FXレポート

強い米雇用統計を背景にリスク選好地合いは継続なるか!?

金曜日のドル円は序盤、仲値に向けてドル買いが優勢となり76.70円付近まで上昇したものの、米雇用統計の発表が控えていたことから積極的な売買が控えられ76.60円付近での動意の薄い取引となりました。欧州市場に入ると、米雇用統計の結果を見極めたいとの思惑から様子見ムードが強まり76.70円付近を推移。NY市場では、注目されていた米雇用統計は失業率が9.1%と市場予想通りだったものの、非農業部門雇用者数変化が10.3万人と市場予想の5.5万人を大幅に上回り米雇用情勢の改善が示されると、リスク志向の高まりから円売りが優勢になり76.903円まで上昇し、76.880円(前日比:-0.199円)で取引を終えました。

ユーロ円は序盤、米格付け会社S&Pがベルギー最大手行のデクシアの格付けを引き下げたと発表したことを受けて、ユーロ圏の金融システムへの不安からユーロ売りが強まり102.785円まで下落しました。欧州市場に入ると、欧州の主要な株式市場の堅調推移を背景に、ユーロ円は103.00円付近まで小幅に回復。NY市場では強い米雇用統計の発表を受けて、投資家のリスク選好姿勢が高まり103.858円まで急上昇しました。しかし、その後英格付け会社フィッチがイタリアとスペインの国債格付けを引き下げ、見通しを「ネガティブ」としたことが伝わると、リスク回避のユーロ売り円買いが強まり102.836円(前日比:+0.161円)まで大幅に上値を削られて取引を終えました。


≪2011年10月7日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」売り58%  買い42%
ユーロ・円  :「ブル」売り78%  買い22%
ユーロ・ドル :「ブル」売り64% 買い36%
英ポンド・円 :「ブル」売り27% 買い73%
豪ドル・円  :「ブル」売り14% 買い86%
NZドル・円  :「ブル」売り28% 買い72%

【今日の主な経済指標】
15:00 DEM 経常収支 8月
15:00 DEM 貿易収支 8月
15:45 FRF 鉱工業生産指数 8月


                        今日のトレードポイント

7日の米雇用統計の大幅改善により、為替相場はリスク選好の動きが強まっています。米雇用統計の結果を背景に全般的にショートカバーが入ったものの、米国市場での取引終了間際に格付け会社フィッチがイタリアとスペインの国債格付けを引き下げたことを参加者は敏感に反応しているため一本調子での上昇を見込むのは難しいところです。今週は14日に米小売売上高やミシガン大学消費者態度指数の発表が控えているほか、米大手金融機関の決算発表が本格化するなど米経済の先行き懸念が払拭できるかを見極めたいでしょう。

[今日の予想レンジ]
ドル・円 76.00-78.00  ユーロ・円 101.00-104.00  ポンド・円 118.00-121.00

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