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北アメリカ大陸の北端に位置する先進国カナダ。国土面積は世界第2位で北側に北極圏、東西には大西洋・太平洋が隣接しており、大部分をアメリカ合衆国と接しています。広大な国土には豊かな大自然と都市とが見事に共存し、「イエローナイフのオーロラ」は圧巻の自然美です。スポーツのアイスホッケーはカナダ発祥で、カナダドルの紙幣にも描かれているほど国民に親しまれています。古くから多文化・多様性の国としても知られ、治安の良さなどもあり海外留学先として圧倒的な人気と知名度を有しています。
G7(主要7か国)にも名を連ね、GDP(国内総生産)はトップ10の常連と名実ともに先進国です。国家主導での積極的な移民政策を背景に他国からの移住者・人口流入が多く、他の先進各国と比較した高い人口増加率は、今後の経済成長への期待感にもつながっています。またカナダを語る上では世界有数の資源大国としての一面は外せません。豊富な天然資源・鉱物資源に恵まれ、原油の埋蔵量は世界第3位を誇る産油国でもあります。貿易面でも資源・エネルギー関連が主要な輸出品目としてカナダ経済を支えており、その最大の相手国は輸出入共に経済大国アメリカです。このほか政治面ではトルドー首相が3期目の政権運営を担っています。直近20年間で就任したカナダの首相は4名と長期政権が多く、国内・政治情勢の安定感は特色といえるでしょう。
カナダは、石油や天然ガスといったエネルギー資源に加えて、金やダイヤモンド、ウランなどの鉱物資源に至るまで、多様な資源において世界トップクラスの埋蔵量・産出量を誇ります。通貨カナダドルは豪ドルや南アランド同様に資源国通貨に位置付けられるほか、産油国通貨としても知られています。そのため、カナダドル/円に関しては資源・商品相場の影響を受けやすい傾向がみられますが、最大の特徴は原油相場との相関性の高さです。
一般的に原油価格が上昇する局面では、実需の増加や輸出額・貿易収支の増加が見込まれ、カナダドル高を後押しします。近年のアフターコロナにおいては、世界的な景気回復に伴う資源需要の増加や、ロシア・ウクライナ情勢の緊迫化によって原油価格が高騰しました。その間は利上げによるカナダドル需要の高まりもあるものの、原油相場に連動するようにカナダドル/円は堅調に推移しました。原油高による恩恵のみならず、原油相場との相関関係があることで、他の通貨と比較して値動きの要因や背景を探りやすい点はメリットかもしれません。カナダドルを取引する際は、原油相場の動向も漏れなくチェックしてみましょう。
また、原油は「WTI原油価格」を代表的な指標に、投資対象としても注目を集めます。現在は先物取引以外にも、「WTI原油先物」との連動を目指す上場投資信託(ETF)が東京証券取引所に上場しています。ただ、こうした先物型ETFは保管コストなども価格に反映されているため、長期間保有した場合に必ずしも原資産価格に連動するわけではありません。一方でFX取引におけるカナダドル/円は、スワップポイントの受け払いのみで売り/買いともに長期保有が可能です。ここでカナダドル/円と原油価格の相関関係に着目してみましょう。相関性が高い局面でカナダドル/円を取引することは、原油投資のニーズを満たせるとも考えることができます。FXであれば複雑なルールはなく、かつクロス円の取引で投資面のハードルも幾分下げることができそうです。原油相場は過去にはマイナス価格に落ち込んだ局面もありましたが、世界情勢や需給バランスなどを反映していずれは戻ります。下落局面であっても後々の上昇を見込んでカナダドルを買うといった選択肢も取引妙味がありそうです。
カナダドルを取引する上では、先進国通貨としての特色にも注目となります。カナダの「国債格付け」は世界第1位の経済大国である米国と同程度、大手格付け2社が最上級のプライム評価と非常に良好です。他国と比較して信用リスクを抑えられることから、投資対象としての安定感は大きな魅力といえるでしょう。またカナダは、政治・外交的、地政学的なリスク要因も現時点では目立ちません。先述の通り、政治面では直近20年間で就任したカナダの首相は4名と長期政権が続いており、現政権においても現職のトルドー首相が3期目を務めています。そしてなにより、カナダは国土の大部分を世界の経済大国であるアメリカと接しています。貿易ではおよそ輸出の8割・輸入の5割をアメリカが占めるなど密接な関係を築いてその恩恵を享受しています。周辺国が極めて少なく、地政学的にも安心して取引することができる通貨といえるでしょう。
スワップポイントは、2カ国間の金利差によって発生し、金利差調整分とも呼ばれます。
