スペイン問題は未解決!!
先週金曜日のドル円は、米経済指標の改善や日銀の追加緩和観測期待を背景とした円売りの地合いを受け79.26円近辺で取引を開始しました。この流れから79.40円近辺まで上昇する場面も見られましたが、その後は材料難やポジション調整の売りから若干値を下げる展開となりました。欧州市場では、米長期金利の低下幅の拡大による日米金利差縮小を見込んだ円買いドル売りを受け79.14円近辺まで下落。しかし欧州連合(EU)首脳会議において、スペインなどに対する危機対策への進展が見られないことや、米主要企業のさえない決算発表によりダウ平均が130ドル強下落しリスク回避の地合いが強まりました。これによりドルは全面高の展開となり下げ幅を縮小する展開へ。NY市場でもこの流れは継続し79.43円近辺まで上昇しました。その後、週末要因によるポジション調整から方向感に掛ける展開となりましたが、前日比では0.001円高い79.263円で取引を終えました。
ユーロ円は、18日の円売り地合いの流れを受け103.57円近辺で取引を開始した後、欧州連合(EU)首脳会議の内容を見極めたいとの思惑から膠着感の強い展開となりました。欧州市場では、スペイン10年債利回りの上昇やラホイ・スペイン首相が欧州連合(EU)首脳会議の後に「支援を要請するかについては未だ決定していない」などと発言したことを受け、対ユーロで円は買われ103.17円近辺まで下落。NY市場では、ドル高につられ103.61円近辺まで下げ幅を縮小するも、欧州財政問題への不透明感から再び値を下げる展開となり、前日比では0.306円安い103.250円で取引を終えました。
≪2012年10月19日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り33% 買い67%
ユーロ・円 :「ベア」売り61% 買い39%
ユーロ・ドル :「ベア」売り73% 買い27%
英ポンド・円 :「ブル」売り37% 買い63%
豪ドル・円 :「ブル」売り21% 買い79%
NZドル・円 :「ベア」売り52% 買い48%
【今日の主な経済指標】
17:30 HKD 消費者物価指数(CPI)[前年比] 9月
- 今日のトレードポイント -
欧州連合(EU)首脳会議においてスペインやギリシャの財政問題についてほとんど話し合いが行われませんでした。今後スペインやギリシャの財政問題に対する具体策が出ればユーロ円は103円台後半での推移が予想されますが、このまま具体策が何も出なければ103円台を割り込む展開が予想されます。一方ドル円は、主要企業の決算発表や米経済指標に加え米10年債利回りの動向を見ながら取引を行うことになると思われます。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 78.50-80.20 ユーロ・円 102.00-104.00 ポンド・円 124.50-128.50