早くも明日のFOMCに注目集まる
ドル円は、序盤仲値需要に伴うドル買いが入ったこともあり小幅に上昇する場面もあったが、83円台にかけては本邦輸出企業のドル売りオーダーが控えていることで東京市場序盤は82.70円前後の狭いレンジ内で方向感に欠ける展開となった。その後米複合企業大手ゼネラル・エレクトリック(GE)の決算が改善されたことが米企業決算への期待感に繋がり、NYダウ先物がプラス圏で推移したことに加え、米債利回りが上昇傾向を維持し金利差要因からドルが下支えられると82.90円付近まで上値を拡大した。しかし、欧州時間では引続き83.00円付近の本邦輸出企業と見られる売り注文が重石となった上、ユーロドルがECBの金融政策に関するリポートを手掛りに急伸するとドル売りの勢いが増し一時82.30円まで値を下げた。NY時間では主要な米経済指標発表もない上、米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策発表を明日に控えて様子見機運も強く方向感に乏しい展開となり82.504円で取引を終えた。
ユーロ円は、先週の独指標改善による景気拡大期待や、欧州財政懸念の緩和を背景に東京市場序盤は112.60円付近まで上昇した。買い一巡後は本邦輸出企業の売りが散発的に入る場面も見られたが、日経平均やGLOBEXのNYダウ先物の堅調推移を受けてリスク選好の円売りが優勢となり、東京市場終盤には112.70円付近まで上値を拡大した。ただ、欧州勢参加後はアイルランドの「緑の党」が連立政権からの離脱を表明し、与党が下院で過半数割れする事態となった事で政治的混乱が続くのでは?との見方を背景に弱含みの展開となった上、独1月製造業PMIが予想を下回る結果となり112.30円付近まで下落した。しかし、NY時間ではトリシェECB総裁による「ECBの政策金利は適切であり、必要であれば非標準的な措置とは無関係に変更できる」との見解に加え、著名な米系シンクタンクが「ECBは今年第3四半期に利上げを行なう見通し」とのレポートを発するとECBは金利引き上げに動くとの見方が台頭し112.90円付近まで上昇した。NY市場で反発したことで結局往って来いとなり、前日比+0.034円の112.524円で取引を終えている。
本日の展開
ドル円の展開だが、早くも明日から予定されているFOMCに注目が集まっており、量的緩和第2弾(QE2)の早期終了又は第3弾(QE3)への言及の有無が焦点となりそうだ。政策金利は0.00~0.25%、米国債買い入れ規模は6,000億ドルに据え置かれると予想されるが、今まで量的緩和に反対票を投じてきたホーニグ・カンザスシティ地区連銀総裁が今年投票メンバーから外れることで、金融緩和政策の維持が全会一致で決定されるとの見方が浮上している。こうしたことから金融緩和解除から「出口戦略」のハードルは高くなると考える事ができ、米長期金利が低下すれば、もう一段ドル売りが強まる可能性があり、注意が必要となるだろう。また、中国証券報が「消費者物価を楽観できない場合、中国人民銀行は春節(2月3日旧正月)ごろに利上げする可能性がある」と報じるなど、中国の金融引き締め懸念がくすぶっており、円が買われるケースも想定できる為、ドル円にはやや弱気のバイアスがかかりそうだ。
ユーロ円は、トリシェECB(欧州中銀)総裁の短期的なインフレリスク言及を背景とした「出口戦略」期待や、独債と欧州重債務国の金利差も縮小傾向をみせている上、テクニカル面でも一目均衡表の雲の上限を一気に突破しており地合いは悪くないと言えよう。ただ、シカゴIMM通貨先物の取組高をみると投機筋のユーロのショートポジションが巻き戻され、ロングに転じておりショートカバーは一巡したとみられることから、上昇テンポは緩やかとなるかもしれない。また、週末にアイルランドの緑の党が連立政権からの離脱を表明し、与党が下院で過半数割れとなり、国際通貨基金(IMF)などから金融支援を受ける前提条件となる予算関連法案成立が不透明となっていることはユーロの波乱要因として警戒しておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 81.00-83.00
ユーロ・円 111.70-114.50
ポンド・円 129.00-133.00
【今日の主な経済指標】
16:00 DEM GFK消費者信頼感調査
18:30 GBP 四半期国内総生産
21:00 CAD 消費者物価指数
23:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
00:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
00:00 USD 消費者信頼感指数
00:00 USD 住宅価格指数
≪2011年1月24日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
主要な米経済指標発表がなかった為、新規の材料に乏しく大きな値動きは
なかったものの、82.50円付近に5、25、75日の移動平均線が集まっており
同水準で押し目買いを仕掛ける参加者は多く「ブル」が優勢となっている。
本日の東京市場では正午過ぎから日銀が政策金利の発表を予定している。
市場予想としては据え置きと予想されているが、前日政府から「過度な円
高の進行は看過できない」「必要な時に為替介入を含め断固たる措置を取
る」との発言されており、円高に対する具体手な政策が出てくるのか注目
が集まる。
ポンド円は「ベア」
明日公表される英中銀金融政策委員会の議事録内容を見極めたいとの思惑
からポジションに偏りはなく売り買いが拮抗したものの、僅かに「ベア」
優勢となった。欧州高債務国の信用不安が幾分か後退しており、欧州通貨
が全般的に買い戻される展開が続くとみるものの、今年に入り7円近く上
昇しているほか、テクニカル面でもRSIが70を超えており売りシグナルが
点灯しているなど高値警戒感は否めない。どちらに動いてもおかしくない
局面なだけに本日発表される英第4四半期GDP速報値と、明日公表される1
月12・13日分の英中銀金融政策委員会の議事録内容を見極める必要がある
