ドルは独歩安の展開か!
金曜日のドル円だが、ゴールデンウィークに入り取引参加者が減少していることから、東京市場では81.50円前後での静かなレンジ取引となった。欧州勢参加後は、ヒルデブランド・スイス国立銀行総裁が「スイス経済は予想よりも力強く成長している」「インフレ期待は幾分上昇している」等の発言をきっかけに、ドルスイスフランが大きく下落したことを受け、ドル円もつられる形で81.15円付近まで下落した。NY市場に入ると、米個人所得が0.5%と市場予想を上回ったことをうけて、米10年債利回りが上昇する動きになると、日米金利差を意識した買いが優勢となり、一時81.50円付近まで持ち直す場面も見られた。しかし、その後に発表された米シカゴ購買部協会景気指数やミシガン大学消費者態度指数が予想を下回ったことで反落。引けにかけても、金や原油などの商品高を受けて、資源国通貨に対してドル売りが強まると、ドル円にも波及し81.166円まで下げ幅を拡大し取引を終えた。
ユーロ円は序盤、NY株式の上昇を背景にリスク許容度が改善すると、円売りユーロ買いが先行し121.134円まで小幅に上昇した。しかしその後は、ゴールデンウィークとロイヤルウエディングで東京とロンドンが休場だったため、市場参加者の減少から動意に乏しく、欧州市場にかけて121円を挟み上下10銭程度の小動きとなった。ただ、NY勢参加後は、月末のロンドンフィキシングに絡んだ売りが観測され120.30円付近まで下落。売り一巡後は、手掛かり不足から120.45円付近で揉み合っていたものの、引けにかけて、週末要因からユーロロングの調整が散発的に入り120.189円まで続落し取引を終えた。
今週の展開
今週のドル円は、米格付け会社S&Pが日本の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したものの、ゴールデンウィーク入りで本邦輸入企業の実需などによるドル買いが減少し円高に向かうのではとの見方もあり動向には注視したい。一方、ドルは米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文で長期に渡り異例の低金利が継続するとの見方を示したほか、バーナンキFRB議長の発言から早急な金融引き締めに対して慎重な見方が窺えたことからもドル売りの地合いは継続されると見れよう。また、先週は、米新規失業保険申請件数が42.9万件と予想外に増加し、節目と見られている40万件を再び超えてくる内容となったことで、このところ良好だった米雇用が後退してたことは今週6日の米雇用統計に向けて足枷となりそうだ。
ユーロの今週の注目点は、5日に開催される欧州中央銀行(ECB)理事会になろうか。市場では6月の理事会での利上げを見込んでいるものの、焦点は継続的な利上げ実施を示唆するかどうかになっている。仮に声明文などで継続的な利上げを示唆する内容がでた場合には、直近高値の123.315円上抜けるかもしれない。また引き続き、商品相場の上昇に相まってユーロ買いが観測されているうえ、日米の金融緩和長期化観測が強まっていることからもユーロの支援材料になろう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 80.00-84.00
ユーロ・円 119.00-124.00
ポンド・円 133.00-138.00
【今週の主な経済指標】
5月2日
10:30 AUS 四半期住宅価格指数(前期比/前年比)
23:00 USA ISM製造業景況指数
23:00 USA 建設支出(前月比)
5月3日
13:30 AUS 豪中銀(RBA) 政策金利発表
17:28 GBR 製造業PMI
18:00 EUR 生産者物価指数(前月比/前年比)
23:00 USA 製造業受注(前月比)
5月4日
7:45 NZL 住宅建設許可(前月比)
15:00 GBR ネーションワイド住宅価格(前月比/前年比)
16:58 EUR サービス業PMI(確報値)
18:00 EUR 小売売上高(前月比/前年比)
21:15 USA ADP民間雇用者数
23:00 USA ISM非製造業景況指数
5月5日
7:45 NZL 四半期失業率
10:30 AUS 住宅建設許可(前月比/前年比)
10:30 AUS 小売売上高(前月比)
17:28 GBR サービス業PMI
19:00 GER 製造業受注(季調済)(前月比)
20:00 GBR 英中銀(BOE) 政策金利発表
20:45 EUR 欧州中央銀行(ECB) 政策金利発表
21:30 CAN 住宅建設許可(前月比)
23:00 CAN Ivey購買部協会指数
5月6日
10:30 AUS 豪中銀四半期金融政策報告
17:30 GBR 生産者物価指数(コア)(前年比)
19:00 GER 鉱工業生産(季調済)(前月比)
20:00 CAN 失業率 / 雇用者数変化
21:30 USA 非農業部門雇用者数 / 失業率(雇用統計)
≪2011年4月29日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
RSI:14は20%を下回り、リバウンドのチャンスと見る市場参加者が多く「ブル」
となっている。本日の米経済指標では、ISM製造業景況指数の発表が控えている
ものの、日本の経済活動の落ち込みにより市場予測よりも悪化するのではとの
見方もあり注意が必要か。ただし、80円台では円売り介入の警戒感もあるため
一方的な展開とは考えづらく、下値は限定的になろうか。
ポンド円「ブル」
先週金曜日は英ロイヤルウェディングとあって祝賀ムードからポンド買いの動
きが観測された。参加者もポンド買いから入り「ブル」。英中央銀行(BOE)に
よる5月の利上げ観測は後退しているものの、夏場以降の利上げについては可能
