欧米株式の上昇を背景に投資家のリスク許容度が改善!!
昨日のドル円は序盤、手掛かり不足から動意は限られ78.20円付近を静かに推移しました。欧州市場に入ると、欧州株式の株高を背景にリスク選好の動きが強まるなか、衆参でそれぞれ内閣不信任案と問責決議案がだされたことで政局不安から円売りが強まり78.45円付近まで上昇しました。NY市場では、NYダウの堅調推移を受けて米長期金利が上昇したことで、日米金利差拡大を意識した円売りドル買いが優勢になり78.736円まで強含み78.623円(前日比:+0.411)で取引を終えました
ユーロ円は、東京市場で豪準備銀行(RBA)理事会による政策金利の発表があったものの、市場予想通り据え置かれたことから、為替への影響は限定的になり97.00円付近を推移しました。欧州市場では、欧州株式が買い先行で始まったことを手掛かりにリスクオンになるなか、本邦の政局不安を背景に円売りが強まったこともサポート材料となり97.45円付近まで上昇しました。NY市場では、欧米株式が上昇幅を拡大するなど投資家のリスク選好姿勢が一段と強まり97.813円まで上値を伸ばしたものの、ユンケル・ユーログループ議長が「ギリシャのユーロ圏離脱は対応可能だが望ましくない」と発言したことが嫌気され、前日比+0.520円となる96.502円まで売り戻して取引を終えました。
≪2012年8月7日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り21% 買い79%
ユーロ・円 :「ブル」売り48% 買い52%
ユーロ・ドル :「ベア」売り73% 買い27%
英ポンド・円 :「ブル」売り37% 買い63%
豪ドル・円 :「ブル」売り27% 買い73%
NZドル・円 :「ブル」売り48% 買い52%
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI 7月
14:45 CHF スイスSECO消費者信頼感指数 7月
15:00 DEM 経常収支 6月
15:00 DEM 貿易収支 6月
15:45 FRF 貿易収支 6月
18:30 GBP 英中銀イングランド銀行、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
19:00 DEM 鉱工業生産[前月比] 6月
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:30 USD 四半期非農業部門労働生産性・速報値[前期比] 4-6月期
- 今日のトレードポイント -
欧米株式の株高を背景に米長期国債の利回りが低下したことで、投資家のリスク選好姿勢が強まり安全資産の円売りが優勢になりました。また、政府と首相に対して、内閣不信任案と問責決議案がだされたことも円売りを後押ししました。もっとも、その後にユンケル・ユーログループ議長が「ギリシャのユーロ圏離脱は対応可能だが望ましくない」と発言したほか、米格付け会社S&Pが債務返済が困難との見通しからギリシャの格付けを安定的からネガティブに引き下げるなど、欧州の債務危機が意識されており、リスク選好の動きは限定的になりそうです。一方、本邦では本日から9日まで日銀による金融政策決定会合が開かれる予定です。内容も欧州債務危機が日本経済に与える影響を議論することになっており、追加金融緩和策が加速するか注目したいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 77.50-79.00 ユーロ・円 95.50-98.00 ポンド・円 120.50-123.00