日米低金利長期化観測の中、オセアニア通貨利上げに注目!
23日のドル円は堅調な展開。91.50円が短期的な上値目途とされていたが、こちらを上抜けてきたことでドル円の買い安心感が高まった。中古住宅販売件数の強い結果を受けると一時92.123円まで高値を伸ばし1ヶ月振りとなる92円台を実現。その後も、来週実施される過去最大規模となる1230億ドルの入札が嫌気され、米国債が下落したことで米長期金利が上昇すると、ドル円は終始堅調な値動きとなり92.077円で取引を終えた。
ユーロ円は、前日の米企業決算が総じて好結果となったことを背景に、リスク許容度の拡大を受けて上昇。独IFO景気動向指数の下振れを受けて小反落するも、ドル円を中心としたクロス円の上昇につられてしっかりとした値動きとなり、138.224円で引けた。
一転して、ポンド円は大きく下落。英国の第3四半期GDP速報値が前期比-0.4%・前年比-5.2%となり、事前予想(前期比+0.2%・前年比-4.6%)を大きく下回ったことが嫌気され、英国は6四半期連続でマイナス成長を記録。予想外の結果を受けて、英中銀の量的緩和策拡大観測が高まり、クロス円では唯一値を下げ、150.215円で引けた。
今週の展開
ドル円は、シカゴIMMポジション通貨先物において円ロングポジションの減少が継続している。米GDPの結果によってはリスク選好姿勢が継続すると円ロングの解消が加速する可能性があるので十分注意したい。また11月に米国債が再増発される可能性も示唆されていることから、米国債を買いづらい展開が続いていることで、米長期金利は上昇傾向にある。米国債が続落した場合にはドル円は上昇する可能性も否定できないため、金利動向にも注目しながらポジションメイクしたい。
ユーロ円は日米の低金利長期化観測や好調な株価を背景に更なる上値拡大も十分ありえるだろう。先週までに12営業日続伸しており、調整は入るだろううが、堅調な地合いを継続していくだろう。気がかりは、ユーロ圏の当局者から「ユーロ高是正」発言だが、コメントが発せられなければ、ユーロ高を容認と見てもいいだろう。
一方のポンド円はファンダメンタルズの弱さには警戒したい。英GDP速報値の予想外のマイナス成長を受けて、英中銀の量的緩和策拡大観測は確実に高まったと言えよう。急ピッチで値を上げてきた分調整も強いと予想され、今週はユーロ/ポンドのパリティ(等価)と言った声も聞こえてきそうだ。
豪ドル円は、株高・商品高を背景に資源国通貨の人気が高まっている上、来月の豪準備銀行理事会での利上げ観測もあり、上昇余地は大きいだろう。しかし、高値警戒感や金利上昇は織り込み済と考えることもでき、原油などのコモディティー価格が崩れる局面では、慎重スタンスで臨みたい。
NZドル円は、先週NZ準備銀行は以前から2010年後半まで利上げを見込んでいないとしていたが、ボラードRBNZ総裁は「NZドル高は利上げへの障害ではない」と、利上げを視野に入れていることを示唆したことで利上げへと転換する時期は予想よりも早まるとの見方が主流となってきている。今週29日にはRBNZ金融政策決定会合を控えており、上記の見方を強めるような声明が発表されれば、NZドルにとって大きなサポート材料となるだろう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 90.00-93.00
ユーロ・円 135.00-141.00
ポンド・円 142.00-153.00
【今週の主な経済指標】
10/26
09:30 AUD 四半期卸売物価指数
16:00 DEM GFK消費者信頼感調査
10/27
16:50 FRF 消費者信頼感指数
18:00 EUR マネーサプライM3[前年同期比]
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
23:00 USD 消費者信頼感指数
10/28
08:50 JPY 小売業販売額[前年同月比]
08:50 JPY 大型小売店(既存店)販売額
09:30 AUD 四半期消費者物価
11:00 NZD NBNZ企業信頼感
18:30 ZAR 消費者物価指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 USD 久財受注[前月比]
21:30 USD 耐久財受注・輸送用機器除く
23:00 USD 新築住宅販売件数
10/29
06:00 NZD ニュージーランド準備銀行 政策金利
18:30 GBP 9月消費者信用残高速報値
18:30 GBP 9月マネーサプライM4確報値
19:30 ZAR 9月生産者物価指数速報値
21:30 USD GDP速報値
21:30 USD 個人消費速報値
21:30 USD GDP価格指数速報値
21:30 USD コアPCE速報値
21:30 USD 新規失業保険申請件数
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年10月23日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
中古住宅販売件数等の強い指標結果を受け、92円台に乗せる展開に参加者も終始買い優勢。
しかし、今週も堅調な地合いが続くかどうかは疑問なところだ。基本的にはドルストレー
トを中心としたドル安トレンドが継続しており、この先ドル円だけ上昇していくようなシ
ナリオは少々厳しい面もあるか。当面は今週発表される米GDPが大きな山となり、この結果
次第で今後の方向性が示される可能性がありそうだ。
ユーロ円は「ベア」
12営業日続伸のユーロ円だが、参加者は逆張りのスタンスで臨んでおり、138円台では新規
売りが目立った。今後の展開だが、やはり日米低金利政策の長期化観測などを背景とした
ドル、円の先安観も根強く残っており、地合いは引き続き強いと見てもいいだろう。
ポンド円は「ベア」
ポンド円はGDP6四半期連続でマイナス成長を記録。予想を大きく下回ったGDPを受けて、
