FXレポート

雇用情勢不安が残るも、雇用統計の結果は?

昨日は本邦株式相場の下落によりリスク回避目的の円買いが進んだことからドル円は一時92円台を割り、91.938円まで下落。ユーロ円も同様に131.148円まで下落した。その後、株価が下げ止まり、上海株式相場が堅調に推移したことでドル円は92円台、ユーロ円も132円台を回復し、行って来いの展開となった。

ニューヨーク市場の時間帯には市場予測を下回る米新規失業保険申請件数を受け、一時ドル売りがみられたものの、ISM非製造業景況指数は市場予想平均を上回ったことから買い戻される展開に。ドル円は一時92.70円と高値を付け、ユーロ円も一時132.50円まで値を上げた。その後も、格付け会社ムーディーズによるフォードの格付けの引き上げなどからNYダウが引けにかけて上げ幅を拡大したことを受け、ドル円は92.791円まで上昇、92.644円で引けた。ユーロ円も株高を背景としたユーロ買いから132.059円と円安水準で引けた。


本日序盤は上海株式市場を中心としたアジア株式相場の動向を睨みながらの推移となりそうだが、ニューヨーク時間帯に発表される8月米雇用統計を前に、狭いレンジでの様子見相場になると考えられる。市場では非農業部門就業者数の減少幅が縮小されるとの見方が強いものの、既に織り込み済みと考えれば、大幅に改善される状況でない限り強いドル買いに傾斜するとは考えにくいだろう。先日の冴えないADP雇用統計結果から、米国の雇用情勢に対する不安感が強くなっている状況下を考えればなおさら、ドル買いに慎重な状況であると考えられ、93円台を回復できるかどうかが焦点となろう。下値は直近安値である7月13日の91.743が一つの目安となろうか。

ユーロ円も特段の売り材料はないものの、昨日の欧州中央銀行(ECB)が政策金利を当面据え置く方針を示したことが上値を抑える一要因となっているようだ。引き続き市場が神経質になっている状況から、再び下値を模索する展開となる可能性が高く、注意が必要だ。


[本日の予想レンジ]

 ドル ・円  91.20-93.20
 ユーロ・円 130.50-133.80
 ポンド・円 148.20-152.50

【本日の主な経済指標】

 08:50(日) 四半期法人企業統計調査
 16:15(ス) 消費者物価指数
 20:00(加) 新規雇用者数
 20:00(加) 失業率
 21:30(米) 失業率
 21:30(米) 非農業部門雇用者数変化
 23:00(加) Ivey購買部協会指数

さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年9月3日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「ベア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル・円は「ブル」
 生産関連指標は引き続き好調な結果となったものの、雇用情勢に不安を残したまま本日の
 雇用統計の結果まち。昨日は92.70付近まで値を戻したものの93円台には届いていない。
 依然としてドル円の上値が重い状況であることは念頭に入れておきたい。
  
 ユーロ・円は「ブル」
 欧州中央銀行(ECB)が政策金利も予想通り据え置かれ、売り材料にも出尽くし感が漂う。
 132円台をコンスタントに維持できれば、上値の余地も出てくるだろうか。
 ただし、株式市場が軟調に推移した場合、売り圧力が一気に高まるリスクがあるため
 慎重な判断が求められそうだ。

 ポンド・円は「ブル」
 ポンド円は151円台を回復し、上値を試す動きが継続している模様。参加者にもややポンド買い
 に安心間が生まれ「ブル」が選択されている。本日の雇用統計を受けた株価動向に左右される
 と考えられるものの、対ユーロでのポンド買いが下支えとなるか注目したい。
 
 

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