カナダドルなど日本円より金利の高い通貨を買いで保有することで、スワップポイントを受け取ることができます。逆に売りで保有する場合は支払いが発生します。
FX会社によってスワップポイントが異なるため、取引する際にはスプレッドだけではなく、スワップ水準もしっかりと比較することが重要です。
取引日 | 付与日数 | 買 | 売 |
---|---|---|---|
11/21 (木) | 1 | 112.0 | -112.0 |
11/20 (水) | 3 | 336.0 | -336.0 |
11/19 (火) | 1 | 112.0 | -112.0 |
11/18 (月) | 1 | 112.0 | -112.0 |
11/17 (日) | - | - | - |
11/16 (土) | - | - | - |
11/15 (金) | 1 | 112.0 | -112.0 |
※スワップポイントは短期金利市場の影響を受けるため、政策金利差が直接反映されるものではありません。
2020年新型コロナウイルス感染症の拡大によってカナダ経済は大きな打撃を受け、カナダドル/円相場は一時73円台(2023年3月)まで沈みました。その後、カナダ中銀による迅速な緩和政策が功を奏して国内経済・景気は一転して立て直していくことになります。相場も上昇トレンドを形成し、世界的な景気回復、資源需要の高まりも相まってカナダドルは買い優勢の地合いとなっていきました。
2022年に入るとロシア・ウクライナをはじめとした地政学リスクの高まりによって資源価格に上昇圧力がかかり、インフレ抑制に向けて、同年3月にカナダ中銀は金利引き上げに舵を切ります。資源価格の上昇と政策金利引き上げの両面を材料にカナダドルが買われる中、歴史的な円安も追い風となり、カナダドル/円相場は118円台まで上値を伸ばしていきました。
足元の相場は潮目が変わっており、カナダ中銀はインフレ低下を背景に利下げに舵を切った一方、日銀は利上げを含む金融引き締めの動きに転じています。相反する両国の政策スタンスを背景に、カナダドル/円相場はカナダドル安・円高優勢の展開となり、一時は節目100円ラインに迫る下落をみせました。
2024年後半からのカナダドル/円相場は、両国の金融政策に絡んだ相場が予想されるほか、原油相場の動向も一つのポイントとなりそうです。
カナダ中銀は2024年6月、インフレの鈍化基調を背景に、政策金利を0.25%引き下げ、2022年3月以来続いた金融引き締め政策から転換しました。翌月にも追加利下げを実施し、政策金利は4.50%となっています。カナダ中銀のマックレム総裁は、「インフレ率が過度に低下しないようにするため成長加速が必要」と緩和策を通じて国内景気を支えることを示唆しています。
一方、日銀は、国内のインフレ圧力を背景に金融緩和政策を終了し、その後追加利上げによって政策金利は0.25%となっています。長年続いた金利の無い世界から一転、各国との金利差縮小の見通しなどから円買い圧力が意識される局面となっています。また、日銀の利上げを受け、景気後退懸念や円キャリーの巻き戻しが波及し、8月には日経平均株価が1987年のブラックマンデーを超える下落幅を記録するなど金融市場は混乱に陥りました。これを受けて、日銀の内田副総裁からは「金融市場が不安定な状況では利上げしない」との考えが示されました。
当面日銀による継続的な利上げが見通しづらくなったことや、依然として両国の金利差がある環境を踏まえれば、カナダドル/円相場は局所的な円高を抜けた先で再び円キャリートレードの魅力が増してくるシナリオも十分に想定できます。このほか、原油相場においては、中東をはじめとした地政学リスクの高まりや原油の一大消費国である中国が金融緩和スタンスを強め、政府も景気対策強化を滲ませていることを支えに緩やかな上昇トレンドに向かうことが想定されます。そうなれば、カナダドル/円相場に対しても追い風が吹く格好となり、中長期ではキャピタル・インカムの両面で優位性が見られそうです。
カナダの経済指標カレンダーです。今後の予定を抑えておきましょう。
先進国・資源国の高金利通貨として、カナダドル/円は魅力的な要素に溢れています。
みんなのFXでは取引コストにあたるスプレッドを業界最低水準に引き下げ、お取引しやすい環境をご提供しています。また金利差にあたるスワップポイントも、常に高水準を提供できるよう、カバー取引先との交渉を重ねています。米国の金利が上昇している中、米ドル円を買いで保有することで受け取ることができるスワップポイントが上昇しており、長期保有も一つの戦略になります。
ぜひ、「みんなのFX」でカナダドル/円の取引をご検討ください。
(2023年1月時点 トレイダーズ証券 市場部)
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