だろう。
豪ドル円は「ブル」
欧州株やNYダウが堅調に推移したほか、金・原油相場も上昇したことを受
けてリスク選好が高まったことから参加者のセンチメントは「強気」だ。
豪州洪水の影響も市場では徐々に織り込みつつあり、欧州ソブリンリスク
の後退や米景気改善期待を背景にNYダウが昨年来の高値を更新し続けてい
ることはサポート要因となろう。ただ、2月の中国の旧正月を前に中国が
追加利上げに動く可能性は否定できず、一本調子には買い進みづらいだろう。
ユーロ円は、先週の独指標改善による景気拡大期待や、欧州財政懸念の緩和を背景に東京市場序盤は112.60円付近まで上昇した。買い一巡後は本邦輸出企業の売りが散発的に入る場面も見られたが、日経平均やGLOBEXのNYダウ先物の堅調推移を受けてリスク選好の円売りが優勢となり、東京市場終盤には112.70円付近まで上値を拡大した。ただ、欧州勢参加後はアイルランドの「緑の党」が連立政権からの離脱を表明し、与党が下院で過半数割れする事態となった事で政治的混乱が続くのでは?との見方を背景に弱含みの展開となった上、独1月製造業PMIが予想を下回る結果となり112.30円付近まで下落した。しかし、NY時間ではトリシェECB総裁による「ECBの政策金利は適切であり、必要であれば非標準的な措置とは無関係に変更できる」との見解に加え、著名な米系シンクタンクが「ECBは今年第3四半期に利上げを行なう見通し」とのレポートを発するとECBは金利引き上げに動くとの見方が台頭し112.90円付近まで上昇した。NY市場で反発したことで結局往って来いとなり、前日比+0.034円の112.524円で取引を終えている。
本日の展開
ドル円の展開だが、早くも明日から予定されているFOMCに注目が集まっており、量的緩和第2弾(QE2)の早期終了又は第3弾(QE3)への言及の有無が焦点となりそうだ。政策金利は0.00~0.25%、米国債買い入れ規模は6,000億ドルに据え置かれると予想されるが、今まで量的緩和に反対票を投じてきたホーニグ・カンザスシティ地区連銀総裁が今年投票メンバーから外れることで、金融緩和政策の維持が全会一致で決定されるとの見方が浮上している。こうしたことから金融緩和解除から「出口戦略」のハードルは高くなると考える事ができ、米長期金利が低下すれば、もう一段ドル売りが強まる可能性があり、注意が必要となるだろう。また、中国証券報が「消費者物価を楽観できない場合、中国人民銀行は春節(2月3日旧正月)ごろに利上げする可能性がある」と報じるなど、中国の金融引き締め懸念がくすぶっており、円が買われるケースも想定できる為、ドル円にはやや弱気のバイアスがかかりそうだ。
ユーロ円は、トリシェECB(欧州中銀)総裁の短期的なインフレリスク言及を背景とした「出口戦略」期待や、独債と欧州重債務国の金利差も縮小傾向をみせている上、テクニカル面でも一目均衡表の雲の上限を一気に突破しており地合いは悪くないと言えよう。ただ、シカゴIMM通貨先物の取組高をみると投機筋のユーロのショートポジションが巻き戻され、ロングに転じておりショートカバーは一巡したとみられることから、上昇テンポは緩やかとなるかもしれない。また、週末にアイルランドの緑の党が連立政権からの離脱を表明し、与党が下院で過半数割れとなり、国際通貨基金(IMF)などから金融支援を受ける前提条件となる予算関連法案成立が不透明となっていることはユーロの波乱要因として警戒しておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 81.00-83.00
ユーロ・円 111.70-114.50
ポンド・円 129.00-133.00
【今日の主な経済指標】
16:00 DEM GFK消費者信頼感調査
18:30 GBP 四半期国内総生産
21:00 CAD 消費者物価指数
23:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
00:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
00:00 USD 消費者信頼感指数
00:00 USD 住宅価格指数
≪2011年1月24日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
主要な米経済指標発表がなかった為、新規の材料に乏しく大きな値動きは
なかったものの、82.50円付近に5、25、75日の移動平均線が集まっており
同水準で押し目買いを仕掛ける参加者は多く「ブル」が優勢となっている。
本日の東京市場では正午過ぎから日銀が政策金利の発表を予定している。
市場予想としては据え置きと予想されているが、前日政府から「過度な円
高の進行は看過できない」「必要な時に為替介入を含め断固たる措置を取
る」との発言されており、円高に対する具体手な政策が出てくるのか注目
が集まる。
ポンド円は「ベア」
明日公表される英中銀金融政策委員会の議事録内容を見極めたいとの思惑
からポジションに偏りはなく売り買いが拮抗したものの、僅かに「ベア」
優勢となった。欧州高債務国の信用不安が幾分か後退しており、欧州通貨
が全般的に買い戻される展開が続くとみるものの、今年に入り7円近く上
昇しているほか、テクニカル面でもRSIが70を超えており売りシグナルが
点灯しているなど高値警戒感は否めない。どちらに動いてもおかしくない
局面なだけに本日発表される英第4四半期GDP速報値と、明日公表される1
月12・13日分の英中銀金融政策委員会の議事録内容を見極める必要がある
だろう。
豪ドル円は「ブル」
欧州株やNYダウが堅調に推移したほか、金・原油相場も上昇したことを受
けてリスク選好が高まったことから参加者のセンチメントは「強気」だ。
豪州洪水の影響も市場では徐々に織り込みつつあり、欧州ソブリンリスク
の後退や米景気改善期待を背景にNYダウが昨年来の高値を更新し続けてい
ることはサポート要因となろう。ただ、2月の中国の旧正月を前に中国が
追加利上げに動く可能性は否定できず、一本調子には買い進みづらいだろう。