米3年債入札結果を受けた米債券市場の動向も注目!
昨日のドル円は方向感に乏しく動意の薄い一日となった。東京市場序盤はバーナンキFRB議長がテレビ番組でのインタビューで「FRBは国債購入を6,000億ドル超に拡大可能」と量的緩和の規模拡大について示唆したものの、先週末のNY市場でも「6,000億ドル超の国債購入を否定しない」と伝わっていたことから市場への反応は限定的となり、82.80円付近での小幅な値動きに。その後もノワイエ仏中銀総裁による「実効相場でのユーロ水準が高め」との発言を受けて、対ユーロでドル買いが優勢となったことから一時82.983円まで強含んだものの、上値も重く欧州市場では概ね82.85円前後での小動きが続いた。NYの取引時間帯に入ると米10年物国債利回りの低下したことが重石となって徐々に上値を切り下げると日通しの安値82.570円まで下落する展開となった、しかし、引けにかけてショートカバー散見すると小幅に反発し前日比+0.093円の82.688円で取引を終えた。
ユーロは米雇用統計で大幅下振れを受け先週金曜日のNY市場で対ドルは1.3435ドル付近まで上昇したものの、東京市場ではこの流れも一服し、利益確定の売り優勢の展開でオープンとなった。また、米債券運用大手PIMCOが「アイルランドを含む幾つかのユーロ圏諸国は、5年以内にユーロを離脱するだろう」と発言したこともユーロの重石となる中、1.3335ドル付近へと下落した。一方、対円も東京市場序盤に一時111.05円付近へと上値を拡大する場面がみられたが、その後は対ドルの下落につられて、110.50円付近へと反落した。欧州勢参加後は世界第2位の清算・決済機関LCHクリアネットがアイルランド国債を取引する際の必要証拠金を45%から30%に引き下げたことを受けて、小幅に上昇する場面も見られたが、その後は欧州株が冴えない展開となった事で対ドルは1.3300ドル付近、対円も110.20円付近へと続落した。NY時間では独連邦債に対するスペインやイタリア国債利回りスプレッドが拡大したことによるユーロ売りと、バーナンキFRB議長のQE3(米追加金融緩和第三弾)の実地に含みを持たせたことを背景としたドル売りに相殺され、方向感に欠ける展開となった。対ドルは1.33053ドル、対円は110.017円でそれぞれ取引を終えた。
本日の展開
ドル円は先週金曜日の米雇用統計の下振れを受けて、米景気の先行きに慎重な見方が広がっており、短期的にはドル買いにブレーキがかかる可能性も否定できないだろう。また、中国共産党が2011年の金融政策について、約2年ぶりに緩和路線を転換し「引き締め方向に軸足を置くことを決めた」と報じられており、中国の利上げ懸念が円買いの口実となる事にも警戒が必要となりそうだ。テクニカル面では日足が一目均衡表の先行スパンの雲の中に押し戻され、先月からの上昇局面が踊り場に差し掛かったことを示しており、雲の下限である81.70円付近で下げ止まるかどうかがポイントとしたい。ただし、NYダウは年初来高値をうかがう動きになっているほか、米10年債利回りも2.9%台での高水準での推移となっており、ドルが再び弱気局面入りと見るには時期尚早とも言えよう。また、米クリスマス商戦も好調な滑り出しとなっている為、今回の下落をじっくり見極め、押し目を探すのも面白そうだ。
ユーロはECBの国債購入観測で欧州PIIGS諸国の利回り格差が急速に縮小しており、ユーロ圏を巡る過度の悲観論は修正されつつあるほか、米雇用統計の下振れでドル買い戻しの流れも一服するとの見方もできる。しかし、ECBの国債買い入れはあくまで欧州の債務危機拡大への応急処置であり、欧州PIIGS諸国の過重債務が根本から改善されたわけではなく、ユーロの中期的なリスクは依然ダウンサイドにあるといえよう。対ドルではECBが危機対応の資金供給措置を3月末まで延長し、出口戦略を先送りにしたことで、金利面からユーロの優位性は低下しやすい状況にある上、独仏など主要国にソブリン格下げ懸念が波及する可能性もあり、ロングの深追いには注意したい。対円はECBの国債買い入れ観測を背景に短期的な地合いは回復に向かう可能性が高いほか、NYダウは年初来高値に迫る動きとなってリスク選好型の円売りから上昇も期待できる。しかし、テクニカル面では日足一目均衡表が先行スパンの雲を下抜けており、雲下限が位置する110.50円付近はを明確に上抜けることができない場合は上値の重い展開も想定しておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.20-83.20
