3日ぶりに米債券が反発~ドル円は反落!
昨日のドル円は序盤、豪雇用統計の好結果を受けた対豪ドルでのドル売りが波及すると83.70円付近まで下落した。しかし、日経平均が前日比+53円高で取引を終え、NYダウ先物も堅調に推移すると欧州勢参入後はリスク許容度の回復からに円売り優勢の展開となり83.90円付近へと持ち直す場面も見られた。NY勢参加後は新規失業保険申請件数が予想より若干良かったことから発表直後は買いで反応したものの、10年物国債利回りが3.2151%まで低下したことを背景に83.80円付近まで下値を拡大。さらに引けにかけて、米30年債入札が応札倍率2.74倍と前回の2.31倍を上回る好調な結果だったことで利回りが3.1752%まで低下すると、一時83.513円まで続落し83.723円で取引を終え3日ぶりの反落となった。
ユーロドルは、米長期金利の低下幅拡大がドル売りを促し、東京市場中盤に1.3320付近へと上昇。しかし、米長期金利が低下幅を縮小すると共にドル売りも一服すると、欧州市場にかけては手掛かり難となる中、1.3305前後で方向感に乏しい展開が継続した。一方、対円は東京市場序盤にドル円の下落につられて一時111.30円付近へと弱含む場面がみられたものの、その後は米長期金利の低下幅縮小を受けたドル円の反発に支えられたほか、株高連鎖を背景としたリスク選好の円売りも優勢になったことから、欧州市場序盤に111.65円付近まで反発した。ただ欧州時間中盤には11月のECB(欧州中銀)月報で長期失業者の増加に警告が発せられたことや、ギリシャの第3四半期のGDP改定値が速報値から下方修正されたこと、さらに格付け機関のフィッチがアイルランドの格付けをBBB+に引き下げたことなどがユーロを総合的に押し下げた。また、NY時間に入ってもイタリア格下げの噂が囁かれた事や、アイルランド野党の労働党が「EUとIMFによる850億ユーロの支援パッケージに反対を投じるだろう」との声明を発したことが重石となってユーロドルは1.31642ドル、ユーロ円は110.581円まで急落した。引けにかけては買い戻しが入り小幅に反発したが、ユーロドルは1.32378ドル、ユーロ円は110.847円で取引を終えた。
本日の展開
ドル円は、米国30年債の入札が好調だったことで長期金利の利回りが低下しており、長期金利上昇も調整局面と考えられ過度の上昇期待は禁物となろう。また、本日は市場参加者がクリスマス休暇に入り始めていることから、商いが徐々に薄くなってきており、動意に欠ける展開から引き続きレンジ取引での推移も想定しておきたい。テクニカル的には先週末米雇用統計を発表前につけたの高値84.40を上抜けるかどうかポイントであるが、ここ数日ボリンジャーバンド+1σが差し掛かる84.30円付近では動きが鈍く、同水準には本邦輸出企業の売りオーダーも散見しており、上抜けるには材料不足か。下値は日足一目均衡表の83.10円付近となりそうで、こちらも雲上限を下回ら安定して雲の上に浮上していることで底堅くなっており、テクニカル面でも83.10円から84.30円のレンジとなる可能性が高くなりそうだ。
ユーロはEU財務相会談で金融安定ファシリティの規模拡大やユーロ圏共通債券の発行をめぐって意見が対立しており、ソブリン債危機に対して有効な政策を打ち出すことができていない。ECBの国債買い入れという緊急的な対処で今のところ信用不安は沈静化しているように見えるものの、本質的には何も改善しておらず危機が去ったと見るのは時期尚早だろう。また、コンスタンシオECB(欧州中銀)副総裁は「2011年第1四半期は、まだECBの出口戦略のタイミングではない」との見解を示し、ECBのトリシェ総裁は「ECBは緊急の流動性引き上げを遅らせる意向だ」と発言するなど「出口戦略」に向けた政策も後退しており、ユーロに対する売り圧力は根強いと言えよう。テクニカル面では一目均衡表の雲下限110.75円がサポートできるかがポイントとなり、仮に持ちこたえた場合は一目基準線111.80円へ向けての動きが予想される。しかし同水準を明確に割り込んだ場合は下落に拍車が掛かることも考えられ注意をしておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.10-84.30
ユーロ・円 109.80-112.50
