[前月比] 10月
- 今日のトレードポイント -
今週は、引き続き米税制改革案とロシアゲート疑惑が主な材料となりそうです。ドル円は一旦リスクオフとなっている事から売りが強いものの、生保を筆頭に実需系の買いが目立つため、ロシアゲート疑惑に関して大きな進捗がなければ次第に買い戻しが入るでしょう。一目均衡表が示す雲上限の111円台半ばが目途となりそうです。また、税制改革案は上下両院で内容に相違がある事からこちらは調整の難航が予想され、下落要因として意識しておきたいところです。また、23日は勤労感謝の日と米感謝祭で日米ともに休場となるため、週全体を通して膠着気味になると見ています。市場の流動性は年末に向けて次第に低下していくため、ポジション管理には気をつけて取引を行うのが良いでしょう。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 111.70-113.00
ユーロ・円 131.60-134.00
ポンド・円 146.50-150.00