独仏両首脳の共同声明を受けて債務危機の懸念緩和!!
先週金曜日のドル円は、前日のドラギECB総裁の発言を背景にスペインの国債利回りが低下したことで、リスク選好姿勢が回復し日経平均の株高もサポート材料となり78.380円まで上昇しました。しかし欧州市場に入ると、ドイツ連邦銀行が「ECBの国債購入は、債務危機を解決する最善の方法ではない」との見解を表明したことが重しとなり78.076円まで反落。NY市場では、ドイツ、フランスの両首脳が「ユーロを守るためにあらゆる措置をとる」との共同声明が好感されたほか、米経済指標の四半期実質国内総生産とミシガン大学消費者態度指数がともに市場予想よりも強い結果になったことで、リスク選好からドル買い円売りが優勢となり前日比+0.321円となる78.522円まで上昇し取引を終えました。
ユーロ円は、東京市場でスペインの国債利回りが低下したことを受けて、欧州の債務危機の懸念が緩和したことから96.50円付近まで上昇しました。しかし欧州市場に入ると、ドイツ連邦銀行がECBによる国債購入は債務返済の方法として最善策ではないとの認識を示したことで一時95.642円まで反落に。NY市場では、強い米経済指標を受けてリスクオンの流れになるなか、ドイツ、フランスの両首脳が「ユーロを守るためにあらゆる措置をとる」との共同声明を発表したことを受けて、ユーロ買いが強まり97.332円まで強含む展開になりました。ただ引けにかけて、短期筋の利益確定の売りや週末要因のポジション調整に押され前日比+0.690円となる96.717円まで値を崩して取引を終えました。
≪2012年7月27日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り13% 買い87%
ユーロ・円 :「ブル」売り34% 買い66%
ユーロ・ドル :「ベア」売り64% 買い36%
英ポンド・円 :「ブル」売り31% 買い69%
豪ドル・円 :「ブル」売り24% 買い76%
NZドル・円 :「ブル」売り40% 買い60%
【今日の主な経済指標】
15:00 ZAR マネーサプライM3[前年同月比] 6月
17:30 GBP 消費者信用残高 6月
17:30 GBP マネーサプライM4[前月比] 6月
17:30 GBP マネーサプライM4[前年同月比] 6月
18:00 EUR 消費者信頼感(確定値) 7月
23:00 USD 住宅販売保留指数[前月比] 6月
- 今日のトレードポイント -
独仏の両首脳が「ユーロを守るためにあらゆる措置をとる」との共同声明を発表したことでリスクオンの流れになりました。26日にもドラギECB総裁は「ユーロを守るためにあらゆる手段をとる用意がある」と欧州の債務危機の解決に向けて、発言を強めています。しかし、具体的な解決策が掲示されていないことから、欧州株式の下落や欧州各国の国債利回りの上昇などユーロに対してネガティブな材料が出た場合には、格好の売り場になる可能性も想定されるため、強き一辺倒にはいかないかもしれません。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 77.50-79.50 ユーロ・円 95.00-99.00 ポンド・円 122.00-125.00