FXレポート

BOE,ECB政策金利に注目。結果次第で円売り圧力増大も

昨日のマーケットは、米7月ADP全米雇用報告や7月ISM非製造業指数の悪化を受けて、米国の景気回復期待が後退。株式市場も軟調となり、ドル円は一時94.641まで下落した。ただし、ADPの結果自体は前月から改善していることや、金曜発表の雇用統計を控えて、積極的に下値を売り込む展開とはならず、NY引けでは95.00付近まで回復した。

ユーロドルは、欧州株価、米株価指数先物価格が軟調に推移した影響を受けつつも、方向感定まらず狭いレンジで振幅を繰り返していたが、米国株が下落につられて安値1.43555ドルをつけたが、押し目買いが入り、本日高値1.44471ドルに達した。その後、もみ合う展開が続き結局1.44114ドルで引けた。

ポンドドルは、序盤動意薄く冴えなかったが、英サービス業PMIや6月英鉱工業生産指数などが市場予想を上回ると買い優勢。2008年10月以来の高値1.70419ドルをつけたが、欧州市場引け後は調整が入り、結局1.69873ドルで取引を終えた。

本日のマーケットは、引続き米国の経済指標に一喜一憂する展開が想定される。米ADP全国雇用者数・ISM非製造業景況指数は弱い結果となったもの、全体的にみるとファンダメンタルズは改善の兆しを見せている印象があり、大幅にドルが売り込まれるリスクは少なくなっている。本日発表される米新規失業保険申請件数の結果が、明日の雇用統計の前哨戦となり注意が必要だ。

一方で、BOE,ECBの政策金利の発表が本日予定されており、金利の動向も材料となる。両者ともそれぞれ0.5%、1.0%の据え置きが予想されているが、今回は水準そのものよりも今後の金融政策の行方に注目が集まる。特にBOEの量的緩和の出口が見えてくるかが市場の注目となっており、金融引締め的なコメントが出されるようだとポンド、ユーロに買い圧力が増すことになる。こうなると相対的に低金利となるドル、円には売り圧力が強くなるため、クロス円は上値模索の展開となる可能性が高い。


[予想レンジ]

ドル ・円   93.70~ 95.70
ユーロ・円 135.20~138.20
ポンド・円 158.50~162.50

【今日の主な経済指標】

10:30  AUD  新規雇用者数
10:30  AUD  失業率
20:00  GBP  BOE英中央銀行 金利発表
20:45  EUR  ECB 政策金利
21:30  USD  新規失業保険申請件数


 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年8月5日クローズ時点≫
 ドル・円      :ブル  
 ユーロ・円   :ベア 
 ユーロ・ドル :ベア
 英ポンド・円 :ベア
 豪ドル・円   :ブル 
 NZドル・円   :ブル


 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 ADP全国雇用者数・ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことなどから、下げを見せたものの、
 このまま好調な決算や、株高が続けば不況脱却期待からドル買いが進むのも早いかもしれない。
 引き続き、相場の方向性を注視することが必要だ。

 ユーロ・円は「ベア」
 本日のECB政策金利発表・トリシェECB総裁の会見を控え、様子見ムードが続いているのか。
 引き続きレンジ相場を見せている。結果次第では、抵抗を抜ける引き金になるかもしれず
 動向に注目したい。

 ポンド・円は「ベア」
 英サービス業PMIや6月英鉱工業生産指数が強さを見せ、ポンドは騰勢を見せたが、
 景気回復の兆しを見せているだけに、本日のBOE政策金利発表が相場に与える影響を十分に
 警戒したい。

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