FXレポート

欧米株価反発に伴い、一時的にリスク回避の動き後退!!

23日のドル円は、東京市場では本邦勢が祝日のため不在で独自の材料に欠けたことから、明確な方向性はみられず76円台前半で小動きが続きました。欧州勢参入後は米10年債利回りが過去最低となる1.687%へ低下するなど、リスク回避のドル買い・円買いの動きが強まり、ドル円は両方向からの圧力により非常に狭いレンジながら日本時間21時に安値76.072円まで下落。史上最安値を視野に入れた展開の中、NY市場では目立った経済指標の発表がなく、欧米の株価動向に左右される動きとなりました。週末のポジション整理の動きも手伝い、ダウ平均の上昇につれて日本時間4時過ぎに高値76.878円を付けましたが週末ということもあり、その後は積極的に上値を試す勢いはみられず、76.652円(前日比:-0.373)まで値を崩して取引を終えました。

ユーロ円は日本の祝日により本邦勢が不在で取引が薄いなか、東京市場ではG20が危機回避へのユーロ圏の対応を促すために、緊急で共同声明を発表するとのニュースが報道され、まとまったユーロ買いが入ったもようで東京時間午前に103円台まで水準を戻しました。その後、格付け会社ムーディーズがスロベニアの格付けを「Aa3」へ引き下げるなど、欧州のソブリンリスクが意識されたことで次第に上値が重い展開となり、102円台後半で膠着状態に。欧州市場に入ると、金融市場の安定維持のために必要な措置を講ずるとしたことが見直され、さらには独財務省報道官がユーロ共同債に改めて反対の方針を示したことで欧州株やダウ先物が反落。安全資産とされる米債が買われるなど、リスク回避が強まり、日本時間21時過ぎには安値102.243円まで値を崩しました。NY市場ではG20が世界経済の新たな課題に協調して取り組む姿勢を示したことで、ギリシャを筆頭とした欧州債務問題の解決策が進展するとの期待から欧州株式相場は反発。足もとで進行したリスク回避の円買いに対する巻き戻しが優勢となり、クローズ間際の日本時間5時半頃には高値103.725円まで上げ幅を拡大した後は、反発した反動から調整売りにより、やや値を戻して103.567円(前日比:-1.277)で取引を終えました。


≪2011年9月23日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」売り 4%  買い96%
ユーロ・円  :「ブル」売り15%  買い85%
ユーロ・ドル :「ブル」売り40% 買い60%
英ポンド・円 :「ブル」売り 9% 買い91%
豪ドル・円  :「ブル」売り 6% 買い94%
NZドル・円  :「ブル」売り15% 買い85%


【今日の主な経済指標】
08:50 JPY  貿易統計(通関ベース) 8月
07:45 NZD  貿易収支 8月
17:00 DEM  IFO企業景況感指数 9月
23:00 USD  新築住宅販売件数[年率換算件数] 8月
23:00 USD  新築住宅販売件数[前月比] 8月


                                          今日のトレードポイント

世界株式の連鎖安を背景にリスク回避志向のドル買い・円買いが急速に進んでおり、ドル円は史上最安値と介入を警戒する神経質な動きが継続しております。株価動向に伴うリスク許容度の変化、また投機的な仕掛けで円高が加速する可能性がある為、注意が必要となりそうです。

[今日の予想レンジ]
ドル・円 74.80-77.00  ユーロ・円 102.00-105.00  ポンド・円 117.50-120.50

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