欧州首脳会談を終えて、ユーロ各国の格下げリスク高まる!!
金曜日のドル円は序盤、仲値にかけて買いが強まる場面が見られたものの、その後、日経平均や主要アジア株式が総じて軟調に推移したことで、リスク回避から77.55円付近まで軟化しました。しかし、欧州市場に入ると、欧州株式やGlobexのNYダウ先物が上昇に転じたことをきっかけに、ドル円にショートカバーが入り77.770円まで反発。NY市場では、NYダウが前日比186.56ドル高の大幅反発を受けて、資源国通貨に対してドル売り圧力が強まった影響が波及し、ドル円は前日比-0.120円となる77.554円まで小幅に値を崩し取引を終えました。
ユーロ円は、東京市場で欧州連合(EU)当局者が「EU首脳、ESMに銀行免許付与しないことで合意」などの発言を受けてユーロ売りが強まり103.148円まで軟化しました。欧州勢参入後には、欧州中央銀行(ECB)がイタリア国債を購入しているとの観測がだされたほか、中国が3000億ドル規模の外貨投資機関を設立し、欧州や米国に投資すると報じられユーロへの支援材料になると一時104.386円まで大きく反発。しかし、NY市場に入ると、欧州首脳会談後にメルケル独首相が「EU首脳はECBの役割や政策を協議しなかった」と発言したほか、ESMの上限が5000億ユーロを超えないとの見解を示したことで、欧州財政問題への懸念からユーロ売りが先行し103.780円(前日比:+0.135)まで下落して取引を終えました。
≪2011年12月9日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り23% 買い77%
ユーロ・円 :「ブル」売り35% 買い65%
ユーロ・ドル :「ベア」売り55% 買い45%
英ポンド・円 :「ブル」売り31% 買い69%
豪ドル・円 :「ブル」売り27% 買い73%
NZドル・円 :「ブル」売り25% 買い75%
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 消費者態度指数・一般世帯 11月
16:45 FRF 経常収支 10月
04:00 USD 月次財政収支 11月
- 今日のトレードポイント -
欧州首脳会談は、英国が2条約改定を反対したことにくわえ、欧州安定メカニズム(ESM)の上限が5000億ユーロを超えない枠組みでの見通しとなり、リスク回避の地合いが強まりそうです。また、欧州首脳会談の結果を受けて、米格付け会社S&Pがユーロ圏15ヵ国の格付けを引き下げる可能性も低くないことから、警戒感を怠らないようにしたいでしょう。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 77.00-78.50 ユーロ・円 102.00-105.00 ポンド・円 120.00-122.50