衆院解散を受けた円安の動きは一巡か!?
先週金曜日のドル円は序盤、本邦の衆院解散の宣言を待ちたいとの思惑から様子見ムードが強まり81円台前半を小動きしました。欧州市場では、ギリシャの債務問題や米財政の崖への懸念からリスク回避の動きが強まったものの、衆院解散宣言後に安倍自民党総裁が「日銀法改正も視野に入れる」「大胆な金融緩和を行う」など発言したことを受けて、リスク回避の動きが後退。NY市場では、オバマ大統領が財政の崖への解決に向けてポジティブな意見を述べたことが好感され、NYダウが前日比プラス圏に回復するなど、リスク選好的な円売りも入り前日比+0.173円の81.345円で取引を終えました。
東京市場のユーロ円は、衆院解散にともなう円売りの流れが一服し、ポジション調整目的から103.25円付近まで緩やかに軟化しました。欧州市場では、ギリシャの財政問題への先行き不透明感からリスク回避のユーロ売りが入り103.044円まで下押したものの、安部自民党総裁の発言を受けて103.45円付近まで回復。NY市場では、米財政の崖回避に向けてオバマ大統領をはじめとした要人の発言が相次いだことから、リスク選好の流れとなり前日比-0.098円の103.639円まで上昇し取引を終えました。
≪2012年11月16日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り42% 買い58%
ユーロ・円 :「ベア」売り65% 買い35%
ユーロ・ドル :「ベア」売り56% 買い44%
英ポンド・円 :「ベア」売り58% 買い42%
豪ドル・円 :「ブル」売り33% 買い67%
NZドル・円 :「スクウェア」売り50% 買い50%
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・改定値 9月
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・改定値 9月
19:00 EUR 建設支出[前月比] 9月
19:00 EUR 建設支出[前年同月比] 9月
00:00 USD NAHB住宅市場指数 11月
00:00 USD 中古住宅販売件数[年率換算件数] 10月
00:00 USD 中古住宅販売件数[前月比] 10月
- 今日のトレードポイント -
先週の円は、野田首相が衆院解散を宣言したことから、次期政権が安部自民党総裁になるとの思惑から、日銀への金融緩和圧力が強まり79円台から81円台まで円売りが進行しました。一方、ドルは年末に控える財政の崖問題を背景にドル売りが入りましたが、円安圧力を強く下値は限定的になりました。今週は急速にすすんだ円安が一巡し、財政の崖が意識される展開になると大幅に反落する可能性も想定されるため、下値への動きには警戒しておきたいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 78.50-80.50 ユーロ・円 100.00-103.00 ポンド・円 125.00-127.50