性が残されており、欧州各国を取り巻く信用不安が台頭しない限りは、日米低
金利長期化を背景にポンド買いには分があるだろう。
豪ドル円「ブル」
金や原油など商品相場の上昇を背景に豪ドルが物色されている流れは変わらず、
参加者も「強気」スタンスを維持。今週は3日に豪中銀(RBA)政策委員会が開
催される。RBAは追加利上げに慎重な姿勢を示してものの、先週発表になった豪
消費者物価が強い内容だったこともあり、声明で利上げ再開の可能性について
探りたい。
ユーロ円は序盤、NY株式の上昇を背景にリスク許容度が改善すると、円売りユーロ買いが先行し121.134円まで小幅に上昇した。しかしその後は、ゴールデンウィークとロイヤルウエディングで東京とロンドンが休場だったため、市場参加者の減少から動意に乏しく、欧州市場にかけて121円を挟み上下10銭程度の小動きとなった。ただ、NY勢参加後は、月末のロンドンフィキシングに絡んだ売りが観測され120.30円付近まで下落。売り一巡後は、手掛かり不足から120.45円付近で揉み合っていたものの、引けにかけて、週末要因からユーロロングの調整が散発的に入り120.189円まで続落し取引を終えた。
今週の展開
今週のドル円は、米格付け会社S&Pが日本の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したものの、ゴールデンウィーク入りで本邦輸入企業の実需などによるドル買いが減少し円高に向かうのではとの見方もあり動向には注視したい。一方、ドルは米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文で長期に渡り異例の低金利が継続するとの見方を示したほか、バーナンキFRB議長の発言から早急な金融引き締めに対して慎重な見方が窺えたことからもドル売りの地合いは継続されると見れよう。また、先週は、米新規失業保険申請件数が42.9万件と予想外に増加し、節目と見られている40万件を再び超えてくる内容となったことで、このところ良好だった米雇用が後退してたことは今週6日の米雇用統計に向けて足枷となりそうだ。
ユーロの今週の注目点は、5日に開催される欧州中央銀行(ECB)理事会になろうか。市場では6月の理事会での利上げを見込んでいるものの、焦点は継続的な利上げ実施を示唆するかどうかになっている。仮に声明文などで継続的な利上げを示唆する内容がでた場合には、直近高値の123.315円上抜けるかもしれない。また引き続き、商品相場の上昇に相まってユーロ買いが観測されているうえ、日米の金融緩和長期化観測が強まっていることからもユーロの支援材料になろう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 80.00-84.00
ユーロ・円 119.00-124.00
ポンド・円 133.00-138.00
【今週の主な経済指標】
5月2日
10:30 AUS 四半期住宅価格指数(前期比/前年比)
23:00 USA ISM製造業景況指数
23:00 USA 建設支出(前月比)
5月3日
13:30 AUS 豪中銀(RBA) 政策金利発表
17:28 GBR 製造業PMI
18:00 EUR 生産者物価指数(前月比/前年比)
23:00 USA 製造業受注(前月比)
5月4日
7:45 NZL 住宅建設許可(前月比)
15:00 GBR ネーションワイド住宅価格(前月比/前年比)
16:58 EUR サービス業PMI(確報値)
18:00 EUR 小売売上高(前月比/前年比)
21:15 USA ADP民間雇用者数
23:00 USA ISM非製造業景況指数
5月5日
7:45 NZL 四半期失業率
10:30 AUS 住宅建設許可(前月比/前年比)
10:30 AUS 小売売上高(前月比)
17:28 GBR サービス業PMI
19:00 GER 製造業受注(季調済)(前月比)
20:00 GBR 英中銀(BOE) 政策金利発表
20:45 EUR 欧州中央銀行(ECB) 政策金利発表
21:30 CAN 住宅建設許可(前月比)
23:00 CAN Ivey購買部協会指数
5月6日
10:30 AUS 豪中銀四半期金融政策報告
17:30 GBR 生産者物価指数(コア)(前年比)
19:00 GER 鉱工業生産(季調済)(前月比)
20:00 CAN 失業率 / 雇用者数変化
21:30 USA 非農業部門雇用者数 / 失業率(雇用統計)
≪2011年4月29日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
RSI:14は20%を下回り、リバウンドのチャンスと見る市場参加者が多く「ブル」
となっている。本日の米経済指標では、ISM製造業景況指数の発表が控えている
ものの、日本の経済活動の落ち込みにより市場予測よりも悪化するのではとの
見方もあり注意が必要か。ただし、80円台では円売り介入の警戒感もあるため
一方的な展開とは考えづらく、下値は限定的になろうか。
ポンド円「ブル」
先週金曜日は英ロイヤルウェディングとあって祝賀ムードからポンド買いの動
きが観測された。参加者もポンド買いから入り「ブル」。英中央銀行(BOE)に
よる5月の利上げ観測は後退しているものの、夏場以降の利上げについては可能
性が残されており、欧州各国を取り巻く信用不安が台頭しない限りは、日米低
金利長期化を背景にポンド買いには分があるだろう。
豪ドル円「ブル」
金や原油など商品相場の上昇を背景に豪ドルが物色されている流れは変わらず、
参加者も「強気」スタンスを維持。今週は3日に豪中銀(RBA)政策委員会が開
催される。RBAは追加利上げに慎重な姿勢を示してものの、先週発表になった豪
消費者物価が強い内容だったこともあり、声明で利上げ再開の可能性について
探りたい。