10年振りのG7協調介入実施!金融恐慌回避か!?
金曜日のドル円は、18日付の日経新聞が「G7の財務相・中央銀行総裁は18日朝に緊急の電話会議を開き、共同声明で急激な円高を防ぐ日本の為替介入を認める姿勢を示す」と報じた事を背景に円売り介入への警戒感から買いが先行、野田財務相が電話会議終了後に「G7では地震の経済への影響や金融市場の動向について議論した」「日本当局の要請に基づき協調介入に参加で合意」「午前9時に協調介入を実施」などと述べると急騰し、更に「為替市場を注視し、適切に協力する」「為替の無秩序な動きは経済や金融市場を阻害する」などのG7声明発表を受けて81.483円まで値を伸ばした。買い一服後、一時値を削る場面もあったが、再度上値試しとなり、欧州時間にECB・BOEが円売り介入を行い日通しの高値となる81.992円をマークした。しかし、断続的な円売り介入ではなく、予想されたよりも規模が小さかったため上げ幅を削る展開となり、BOC・FRBも相次いで介入を実施したと発表したものの、上値の重さが確認されると下値を切り下げ80.649円で取引を終えた。
ユーロ円は、朝方の野田財務相発言・G7声明を受けて急騰、12時過ぎには115.278円まで上昇した。野田財務相は「介入対象は基本的にドル円だが、場合によっては欧州中央銀行(ECB)がユーロで介入を実施する可能性もある」などと述べたことを受けて、幅広い通貨に対してユーロ買いが優勢となった。欧州時間のECB・BOEの円売り介入によって115.545円まで値を伸ばした後、一旦値を崩したものの、BOC・FRBの介入によって日通しの高値となる115.565円まで値を伸ばした。その後、トリシェECB総裁が「『強い警戒』の文言を撤回するつもりはない」と言及するなど、ECBが東日本大震災の影響に左右されず金融引き締め方向にあることが改めて確認されると、ユーロ買い圧力が強まったが、ポジション調整の円買いと相殺する形となり同水準を維持したまま114.365円で取引を終えた。
今週の展開
先週は東日本大震災・福島原発事故を背景とした日経平均株価の急落を受けて主要国株価が大きく下落、ドル円は史上最安値を更新、更にみずほ銀行のシステム障害と、金融市場の混乱が続いていたが、週末に実施されたG7協調の円売り介入によって落ち着きを取り戻しつつある。しかし、原発事故の先行き不透明感は払拭出来ていないため、引き続き原発事故の続報に左右される展開となりそうだ。
ドル円は、円売り介入によって大きく値を戻したものの、原発事故の先行き不透明感を背景に下向きの流れのまま週末クローズとなっている。原発の状況が土日の間に好転していれば上方向へ、悪化していれば下方向へといったシナリオが考えられ、市場が動いていない週末リスクは通常時とは比較できない大きさとなろう。先週マークした史上最安値76.18円は投機的な動きが大きかった可能性もあり、G7による協調介入が実施されたことによって下方向へは攻めづらくなっている。一方、介入によって値を戻したとはいえ、上値の重たさも確認されているため目先は79円近辺がサポート、82円近辺がレジスタンスとして意識される水準となりそうだ。
ユーロ円は、円売り介入に加えトリシェECB総裁のタカ派発言を受けた金利先高観を背景に強含んでいる。福島原発の行方、G7協調介入の継続性を市場は注視しており、いずれも不確定要素であり上下どちらにも大きく変動する可能性を秘めているため柔軟な対応が必要となりそうだ。一方、テクニカルでは中期的なスパンでのダブルボトムを形成しているため、3月4日直近高値115.961円を明確に上抜ける事が出来れば上げ足を早めるかもしれない。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 76.00-83.00
ユーロ・円 109.00-116.00
ポンド・円 127.00-136.00
【今週の主な経済指標】
3/21
09:01 GBR 英・ライトムーブ住宅価格
23:00 USA 米・中古住宅販売件数
3/22
18:30 GBR 英・消費者物価指数
18:30 GBR 英・小売物価指数
21:30 CAN 加・景気先行指数
21:30 CAN 加・小売売上高
3/23
06:45 NZL NZ・四半期経常収支
18:30 GBR 英・金融政策委員会(MPC)議事録-公表
19:00 EUR ユーロ圏・鉱工業新規受注
23:00 USA 米・新築住宅販売件数
3/24
06:45 NZL NZ・四半期GDP
08:50 JPN 日・通関ベース貿易収支
17:28 GER 独・製造業PMI
17:28 GER 独・サービス業PMI
17:58 EUR ユーロ圏・サービス業PMI
17:58 EUR ユーロ圏・製造業PMI)
18:30 GBR 英・小売売上高指数
21:30 USA 米・耐久財受注 / 米・耐久財受注(除輸送用機器)
21:30 USA 米・新規失業保険申請件数
3/25
08:30 JPN 日・東京消費者物価指数(コア)
08:30 JPN 日・全国消費者物価指数(コア)
18:00 GER 独・IFO景況指数
21:30 USA 米・四半期GDP(確報値)
21:30 USA 米・四半期GDP価格指数(確報値)
21:30 USA 米・四半期コアPCE(確報値)
21:30 USA 米・四半期個人消費(確報値)
22:55 USA 米・ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
≪2011年3月18日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
円売り介入による大幅反発によって割合は低下しているが「ブル」は継続となっ
た。介入の規模が小さかったため上昇幅を削っているが、G7声明では「為替の無
秩序な動きは経済や金融市場を阻害する」と投機的な動きを牽制する文言も盛り
込まれているため、下値は堅いかもしれない。
ポンド円「ブル」