ポンド・円 129.50-133.50
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 消費者態度指数・一般世帯
16:00 DEM 卸売物価指数
16:45 FRF 鉱工業生産指数
18:30 GBP 卸売物価指数
22:30 CAD 貿易収支
22:30 USD 貿易収支
22:30 USD 輸入物価指数
22:30 USD 輸出物価指数
23:55 USD ミシガン大学消費者態度指数
28:00 USD 月次財政収支
≪2010年12月9日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
参加者は3日ぶりの反落に押し目買いで反応しており「ブル」優勢は変わらずだ。
米債券は3日ぶりに反発し米長期金利上昇も一服と考える事もできるが、米10年債
の利回りは重要な節目である200日移動平均水準の3.07%を上回っており、心理的
節目である3.5%を目指す動きも否定できない。また、ドルインデックスも80を突
破しており、次のターゲットとされる200日移動平均の差し掛かる81.75付近を上
抜けるかに注目したい。
ポンド円は「ブル」
11月の英ハリファックス住宅価格が弱い結果となったことや、12月の英商品貿易
収支で赤字額の拡大が確認されたことを背景に下落するなか、利益確定の買い戻
しや押し目買いが優勢となり、昨日の「ベア」から一転「ブル」となっている。
注目された英中銀金融政策委員会は政策金利を0.50%、資産買い入れ規模も2,000
億ポンドに据え置きとなったことで今後材料視はされる可能性は低いだろう。む
しろ週末要因や、クリスマス休暇を前に取組意欲が鈍く、薄商いが予測されるな
か、米債券市場を背景とした突発的な値動きに注意したい。
豪ドル円は「ブル」
豪雇用統計では、新規雇用者数が前月比+54,600人と予想の同+20,000人を大幅に
上回ったほか、失業率も5.2%と予想通りながら前回の5.4%から低下したことを
受けて、豪利上げ観測が強まると共に参加者の買いが優勢となり「ブル」となっ
た。豪雇用統計は予想以上の上振れを受けて豪ドル買いが活発化しているものの、
ロウ豪準備銀行総裁補佐が「今後の一段と大幅な政策金利の引き上げを回避した
い」と発言しており、追加利上げの可能性が高まったとは考えにくい。また、市
場では中国預金準備率引き上げ懸念が中国株下落につながり、豪ドル円が11月22
日の高値83.315円を上抜けるには新たな材料が必要かも知れない。
ユーロドルは、米長期金利の低下幅拡大がドル売りを促し、東京市場中盤に1.3320付近へと上昇。しかし、米長期金利が低下幅を縮小すると共にドル売りも一服すると、欧州市場にかけては手掛かり難となる中、1.3305前後で方向感に乏しい展開が継続した。一方、対円は東京市場序盤にドル円の下落につられて一時111.30円付近へと弱含む場面がみられたものの、その後は米長期金利の低下幅縮小を受けたドル円の反発に支えられたほか、株高連鎖を背景としたリスク選好の円売りも優勢になったことから、欧州市場序盤に111.65円付近まで反発した。ただ欧州時間中盤には11月のECB(欧州中銀)月報で長期失業者の増加に警告が発せられたことや、ギリシャの第3四半期のGDP改定値が速報値から下方修正されたこと、さらに格付け機関のフィッチがアイルランドの格付けをBBB+に引き下げたことなどがユーロを総合的に押し下げた。また、NY時間に入ってもイタリア格下げの噂が囁かれた事や、アイルランド野党の労働党が「EUとIMFによる850億ユーロの支援パッケージに反対を投じるだろう」との声明を発したことが重石となってユーロドルは1.31642ドル、ユーロ円は110.581円まで急落した。引けにかけては買い戻しが入り小幅に反発したが、ユーロドルは1.32378ドル、ユーロ円は110.847円で取引を終えた。
本日の展開