参加者もポンドの急落に合わせてショートポジションを選択。
市場ではBOEは11月の会合で資産買い入れプログラムの規模を拡大するとの見方が再び高ま
っている。次回のBOE金融政策委員会は11月4-5日に開催を予定しており、注目が集まる。
ユーロ円は、前日の米企業決算が総じて好結果となったことを背景に、リスク許容度の拡大を受けて上昇。独IFO景気動向指数の下振れを受けて小反落するも、ドル円を中心としたクロス円の上昇につられてしっかりとした値動きとなり、138.224円で引けた。
一転して、ポンド円は大きく下落。英国の第3四半期GDP速報値が前期比-0.4%・前年比-5.2%となり、事前予想(前期比+0.2%・前年比-4.6%)を大きく下回ったことが嫌気され、英国は6四半期連続でマイナス成長を記録。予想外の結果を受けて、英中銀の量的緩和策拡大観測が高まり、クロス円では唯一値を下げ、150.215円で引けた。
今週の展開
ドル円は、シカゴIMMポジション通貨先物において円ロングポジションの減少が継続している。米GDPの結果によってはリスク選好姿勢が継続すると円ロングの解消が加速する可能性があるので十分注意したい。また11月に米国債が再増発される可能性も示唆されていることから、米国債を買いづらい展開が続いていることで、米長期金利は上昇傾向にある。米国債が続落した場合にはドル円は上昇する可能性も否定できないため、金利動向にも注目しながらポジションメイクしたい。
ユーロ円は日米の低金利長期化観測や好調な株価を背景に更なる上値拡大も十分ありえるだろう。先週までに12営業日続伸しており、調整は入るだろううが、堅調な地合いを継続していくだろう。気がかりは、ユーロ圏の当局者から「ユーロ高是正」発言だが、コメントが発せられなければ、ユーロ高を容認と見てもいいだろう。
一方のポンド円はファンダメンタルズの弱さには警戒したい。英GDP速報値の予想外のマイナス成長を受けて、英中銀の量的緩和策拡大観測は確実に高まったと言えよう。急ピッチで値を上げてきた分調整も強いと予想され、今週はユーロ/ポンドのパリティ(等価)と言った声も聞こえてきそうだ。
豪ドル円は、株高・商品高を背景に資源国通貨の人気が高まっている上、来月の豪準備銀行理事会での利上げ観測もあり、上昇余地は大きいだろう。しかし、高値警戒感や金利上昇は織り込み済と考えることもでき、原油などのコモディティー価格が崩れる局面では、慎重スタンスで臨みたい。
NZドル円は、先週NZ準備銀行は以前から2010年後半まで利上げを見込んでいないとしていたが、ボラードRBNZ総裁は「NZドル高は利上げへの障害ではない」と、利上げを視野に入れていることを示唆したことで利上げへと転換する時期は予想よりも早まるとの見方が主流となってきている。今週29日にはRBNZ金融政策決定会合を控えており、上記の見方を強めるような声明が発表されれば、NZドルにとって大きなサポート材料となるだろう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 90.00-93.00
ユーロ・円 135.00-141.00
ポンド・円 142.00-153.00
【今週の主な経済指標】
10/26
09:30 AUD 四半期卸売物価指数
16:00 DEM GFK消費者信頼感調査
10/27
16:50 FRF 消費者信頼感指数
18:00 EUR マネーサプライM3[前年同期比]
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
23:00 USD 消費者信頼感指数
10/28
08:50 JPY 小売業販売額[前年同月比]
08:50 JPY 大型小売店(既存店)販売額
09:30 AUD 四半期消費者物価
11:00 NZD NBNZ企業信頼感
18:30 ZAR 消費者物価指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 USD 久財受注[前月比]
21:30 USD 耐久財受注・輸送用機器除く
23:00 USD 新築住宅販売件数
10/29
06:00 NZD ニュージーランド準備銀行 政策金利
18:30 GBP 9月消費者信用残高速報値
18:30 GBP 9月マネーサプライM4確報値
19:30 ZAR 9月生産者物価指数速報値
21:30 USD GDP速報値
21:30 USD 個人消費速報値
21:30 USD GDP価格指数速報値
21:30 USD コアPCE速報値
21:30 USD 新規失業保険申請件数
さて、マーケット参加者のポジションは......
≪2009年10月23日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
中古住宅販売件数等の強い指標結果を受け、92円台に乗せる展開に参加者も終始買い優勢。
しかし、今週も堅調な地合いが続くかどうかは疑問なところだ。基本的にはドルストレー
トを中心としたドル安トレンドが継続しており、この先ドル円だけ上昇していくようなシ
ナリオは少々厳しい面もあるか。当面は今週発表される米GDPが大きな山となり、この結果
次第で今後の方向性が示される可能性がありそうだ。
ユーロ円は「ベア」
12営業日続伸のユーロ円だが、参加者は逆張りのスタンスで臨んでおり、138円台では新規
売りが目立った。今後の展開だが、やはり日米低金利政策の長期化観測などを背景とした
ドル、円の先安観も根強く残っており、地合いは引き続き強いと見てもいいだろう。
ポンド円は「ベア」
ポンド円はGDP6四半期連続でマイナス成長を記録。予想を大きく下回ったGDPを受けて、
参加者もポンドの急落に合わせてショートポジションを選択。
市場ではBOEは11月の会合で資産買い入れプログラムの規模を拡大するとの見方が再び高ま
っている。次回のBOE金融政策委員会は11月4-5日に開催を予定しており、注目が集まる。