FXレポート

市場の関心は上海株の動向?リスク回避の流れ止まらず

昨日の東京市場の時間帯は民主党の圧勝を受け日経平均が一時年初来高値を更新したことが注目され、為替相場は円買い優勢の流れで始まった。しかし、その後の相場の関心事は企業業績の低迷から景気先行き懸念が強まり6.7%と大幅下落した上海株式相場の動向へと転換。世界景気の先行き不安が強まり、リスク回避の流れによるユーロや高金利通貨売りとなり、ドル円は92.55付近、ユーロ円は132.15付近、豪ドル円は77.55付近まで下落する展開となった。

その後のロンドン市場、ニューヨーク市場の時間帯でも、アジア株式市場での株安・景気先行き不透明感の流れを引き継ぎ、クロス円は上値の重い展開となった。また、ドル円は米国では8月のシカゴ購買部協会景況指数が好調な結果となったものの、れほど材料視されることもなく、93.30付近までの上昇に限られる展開となった。その他、対円でのユーロや豪ドルも戻りが鈍く、ユーロ円は133.48付近、豪ドル円も78.58付近と円高水準で取引を終える結果となった。


さて、本日は民主党圧勝による本邦株式市場のご祝儀相場も束の間、投資家の関心は上海を中心としたアジア株式相場の動向となっているようだ。本日は一時的な株式市場の反発による株高・円売りの流れが見られたとしても、先週後半からリスク回避の流れが強まっている状況を鑑みると、積極的なリスクテイク・株高・高金利通貨買いの流れが強まるとは判断しにくい。

また、ドル円であるが、昨日の好調なシカゴ購買部協会景況指数を受けたドル買いは不発だったものの、本日発表されるISM製造業景況指数への期待感は醸成されているようだ。市場予想を上回る結果となれば、ドル買いが強まる可能性が高く、注視したい。

更に、欧州の動向であるが、独及びユーロ圏の失業率は着目したい。足元の景況感に一段の安心感がみられるようであれば、リスク回避の流れの中においても「相対的なユーロ買い」が選択される可能性も否定できないと考えられる。

[本日の予想レンジ]

ドル ・円 91.80-94.00
ユーロ・円 131.20-134.50
ポンド・円 151.20-153.00

【本日の主な経済指標】

10:30(豪) 住宅建設許可件数
10:30(豪) 経常収支
13:30(豪) 豪準備銀行(中央銀行)政策金利発表
14:45(ス) 四半期国内総生産(GDP)
16:55(独) 失業率
17:00(欧) 製造業購買担当者景気指数
17:30(英) マネーサプライM4速報値
17:30(英) 消費者信用残高
17:30(英) 製造業購買担当者景気指
18:00(欧) 失業率
23:00(米) 建設支出
23:00(米) 住宅販売保留指数
23:00(米) ISM製造業景況指数


さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年8月31日クローズ時点≫
 ドル・円  : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル : 「ベア」
 英ポンド・円 : 「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  : 「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル・円は「ブル」
 ドル円は、再び93円台を割り込む展開となった。92円台での押し目買いから参加者は「ブル」を選択
 しているようだ。シカゴ購買部協会景況指数が予想を上回る展開であったことから、本日発表予定の
 ISM製造業景況指数に対する好調な結果が予想されている。株価が伸び悩むなか、どの程度まで
 ドルが値を戻すかが注目されそうだ。
 
 ユーロ・円は「ブル」
 株安・リスク回避の流れから、市場ではややユーロ売り優勢の流れとなっている。これを受け、
 値ごろ感が浮上したことで参加者は「ブル」を選択している模様。
 本日は、独及び欧州の失業率が発表されるが、足元の景況感を確かめる展開となりそうだ。
 
 ポンド・円は「ブル」
 一時151円台を割り込んだことから、参加者は底値の買いスタンスを積極的に取っている模様。
 しかし、リスク回避の流れが強まっていることから、一段の下値を模索する展開も十分に予想される
 ため慎重な判断が求められそうだ。

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