ユーロは上昇幅縮小、財政の崖協議難航で
昨日のドル円は序盤、前日のNY市場での米国の「財政の崖」問題解決への期待からリスク選好的な流れを引き継ぎ円売り先行で始まりました。また、安倍自民党総裁が「インフレターゲットや無制限の金融緩和」との発言も材料視され82.22円近辺まで上昇しました。欧米市場では、新規取引材料に乏しく方向感が定まらない展開の中短期的には上値の重さを確認したことから81.91円近辺まで下落しましたが、その後ユーロの反落でドルが買い戻され前日比0.070円高い82.110円で取引を終えました。
東京市場のユーロ円は、安倍自民党総裁の発言を受けて円売りが優勢になり106.46円近辺まで上昇しました。欧米市場では、イタリアの国債利回りが低下したことや、独11月雇用指標で失業者数が増加幅を縮小させたことが好感され、106.72円近辺まで上昇したもののベイナー米下院議長が「財政の崖をめぐる協議で過去2週間に実質的な進展はない」と発言した一方、シューマー上院議員が「クリスマスまでに合意に達する」との見解を述べ民主党・共和党との対立が明らかになると、上げ幅を縮小し前日比0.380円高い106.542円で取引を終えました。
≪2012年11月29日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り35% 買い65%
ユーロ・円 :「ベア」売り67% 買い33%
ユーロ・ドル :「ベア」売り72% 買い28%
英ポンド・円 :「ベア」売り57% 買い43%
豪ドル・円 :「ブル」売り31% 買い69%
NZドル・円 :「ベア」売り60% 買い40%
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 新設住宅着工戸数[前年同月比] 10月
16:00 DEM 小売売上高指数[前月比] 10月
16:00 DEM 小売売上高指数[前年同月比] 10月
16:45 FRF 卸売物価指数(PPI)[前月比] 10月
16:45 FRF 消費支出[前月比] 10月
17:00 CHF KOF景気先行指数 11月
19:00 EUR 失業率 10月
19:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)[前年同月比] 11月
19:00 JPY 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:00 ZAR 貿易収支 10月
22:30 CAD 月次国内総生産(GDP)[前月比] 9月
22:30 CAD 四半期国内総生産(GDP)[前期比年率] 7-9月期
22:30 USD 個人消費支出(PCE)[前月比] 10月
22:30 USD 個人所得[前月比] 10月
22:30 USD 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)[前月比] 10月
23:45 USD シカゴ購買部協会景気指数 11月
- 今日のトレードポイント -
前日のNY市場では、「財政の崖」問題解決に関して楽観的な見解を示していたベイナー米下院議長が「実質的な進展はない」と発言をしたことでリスク選好的な動きを抑える要因となりました。本日は、月末の駆け込み的なドル売り・円買いが上値を抑制する事が予想されます。引き続き「財政の崖」をめぐる要人の発言には注視したいところです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 82.00-83.00 ユーロ・円 106.00-107.00 ポンド・円 130.20-131.20