ユーロ・円 108.80-111.50
ポンド・円 128.50-133.50
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 外貨準備高
09:01 GBP 英小売連合(BRC)小売売上高調査
12:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
14:00 JPY 景気一致指数(CI)
15:45 CHF 失業率
18:30 GBP 製造業生産指数
18:30 GBP 鉱工業生産指数
20:00 DEM 製造業新規受注
23:20 CAD カナダ銀行 政策金利
≪2010年12月6日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
先週の雇用統計の下振れから82円台ではバーゲン・ハント的な買いが優勢で「ブル」が継続している。
本日は米重要指標が少ない為、もみ合いの展開も予測されるが、テクニカル的にはレンジの目安として
下値は11月安値と11月高値の半値押しにあたる82.30円付近とし、上値は25日間移動平均線の差し掛か
る83.75円付近をポイントとしてみたい。また、日本時間8日午前3時に予定されている米3年債入札結果
を受けた米債券市場の動向も注視したい。
ポンド円は「ブル」
ECB(欧中銀)によるアイルランド国債購入の観測を背景に欧州信用不安が緩和した事で「ブル」は継
続された。今週の水・木曜日に開催される英中銀金融政策委員会では政策金利を0.50%、資産買い入れ
規模も2,000億ポンドに据え置く可能性が高く政策の変更もないため声明なども発表されないことから、
ポンド独自の材料は希薄となっている。引続き欧州財政問題の進展度合を意識し、テクニカル面では短
期的なレジスタンスである5日移動平均が差し掛かる130.50円付近や、一目均衡で先行スパン雲上限の
130.75円付近を上値の目安としたい。
豪ドル円は「ブル」
金・原油相場がここ最近の高値圏での値動きとなっているほか、英米系格付け会社フィッチが豪州の格
付けを「AA+」で据え置き、見通しは安定的としたことがサポート材料となり「ブル」が圧倒した。米
景気回復期待に水が差され、FRBの量的緩和第三弾の観測が復活する可能性が出ていることから、高金
利通貨に買い意欲が刺激される可能性が高くなりそうだ。また、先週末に中国人民銀行の高官が「長期
的な戦略の一環として、金準備の積み増しを検討すべき」と発言にしたことに加えて、ドルの価値希薄
化懸念からNY金先物は史上最高値に迫る動きとなっており、産金国通貨である豪ドルはサポートされそ
うだ。
ユーロは米雇用統計で大幅下振れを受け先週金曜日のNY市場で対ドルは1.3435ドル付近まで上昇したものの、東京市場ではこの流れも一服し、利益確定の売り優勢の展開でオープンとなった。また、米債券運用大手PIMCOが「アイルランドを含む幾つかのユーロ圏諸国は、5年以内にユーロを離脱するだろう」と発言したこともユーロの重石となる中、1.3335ドル付近へと下落した。一方、対円も東京市場序盤に一時111.05円付近へと上値を拡大する場面がみられたが、その後は対ドルの下落につられて、110.50円付近へと反落した。欧州勢参加後は世界第2位の清算・決済機関LCHクリアネットがアイルランド国債を取引する際の必要証拠金を45%から30%に引き下げたことを受けて、小幅に上昇する場面も見られたが、その後は欧州株が冴えない展開となった事で対ドルは1.3300ドル付近、対円も110.20円付近へと続落した。NY時間では独連邦債に対するスペインやイタリア国債利回りスプレッドが拡大したことによるユーロ売りと、バーナンキFRB議長のQE3(米追加金融緩和第三弾)の実地に含みを持たせたことを背景としたドル売りに相殺され、方向感に欠ける展開となった。対ドルは1.33053ドル、対円は110.017円でそれぞれ取引を終えた。
本日の展開
