ギリシャの債務問題を背景にリスクオフ
昨日のドル円は序盤、仲値に向けてドル買いが強まる場面がみられたものの、日経平均が下げに転じたことを受けて、ドル円は79.20円付近まで反落しました、欧米市場では、今週末に控えたギリシャ債償還のために発行された短期国債の入札が順調に消化されたことにくわえ、独ビルト紙が「独政府は440億ユーロのギリシャ向け融資を一括で行うことに賛成」と報じたことから、対ユーロでのドル売りが強まり、ドル円にも波及し一時79.587円まで上昇。引けにかけて、独財務省報道官が独ビルト紙の報道を否定したため、ドル売りが一服し前日比-0.083円の79.395円まで買い戻されて取引を終えました。
東京市場のユーロ円は、日経平均や主要なアジア株式やGlobexのNYダウ先物での株安を受けて、リスク回避のユーロ売りから100.324円まで下落しました。欧米市場では、ギリシャの短期国債入札が消化されたほか、独ビルト紙が「独政府は440億ユーロのギリシャ向け融資を一括で行うことに賛成」と報道したことが好感され、債務問題の改善期待から101.247円まで急伸。その後、独財務省報道官が独ビルト紙の報道を否定したことから、ユーロを売り戻す動きとなり前日比-0.136円の100.870円で取引を終えました。
≪2012年11月13日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り24% 買い76%
ユーロ・円 :「ブル」売り35% 買い65%
ユーロ・ドル :「ベア」売り55% 買い45%
英ポンド・円 :「ブル」売り29% 買い71%
豪ドル・円 :「ブル」売り25% 買い75%
NZドル・円 :「ブル」売り44% 買い56%
【今日の主な経済指標】
16:45 FRF 消費者物価指数(CPI)[前月比] 10月
18:30 GBP 失業保険申請件数 10月
18:30 GBP 失業率 10月
19:00 EUR 鉱工業生産[前月比] 9月
19:30 GBP 英中銀イングランド銀行、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
20:00 ZAR 小売売上高[前年同月比] 9月
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
22:30 USD 卸売物価指数(PPI)[前月比] 10月
22:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)[前月比] 10月
22:30 USD 小売売上高[前月比] 10月
00:00 USD 企業在庫[前月比] 9月
04:00 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
- 今日のトレードポイント -
今週末に控えるギリシャ債償還は、短期国債を40億ユーロ調達できたことにより、通過できる見通しになりました。ただし、ユーロ圏財務相会合でギリシャの財政再建計画の2年延長は合意したものの、期間延長で必要となる追加融資額約320億ユーロの目途がたっておらずリスクポジションを取り難い地合いになりそうです。また、本日は複数の米経済指標の発表が控えていますが、仮に市場予想を上回る結果を受けても、欧州債務問題が懸念材料として意識されるとの見方から上値は限定的かもしれません。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 78.00-80.50 ユーロ・円 99.50-102.00 ポンド・円 124.00-127.50