クロス円軒並み下落!
昨日のドル円は、欧州の債務問題がイタリアやスペインなどにも波及するとの見方が広がったほか、NYダウ先物や日経平均株価などアジア株式が軒並み下落し、リスク許容度が一段と低下したことによるクロス円の下落につれて80.00円付近まで下落した。節目の80.00円では一時的に下げ渋ったものの、欧州勢参入後に時間外の米10年物国債の利回り低下が重しとなったことで再び下押し、6月8日以来の80円割れを示現。その後もユーロを中心としたパニック売りが続くなか、枝野官房長官が会見で、円高が進んでいることに対して「注視する」との発言にとどまったことで介入警戒感が剥落するとストップを巻き込み一時3月18日以来の安値となる79.170円まで下落した。売り一巡後はショートカバーや、個人投資家の押し目買いに加えてNYダウ先物やWTI原油先物相場の下げ幅縮小に伴い、79.80円付近まで持ち直した。ただ、NY時間に発表された5月米貿易収支が予想より弱い内容となったことや、明け方におこなわれた米FOMC議事録が、概ねネガティブな内容となったことからドル売り材料とみなされ79.288円まで軟化して取引を終えている。
ユーロ円は欧州債務問題がイタリアやスペインにも波及するとの懸念や、ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事が「ギリシャ支援について協議する段階ではない」と報じられたことなどから、リスク回避的な流れを強め東京時間に112円を割れる展開。また、欧州勢参加後も流れは変わらず、デ・ヤーへルオランダ財務相が「ギリシャの選択的デフォルトはもはや排除しない」などと発言したと伝わったほか、ギリシャやポルトガルなどのクレジット・デフォルト・スワップが軒並み過去最高値まで拡大しユーロ円も111円を割れた。さらには国際スワップデリバティブ協会がアイルランド銀行債にクレジットイベントが発生したとの認識を示すなど、欧州の債務懸念を高める材料が次々に報じられたことを受けて売りが加速すると、3月17日以来の安値である109.579円まで急落した。ただ、急落後は欧州中央銀行(ECB)が「欧州周縁国の国債を購入した」との噂が広がりイタリア国債の利回りなどが低下したほか、、欧州連合(EU)首脳はユーロ圏債務危機に関する緊急の首脳会議(サミット)を15日に開催するとの一部報道で、過度の懸念が後退し落ち着きを取り戻した。引けにかけてもショートカバーが散見し111.834円まで反発し取引を終えたが、これで3日続落となった。
今日の展開
明け方に開催されたFOMCの6月21-22日議事録が公表され、内容は「引き続き長期的な低金利維持」や「メンバーの大半が、インフレは後退すると予想」となっており、米長期金利がさらに下落する可能性が高いと考えることができる。また、雇用を始め脆弱な米経済を背景に追加刺激について意見が交わされたようで、未だ追加の金融緩和策実施(QE3)の余地が残るとの見方もできるため、ドルが値崩れを起こす可能性は否定できないだろう。対円をチャートを見ても、3月以来形成していた三角持ち合いが下方向へブレイクし、強固なサポートだった80.00円が破られたほか、日足一目均衡の雲下限からも大きく乖離しており、上値の重さが確認できる。更に5日移動平均線と25日移動平均線がデットクロスを形成している事を鑑みると地合いは弱く、震災直後の安値である76円台も視野に入ってくるかも知れない。
ユーロ円は、ギリシャの第2次支援策をめぐる協議が難航し、デフォルト観測が再燃するなか、同国の債務危機が、過剰な債務残高を抱えるイタリア、スペイン、ポルトガルにも波及するとの懸念が広がるなど、欧州信用不安の拡大から109.579円まで急落している。また、テクニカル面でも先週まで下値を支えていた113.00円付近がネックラインとして上値を抑えそうなほか、日足一目均衡表でも基準線、転換線、遅行線はいづれも急降下しており、弱含みの展開が予測される。ただし、先週からみると約8円の下落と、一旦はリバウンドが入ってもおかしくない水準でもあり、安値での突っ込み売りは大きなリスクになる可能性もあるのでショートポジションは細心の注意が必要だろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.00-80.50
ユーロ・円 108.00-112.00
ポンド・円 125.00-128.50
【今日の主な経済指標】
≪2011年7月12日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
80円割れたことで約95%の参加者が「ブル」と圧倒しているが、本日も米長期
金利の下落や、脆弱な米雇用が足枷となるだろう。また、オバマ米大統領が連
邦債務上限引き上げ問題を巡って民主党、共和党との協議が引き続き行われて
いるものの、赤字削減に向けた新財源の盛り込みに両党の歩み寄りはみられず、
解決の目処もたっていないことから、79円を割り込むダウンサイドリスクも念
頭に置きたい。ただ、同水準では歴史的な安値圏であり、割安感から個人投資
家の買いも期待できるため、押し目買いを検討する余地はありそうだ。
ポンド円「ブル」
英消費者物価(CPI)は予想を下回る弱い内容となり、英中銀の利上げ期待は
更に後退しており、利上げは来年まで無いとの見通しまで出ている。参加者は
逆張り志向が強く「強気」スタンスを崩してはいないが、本日発表の英雇用統
計でコンセンサス以上に失業率が悪化するようであれば、利上げ期待が後退す
ることになり、更なるポンド売りは避けられないだろう。また、短期的には欧
州ソブリンリスクのドタバタも足を引っ張りそうだ。
豪ドル円「ブル」
