ギリシャのユーロ圏離脱懸念を背景にリスク回避色が濃厚に!!
昨日のドル円は、前日のNY市場でドルが買われた流れを引き継ぎ、東京市場でも80.45円付近まで上昇しました。欧州市場では、欧州株式の下落やイングランド銀行金融政策委員会(MPC)の景気見通しが悪化したことで小幅に反落しました。NY市場では、米長期金利が時間外取引で上昇したことを受けて、日米金利差拡大から円売りドル買いが入り80.548円まで強含む展開となったが、買い一巡後はギリシャの債務問題を背景に売り戻しが優勢になり80.279円(前日比:+0.075)まで値を崩して取引を終えました。
ユーロ円は序盤、ギリシャの政局混乱を受けてNY市場で大幅に下落した反動から、ユーロへの買い戻しが入り102.35円付近を堅調に推移しました。欧州市場では、スペインの長期国債利回りが上昇したことが嫌気され、投資家のリスク許容度の低下からユーロ売りが強まったものの、売りが一巡すると強い英失業率の結果を手掛かりにユーロ買いが優勢となり102.707円まで上昇しました。しかし、NY市場に入るとECB関係者の話として「ECBは一部のギリシャ国内銀行に対して資金供給を停止している」と伝わると、ギリシャのユーロ離脱懸念からユーロ売りが優勢となり前日比+0.009円となる102.107円まで下落して取引を終えました。
≪2012年5月16日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り22% 買い78%
ユーロ・円 :「ブル」売り40% 買い60%
ユーロ・ドル :「ブル」売り46% 買い54%
英ポンド・円 :「ブル」売り27% 買い73%
豪ドル・円 :「ブル」売り11% 買い89%
NZドル・円 :「ブル」売り30% 買い70%
【今日の主な経済指標】
13:30 JPY 鉱工業生産・確報値[前月比] 3月
21:30 CAD 対カナダ証券投資額 3月
21:30 CAD 卸売売上高[前月比] 3月
21:30 USD 新規失業保険申請件数 前週分
23:00 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数 5月
23:00 USD 景気先行指標総合指数[前月比] 4月
- 今日のトレードポイント -
ギリシャのユーロ圏離脱懸念が高まるなか、リスク回避の動きが継続しています。こういった懸念の高まりに対して、ユーロ圏当局者は「離脱観測はプロバカンダであり、ナンセンス」との見解を示しています。しかし、ギリシャでは緊縮財政反対を唱えている野党が勢力を伸ばしており、再選挙後の新政権が緊縮財政を拒否した場合にはギリシャのユーロからの離脱は確実との見方もあり、思惑的な動きに注意しておきたいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 79.00-81.50 ユーロ・円 101.00-103.50 ポンド・円 127.50-130.00