FXレポート

週末の米雇用統計を控え神経質な展開か!?

昨日のドル円は、仲値に向けて買いが強まる場面が見られたものの、日経平均やアジア株式で軟調推移を受けて全般的にリスク回避の動きとなり、東京市場にかけて76.50円付近まで緩やかに軟化した。欧州市場では、新規取引材料の不足から76.55円前後での小動きとなり、総じて動意の出ない膠着相場となった。NY市場に入ると、米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が56.5と市場予想の53.3を上回り、製造業新規受注も2.4%と市場予想の1.9%を上回ったことで、対主要通貨を中心にドル買いが先行し、ドル円は76.832円まで上昇した。しかし、買いが一巡すると急速に売り戻す展開となり76.429円の日通し安値まで反落。引けにかけて、ポジション調整目的の買いが散発的に入り76.639円(前日比-0.072円)まで持ち直し取引を終えた。また、週末に米雇用統計を控えて、注目されていたADP雇用統計は9.1万人と市場予想の10.0万人から悪化となり、発表直後こそドル売りで反応したものの、下値を探る展開にはならず為替への影響は限定的だった。

ユーロ円は、東京市場でギリシャ支援をめぐってフィンランドが担保を求めていることが改めて材料視されたほか、欧州中央銀行(ECB)がインフレ抑制策を後退させるのではないかとの見方が強まったことなどを背景に上値の重い展開となり110.50円付近まで下落した。欧州市場に入ると、ドイツの小売売上高や雇用統計の結果に好感し一時ユーロ買いが強まる場面が見られたものの、買いの勢いは長続きせず110.60円前後での小動きになった。NY市場では強い米経済指標を受けて、投資家のリスク志向の高まりから110.825円まで小幅に上昇したものの、ロンドンフィキシングに向けた売りに押されて110.05円付近まで反落。引けにかけて、バローゾ欧州委員長が「欧州連合(EU)は欧州中央銀行(ECB)と国際通貨基金(IMF)とともにギリシャの財政援助を見直している」と発言したことで、ユーロ円は下げ足を速め109.90円まで下押しし前日比-0.644円となる110.164円で取引を終えた。

≪2011年8月31日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」売り5%  買い95%
ユーロ・円  :「ブル」売り15% 買い75%
ユーロ・ドル :「ベア」売り58% 買い42%
英ポンド・円 :「ブル」売り8%  買い92%
豪ドル・円  :「ブル」売り20% 買い80%
NZドル・円  :「ブル」売り48% 買い52%

【今日の主な経済指標】
14:45 CHF 四半期国内総生産(GDP)[前期比] 4-6月期
15:00 DEM 国内総生産(GDP、改定値)[前期比] 4-6月期
15:00 DEM 国内総生産(GDP、改定値)[前年同期比] 4-6月期
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格[前月比] 8月
16:15 CHF 実質小売売上高[前年同月比] 7月
16:30 CHF SVME購買部協会景気指数 8月
17:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値) 8月
17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI) 8月
21:30 USD 四半期非農業部門労働生産性・改定値[前期比] 4-6月期
21:30 USD 新規失業保険申請件数 前週分
23:00 USD 建設支出[前月比] 7月
23:00 USD ISM製造業景況指数 8月

                         今日のトレードポイント

本日のおもなイベントは、独国内総生産(GDP)、ユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)、米ISM製造業景況指数など複数の発表が控えています。前日のADP雇用統計は市場予想よりも悪化したものの、オバマ大統領の雇用対策期待があり為替相場への影響は限定的となっています。しかし、今後オバマ大統領が雇用問題の解決に向けて明確なシグナルを打ち出せない場合、米経済成長の鈍化懸念が高まり値崩れを起こす可能性も想定されるため注意したいです。


[今日の予想レンジ]
ドル・円   76.30-77.50     ユーロ・円 109.00-111.50      ポンド・円 123.00-126.00

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