ドル円は先週金曜日の米雇用統計の下振れを受けて、米景気の先行きに慎重な見方が広がっており、短期的にはドル買いにブレーキがかかる可能性も否定できないだろう。また、中国共産党が2011年の金融政策について、約2年ぶりに緩和路線を転換し「引き締め方向に軸足を置くことを決めた」と報じられており、中国の利上げ懸念が円買いの口実となる事にも警戒が必要となりそうだ。テクニカル面では日足が一目均衡表の先行スパンの雲の中に押し戻され、先月からの上昇局面が踊り場に差し掛かったことを示しており、雲の下限である81.70円付近で下げ止まるかどうかがポイントとしたい。ただし、NYダウは年初来高値をうかがう動きになっているほか、米10年債利回りも2.9%台での高水準での推移となっており、ドルが再び弱気局面入りと見るには時期尚早とも言えよう。また、米クリスマス商戦も好調な滑り出しとなっている為、今回の下落をじっくり見極め、押し目を探すのも面白そうだ。
ユーロはECBの国債購入観測で欧州PIIGS諸国の利回り格差が急速に縮小しており、ユーロ圏を巡る過度の悲観論は修正されつつあるほか、米雇用統計の下振れでドル買い戻しの流れも一服するとの見方もできる。しかし、ECBの国債買い入れはあくまで欧州の債務危機拡大への応急処置であり、欧州PIIGS諸国の過重債務が根本から改善されたわけではなく、ユーロの中期的なリスクは依然ダウンサイドにあるといえよう。対ドルではECBが危機対応の資金供給措置を3月末まで延長し、出口戦略を先送りにしたことで、金利面からユーロの優位性は低下しやすい状況にある上、独仏など主要国にソブリン格下げ懸念が波及する可能性もあり、ロングの深追いには注意したい。対円はECBの国債買い入れ観測を背景に短期的な地合いは回復に向かう可能性が高いほか、NYダウは年初来高値に迫る動きとなってリスク選好型の円売りから上昇も期待できる。しかし、テクニカル面では日足一目均衡表が先行スパンの雲を下抜けており、雲下限が位置する110.50円付近はを明確に上抜けることができない場合は上値の重い展開も想定しておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 82.20-83.20
ユーロ・円 108.80-111.50
ポンド・円 128.50-133.50
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 外貨準備高
09:01 GBP 英小売連合(BRC)小売売上高調査
12:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
14:00 JPY 景気一致指数(CI)
15:45 CHF 失業率
18:30 GBP 製造業生産指数
18:30 GBP 鉱工業生産指数
20:00 DEM 製造業新規受注
23:20 CAD カナダ銀行 政策金利
≪2010年12月6日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
先週の雇用統計の下振れから82円台ではバーゲン・ハント的な買いが優勢で「ブル」が継続している。
本日は米重要指標が少ない為、もみ合いの展開も予測されるが、テクニカル的にはレンジの目安として
下値は11月安値と11月高値の半値押しにあたる82.30円付近とし、上値は25日間移動平均線の差し掛か
る83.75円付近をポイントとしてみたい。また、日本時間8日午前3時に予定されている米3年債入札結果
を受けた米債券市場の動向も注視したい。
ポンド円は「ブル」
ECB(欧中銀)によるアイルランド国債購入の観測を背景に欧州信用不安が緩和した事で「ブル」は継
続された。今週の水・木曜日に開催される英中銀金融政策委員会では政策金利を0.50%、資産買い入れ
規模も2,000億ポンドに据え置く可能性が高く政策の変更もないため声明なども発表されないことから、
ポンド独自の材料は希薄となっている。引続き欧州財政問題の進展度合を意識し、テクニカル面では短
期的なレジスタンスである5日移動平均が差し掛かる130.50円付近や、一目均衡で先行スパン雲上限の
130.75円付近を上値の目安としたい。
豪ドル円は「ブル」
金・原油相場がここ最近の高値圏での値動きとなっているほか、英米系格付け会社フィッチが豪州の格
付けを「AA+」で据え置き、見通しは安定的としたことがサポート材料となり「ブル」が圧倒した。米
景気回復期待に水が差され、FRBの量的緩和第三弾の観測が復活する可能性が出ていることから、高金
利通貨に買い意欲が刺激される可能性が高くなりそうだ。また、先週末に中国人民銀行の高官が「長期
的な戦略の一環として、金準備の積み増しを検討すべき」と発言にしたことに加えて、ドルの価値希薄
化懸念からNY金先物は史上最高値に迫る動きとなっており、産金国通貨である豪ドルはサポートされそ
うだ。