ポンド独自に目立った材料は無いものの、G7協調円売り介入に対する期待感が強
いためか、大きく上昇しているにも関わらず「ブル」の割合はほぼ同水準を維持
している。主な変動要因となっている福島原発、円売り介入はいずれも急激な変
動をもたらす可能性を秘めているため柔軟な対応を心掛けたい。
豪ドル円「ブル」
リスク資産圧縮の動きから大きく売り込まれていたが、G7協調介入によってリス
ク回避の動きが緩和したことで「ブル」の割合は増加している。今週は主要な豪
経済指標の発表が無いため、円主導の動きが予想される。
ユーロ円は、朝方の野田財務相発言・G7声明を受けて急騰、12時過ぎには115.278円まで上昇した。野田財務相は「介入対象は基本的にドル円だが、場合によっては欧州中央銀行(ECB)がユーロで介入を実施する可能性もある」などと述べたことを受けて、幅広い通貨に対してユーロ買いが優勢となった。欧州時間のECB・BOEの円売り介入によって115.545円まで値を伸ばした後、一旦値を崩したものの、BOC・FRBの介入によって日通しの高値となる115.565円まで値を伸ばした。その後、トリシェECB総裁が「『強い警戒』の文言を撤回するつもりはない」と言及するなど、ECBが東日本大震災の影響に左右されず金融引き締め方向にあることが改めて確認されると、ユーロ買い圧力が強まったが、ポジション調整の円買いと相殺する形となり同水準を維持したまま114.365円で取引を終えた。
今週の展開
先週は東日本大震災・福島原発事故を背景とした日経平均株価の急落を受けて主要国株価が大きく下落、ドル円は史上最安値を更新、更にみずほ銀行のシステム障害と、金融市場の混乱が続いていたが、週末に実施されたG7協調の円売り介入によって落ち着きを取り戻しつつある。しかし、原発事故の先行き不透明感は払拭出来ていないため、引き続き原発事故の続報に左右される展開となりそうだ。
ドル円は、円売り介入によって大きく値を戻したものの、原発事故の先行き不透明感を背景に下向きの流れのまま週末クローズとなっている。原発の状況が土日の間に好転していれば上方向へ、悪化していれば下方向へといったシナリオが考えられ、市場が動いていない週末リスクは通常時とは比較できない大きさとなろう。先週マークした史上最安値76.18円は投機的な動きが大きかった可能性もあり、G7による協調介入が実施されたことによって下方向へは攻めづらくなっている。一方、介入によって値を戻したとはいえ、上値の重たさも確認されているため目先は79円近辺がサポート、82円近辺がレジスタンスとして意識される水準となりそうだ。
ユーロ円は、円売り介入に加えトリシェECB総裁のタカ派発言を受けた金利先高観を背景に強含んでいる。福島原発の行方、G7協調介入の継続性を市場は注視しており、いずれも不確定要素であり上下どちらにも大きく変動する可能性を秘めているため柔軟な対応が必要となりそうだ。一方、テクニカルでは中期的なスパンでのダブルボトムを形成しているため、3月4日直近高値115.961円を明確に上抜ける事が出来れば上げ足を早めるかもしれない。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 76.00-83.00
ユーロ・円 109.00-116.00
ポンド・円 127.00-136.00
【今週の主な経済指標】
3/21
09:01 GBR 英・ライトムーブ住宅価格
23:00 USA 米・中古住宅販売件数
3/22
18:30 GBR 英・消費者物価指数
18:30 GBR 英・小売物価指数
21:30 CAN 加・景気先行指数
21:30 CAN 加・小売売上高
3/23
06:45 NZL NZ・四半期経常収支
18:30 GBR 英・金融政策委員会(MPC)議事録-公表
19:00 EUR ユーロ圏・鉱工業新規受注
23:00 USA 米・新築住宅販売件数
3/24
06:45 NZL NZ・四半期GDP
08:50 JPN 日・通関ベース貿易収支
17:28 GER 独・製造業PMI
17:28 GER 独・サービス業PMI
17:58 EUR ユーロ圏・サービス業PMI
17:58 EUR ユーロ圏・製造業PMI)
18:30 GBR 英・小売売上高指数
21:30 USA 米・耐久財受注 / 米・耐久財受注(除輸送用機器)
21:30 USA 米・新規失業保険申請件数
3/25
08:30 JPN 日・東京消費者物価指数(コア)
08:30 JPN 日・全国消費者物価指数(コア)
18:00 GER 独・IFO景況指数
21:30 USA 米・四半期GDP(確報値)
21:30 USA 米・四半期GDP価格指数(確報値)
21:30 USA 米・四半期コアPCE(確報値)
21:30 USA 米・四半期個人消費(確報値)
22:55 USA 米・ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
≪2011年3月18日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
円売り介入による大幅反発によって割合は低下しているが「ブル」は継続となっ
た。介入の規模が小さかったため上昇幅を削っているが、G7声明では「為替の無
秩序な動きは経済や金融市場を阻害する」と投機的な動きを牽制する文言も盛り
込まれているため、下値は堅いかもしれない。
ポンド円「ブル」
ポンド独自に目立った材料は無いものの、G7協調円売り介入に対する期待感が強
いためか、大きく上昇しているにも関わらず「ブル」の割合はほぼ同水準を維持
している。主な変動要因となっている福島原発、円売り介入はいずれも急激な変
動をもたらす可能性を秘めているため柔軟な対応を心掛けたい。
豪ドル円「ブル」
リスク資産圧縮の動きから大きく売り込まれていたが、G7協調介入によってリス
ク回避の動きが緩和したことで「ブル」の割合は増加している。今週は主要な豪
経済指標の発表が無いため、円主導の動きが予想される。