政局混乱が続くギリシャの動向を窺う展開か!?
昨日のドル円は、東京市場で豪雇用統計が発表され市場予想を大幅に上回ったことを受けて、投資家のリスク選好姿勢の高まりから79.70円付近を堅調に推移しました。欧米市場では、新規取引材料が乏しかったことから方向感の欠ける展開になっていたたものの、米長期金利が大幅に上昇したことを背景に、日米金利差拡大を意識した円売り圧力が強まり一時80.013円まで強含み79.987円(前日比:+0.347)で取引を終えました。
ユーロ円は序盤、強い豪雇用統計を受けて103.35円付近まで強含んだものの、買い一巡後はギリシャの政局不透明感が意識され上値が抑えられました。欧州市場では、欧州株式の軟調推移に伴って、投資家のリスク許容度が低下したことから、ユーロ売りが先行し102.95円付近まで反落に。ただNY市場に入ると、政局が混迷していたギリシャで新政権の樹立に向けて前進したことを受けて、ユーロへの買い戻しが優勢となり103.499円(前日比:+0.460)で取引を終えました。
≪2012年5月10日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り20% 買い80%
ユーロ・円 :「ブル」売り45% 買い55%
ユーロ・ドル :「ベア」売り51% 買い49%
英ポンド・円 :「ブル」売り41% 買い59%
豪ドル・円 :「ブル」売り15% 買い85%
NZドル・円 :「ブル」売り35% 買い65%
【今日の主な経済指標】
15:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比] 4月
17:30 HKD 四半期域内総生産(GDP)[前期比] 1-3月期
17:30 HKD 四半期域内総生産(GDP)[前年比] 1-3月期
17:30 GBP 卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI)[前年同月比] 4月
21:30 CAD 失業率 4月
21:30 CAD 新規雇用者数 4月
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)[前月比] 4月
21:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)[前月比] 4月
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・速報値 5月
- 今日のトレードポイント -
政局混乱が続くギリシャは、ユーロ圏残留を支持する全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のベニゼロス党首が新政権樹立の責務を担うことになったことが好感され、リスク回避の動きが後退しています。しかし、組閣が失敗した場合にはリスク回避姿勢が強まると見られることから、動向を見極めつつ慎重姿勢を維持したいです。一方、米経済は雇用の鈍化が意識されるなか、10日新規失業保険申請件数が36万件台と堅調な結果を背景に、リスク許容度が改善しており、本日発表予定のミシガン大学消費者態度指数が予想比強めとなれば心理的節目である80円の大台を試す展開になりそうです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 78.50-81.00 ユーロ・円 102.00-104.50 ポンド・円 127.50-130.00