世界的な追加刺激策への期待からユーロは反発!
東京市場のドル円は、79円前半での小動きとなりました。仲値に向けた買い需要から買いが先行する場面も見られたが、3連休を控え積極的な売買は見られず小動きに終始。欧州市場では、材料難から79円前半での推移が継続しました。NY市場では、7月ミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が72.0と市場予想の73.5を下回り、2ヶ月連続で悪化したことを受け79.210円近辺まで下落。その後、世界各国中央銀行が一段の成長支援を講じるとの観測から下げ幅を縮小するも、前日比0.105円安い79.170円で取引を終えました。
東京市場のユーロ円は、買い材料が乏しいため値を下げる展開となりました。中国のGDP成長率が3年ぶりに8%を割り込んだことから世界経済の景気減速懸念が再燃し、発表前は96.90円近辺で推移していたユーロは96.71円近辺まで徐々に値を下げることとなりました。欧州市場では、イタリア国債の入札が無事に通過したことで、売られ過ぎていたとの見方からユーロは買い戻され一時97円台を回復する場面も見られました。NY市場ではシンクタンクのレポートで、「経済や金融状況が悪化すれば、ECBは追加緩和の用意があり、また非標準的な手段をとることも可能」などの見方を示したことで、ユーロ売りが強まり96.45円近辺まで下落。しかし、オーストラリア銀行がソブリン債のユーロの償還を控えユーロを買い戻しているとの憶測が聞かれたことや、世界各国中央銀行が一段の成長支援を講じるとの観測からユーロは買いが優勢となり、79円台を回復する場面も見られました。引けに掛けては、利益確定の売りから値を下げるも、前日比0.209円高い96.956円で取引を終えました。
≪2012年7月13日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り14% 買い86%
ユーロ・円 :「ブル」売り21% 買い79%
ユーロ・ドル :「ブル」売り42% 買い58%
英ポンド・円 :「ブル」売り27% 買い73%
豪ドル・円 :「ブル」売り19% 買い81%
NZドル・円 :「ブル」売り31% 買い69%
【今日の主な経済指標】
16:15 CHF 四半期鉱工業生産 [前期比] 1-3月期
16:15 CHF 四半期鉱工業生産 [前年同期比] 1-3月期
18:00 EUR 消費者物価指数(HICP、改定値)[前年同月比] 6月
18:00 EUR 貿易収支 5月
21:30 CAD 対カナダ証券投資額 5月
21:30 USD ニューヨーク連銀製造業景気指数 7月
21:30 USD 小売売上高[前月比] 6月
23:00 USD 企業在庫[前月比] 5月
市場ではリスクオフの地合いのなか、米10年債の利回りが低下しているためドル円相場を圧迫することが懸念されます。格付会社ムーディーズによるイタリア国債の格下げを受け、欧州信用リスクへの警戒感が強まっています。ユーロはショートカバー以外の買いは期待しにくく上値が抑えられる展開が予想されます。来週から米企業決算が本格化するためその動向に注目が集まります。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 78.00-81.00 ユーロ・円 95.00-98.00 ポンド・円 121.00-125.00