ドル円は、米国30年債の入札が好調だったことで長期金利の利回りが低下しており、長期金利上昇も調整局面と考えられ過度の上昇期待は禁物となろう。また、本日は市場参加者がクリスマス休暇に入り始めていることから、商いが徐々に薄くなってきており、動意に欠ける展開から引き続きレンジ取引での推移も想定しておきたい。テクニカル的には先週末米雇用統計を発表前につけたの高値84.40を上抜けるかどうかポイントであるが、ここ数日ボリンジャーバンド+1σが差し掛かる84.30円付近では動きが鈍く、同水準には本邦輸出企業の売りオーダーも散見しており、上抜けるには材料不足か。下値は日足一目均衡表の83.10円付近となりそうで、こちらも雲上限を下回ら安定して雲の上に浮上していることで底堅くなっており、テクニカル面でも83.10円から84.30円のレンジとなる可能性が高くなりそうだ。
ユーロはEU財務相会談で金融安定ファシリティの規模拡大やユーロ圏共通債券の発行をめぐって意見が対立しており、ソブリン債危機に対して有効な政策を打ち出すことができていない。ECBの国債買い入れという緊急的な対処で今のところ信用不安は沈静化しているように見えるものの、本質的には何も改善しておらず危機が去ったと見るのは時期尚早だろう。また、コンスタンシオECB(欧州中銀)副総裁は「2011年第1四半期は、まだECBの出口戦略のタイミングではない」との見解を示し、ECBのトリシェ総裁は「ECBは緊急の流動性引き上げを遅らせる意向だ」と発言するなど「出口戦略」に向けた政策も後退しており、ユーロに対する売り圧力は根強いと言えよう。テクニカル面では一目均衡表の雲下限110.75円がサポートできるかがポイントとなり、仮に持ちこたえた場合は一目基準線111.80円へ向けての動きが予想される。しかし同水準を明確に割り込んだ場合は下落に拍車が掛かることも考えられ注意をしておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.10-84.30
ユーロ・円 109.80-112.50
ポンド・円 129.50-133.50
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 消費者態度指数・一般世帯
16:00 DEM 卸売物価指数
16:45 FRF 鉱工業生産指数
18:30 GBP 卸売物価指数
22:30 CAD 貿易収支
22:30 USD 貿易収支
22:30 USD 輸入物価指数
22:30 USD 輸出物価指数
23:55 USD ミシガン大学消費者態度指数
28:00 USD 月次財政収支
≪2010年12月9日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
参加者は3日ぶりの反落に押し目買いで反応しており「ブル」優勢は変わらずだ。
米債券は3日ぶりに反発し米長期金利上昇も一服と考える事もできるが、米10年債
の利回りは重要な節目である200日移動平均水準の3.07%を上回っており、心理的
節目である3.5%を目指す動きも否定できない。また、ドルインデックスも80を突
破しており、次のターゲットとされる200日移動平均の差し掛かる81.75付近を上
抜けるかに注目したい。
ポンド円は「ブル」
11月の英ハリファックス住宅価格が弱い結果となったことや、12月の英商品貿易
収支で赤字額の拡大が確認されたことを背景に下落するなか、利益確定の買い戻
しや押し目買いが優勢となり、昨日の「ベア」から一転「ブル」となっている。
注目された英中銀金融政策委員会は政策金利を0.50%、資産買い入れ規模も2,000
億ポンドに据え置きとなったことで今後材料視はされる可能性は低いだろう。む
しろ週末要因や、クリスマス休暇を前に取組意欲が鈍く、薄商いが予測されるな
か、米債券市場を背景とした突発的な値動きに注意したい。
豪ドル円は「ブル」
豪雇用統計では、新規雇用者数が前月比+54,600人と予想の同+20,000人を大幅に
上回ったほか、失業率も5.2%と予想通りながら前回の5.4%から低下したことを
受けて、豪利上げ観測が強まると共に参加者の買いが優勢となり「ブル」となっ
た。豪雇用統計は予想以上の上振れを受けて豪ドル買いが活発化しているものの、
ロウ豪準備銀行総裁補佐が「今後の一段と大幅な政策金利の引き上げを回避した
い」と発言しており、追加利上げの可能性が高まったとは考えにくい。また、市
場では中国預金準備率引き上げ懸念が中国株下落につながり、豪ドル円が11月22
日の高値83.315円を上抜けるには新たな材料が必要かも知れない。