ユーロ圏財務相会合でギリシャ支援の具体策が出なかったことが背景にリスク
回避傾向が続いているが、圧倒的な金利水準を背景に依然として参加者の買い
意欲は旺盛で「ブル」は堅持されている。本日発表される中国第2四半期GDPは
前年同期比+9.3%と全四半期の9.7%を下回り約2年ぶりの低成長となる見通し
となり、中国経済とつながりが深い豪州経済への影響が懸念される。また、米
国の債務上限問題や欧州債務問題への懸念から株価が不安定な値動きとなれば、
リスク回避ムードが広がる可能性も排除できず、引き続き上昇余地は限定的と
なろうか。
ユーロ円は欧州債務問題がイタリアやスペインにも波及するとの懸念や、ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事が「ギリシャ支援について協議する段階ではない」と報じられたことなどから、リスク回避的な流れを強め東京時間に112円を割れる展開。また、欧州勢参加後も流れは変わらず、デ・ヤーへルオランダ財務相が「ギリシャの選択的デフォルトはもはや排除しない」などと発言したと伝わったほか、ギリシャやポルトガルなどのクレジット・デフォルト・スワップが軒並み過去最高値まで拡大しユーロ円も111円を割れた。さらには国際スワップデリバティブ協会がアイルランド銀行債にクレジットイベントが発生したとの認識を示すなど、欧州の債務懸念を高める材料が次々に報じられたことを受けて売りが加速すると、3月17日以来の安値である109.579円まで急落した。ただ、急落後は欧州中央銀行(ECB)が「欧州周縁国の国債を購入した」との噂が広がりイタリア国債の利回りなどが低下したほか、、欧州連合(EU)首脳はユーロ圏債務危機に関する緊急の首脳会議(サミット)を15日に開催するとの一部報道で、過度の懸念が後退し落ち着きを取り戻した。引けにかけてもショートカバーが散見し111.834円まで反発し取引を終えたが、これで3日続落となった。
今日の展開
明け方に開催されたFOMCの6月21-22日議事録が公表され、内容は「引き続き長期的な低金利維持」や「メンバーの大半が、インフレは後退すると予想」となっており、米長期金利がさらに下落する可能性が高いと考えることができる。また、雇用を始め脆弱な米経済を背景に追加刺激について意見が交わされたようで、未だ追加の金融緩和策実施(QE3)の余地が残るとの見方もできるため、ドルが値崩れを起こす可能性は否定できないだろう。対円をチャートを見ても、3月以来形成していた三角持ち合いが下方向へブレイクし、強固なサポートだった80.00円が破られたほか、日足一目均衡の雲下限からも大きく乖離しており、上値の重さが確認できる。更に5日移動平均線と25日移動平均線がデットクロスを形成している事を鑑みると地合いは弱く、震災直後の安値である76円台も視野に入ってくるかも知れない。
ユーロ円は、ギリシャの第2次支援策をめぐる協議が難航し、デフォルト観測が再燃するなか、同国の債務危機が、過剰な債務残高を抱えるイタリア、スペイン、ポルトガルにも波及するとの懸念が広がるなど、欧州信用不安の拡大から109.579円まで急落している。また、テクニカル面でも先週まで下値を支えていた113.00円付近がネックラインとして上値を抑えそうなほか、日足一目均衡表でも基準線、転換線、遅行線はいづれも急降下しており、弱含みの展開が予測される。ただし、先週からみると約8円の下落と、一旦はリバウンドが入ってもおかしくない水準でもあり、安値での突っ込み売りは大きなリスクになる可能性もあるのでショートポジションは細心の注意が必要だろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.00-80.50
ユーロ・円 108.00-112.00
ポンド・円 125.00-128.50
【今日の主な経済指標】
≪2011年7月12日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
80円割れたことで約95%の参加者が「ブル」と圧倒しているが、本日も米長期
金利の下落や、脆弱な米雇用が足枷となるだろう。また、オバマ米大統領が連
邦債務上限引き上げ問題を巡って民主党、共和党との協議が引き続き行われて
いるものの、赤字削減に向けた新財源の盛り込みに両党の歩み寄りはみられず、
解決の目処もたっていないことから、79円を割り込むダウンサイドリスクも念
頭に置きたい。ただ、同水準では歴史的な安値圏であり、割安感から個人投資
家の買いも期待できるため、押し目買いを検討する余地はありそうだ。
ポンド円「ブル」
英消費者物価(CPI)は予想を下回る弱い内容となり、英中銀の利上げ期待は
更に後退しており、利上げは来年まで無いとの見通しまで出ている。参加者は
逆張り志向が強く「強気」スタンスを崩してはいないが、本日発表の英雇用統
計でコンセンサス以上に失業率が悪化するようであれば、利上げ期待が後退す
ることになり、更なるポンド売りは避けられないだろう。また、短期的には欧
州ソブリンリスクのドタバタも足を引っ張りそうだ。
豪ドル円「ブル」
ユーロ圏財務相会合でギリシャ支援の具体策が出なかったことが背景にリスク
回避傾向が続いているが、圧倒的な金利水準を背景に依然として参加者の買い
意欲は旺盛で「ブル」は堅持されている。本日発表される中国第2四半期GDPは
前年同期比+9.3%と全四半期の9.7%を下回り約2年ぶりの低成長となる見通し
となり、中国経済とつながりが深い豪州経済への影響が懸念される。また、米
国の債務上限問題や欧州債務問題への懸念から株価が不安定な値動きとなれば、
リスク回避ムードが広がる可能性も排除できず、引き続き上昇余地は限定的と
なろうか。