ドル下げ止まりとなるか!?
昨日のドル円は、日経平均が前日比+100円と上値を拡大したことが好感され東京市場序盤は81.85円付近へ底堅い値動きとなった。その後もアジア株の堅調な推移を受けて81円台後半で底堅く推移したが、ここ一ヶ月の高値である82.00円近辺になると伸び悩む展開となった。しかし、NY勢参加後は9月貿易収支で赤字幅の縮小が確認された事や、新規失業保険申請件数が今年7月以来の好結果を記録した事、また米30年債の入札が不調に終わった事で長期金利が上昇したことから82.796円まで続伸した。ただ、引けにかけ原油先物価格の上昇を手掛かりに、資源国通貨やポンドに対してドル売りがんだため、対円でもドル売りが散見。また、ニューヨーク連銀が1カ月で約1,050億ドルの米国債購入を実施すると発表したことで、米10年債利回りが低下すると82.280円まで下押しして取引を終えた。
ユーロは、欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国の財政懸念がくすぶる中、米国債利回りの急上昇や金・原油相場の急落を受けてドルの買い戻しが優勢となったNY市場の流れを引き継ぎ、対ドルでは東京市場に一時1.3735付近へと下落。対円も一時112.25円付近へと下押しした。しかし、その後は中国の金融引き締めが一部銀行に対する預金準備率の引き上げにとどまったほか、日経平均や GLOBEXのNYダウ先物が堅調に推移したこともサポート要因となり、欧州市場にかけて対ドルは強含みになると1.3820付近まで反発し、対円も112.95円付近まで連れ高となった。NY勢参加後は強い米経済指標を背景にドル円が急騰すると113.80円付近まで連れ高となったが、世界第2位の清算・決済機関であるLCHクリアネットが「アイルランド国債に対するヘアカット(必要証拠金)を15%上乗せする」と発表。アイルランド国債を保有している金融機関への資金調達懸念を想起させ、対ドルは一時1.37台を割り込み、対円も112.501円まで反落する激しい相場展開となった。引けにかけショートカバーが散見し113.396円まで回復して取引を終えた。
本日の展開
本日のドルだが、年末まで残り1ヵ月半となり、ヘッジファンドなどは決算対策で利益の確定に動く時期となる中、FOMCでの追加金融緩和決定と雇用統計という米重要イベントを無事通過したことで、ドル売りポジションが巻き戻される可能性も浮上してきていると考えられる。また、本日から韓国・ソウルで2日間開催される20カ国・地域(G20)首脳会議ではドイツのメルケル首相を筆頭に米国の金融政策を取り上げる方針であるとの話がでているように、G20に向け先進国を含めた米ドル安是正の機運が高まっており、一旦ドルのショート・ポジションを縮小し、中立スタンスで様子を見るのもいいだろう。テクニカル的にも重要抵抗帯となっていた82.00円付近を明確に上抜けた事で、上値目標は一目均衡基準線のさしかかる83.00円付近となりそうだ。
ユーロは欧州PIIGS諸国の信用不安がくすぶっている上、昨日は米新規失業保険申請件数が好結果となるなど、最近の強い米経済指標を背景にユーロは対ドルを中心に下値がぜい弱な地合いが続くのではと思われる。また、G20声明を警戒した短期的なポジション調整に加えて、11月はヘッジファンドの決算に向けた益出しや年末を意識したポジションの巻き戻しも考えられ、調整局面へ突入する可能性も排除できないだろう。しかし対円は、ドルのショート・ポジションと共に円のロング・ポジションも巻き戻される可能性も高いと考えられる。また、ドル円が82.00円を突破したことで上昇に弾みがつき、連れ高の展開も否定できず底堅い値動きも予想される。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 81.00-83.10
ユーロ・円 112.50-114.50
ポンド・円 130.50-133.50
【今日の主な経済指標】
18:00 EUR 欧州中央銀行(ECB)月報
≪2010年11月9日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ベア」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ドル・インデックスは78.00付近まで上昇するなどドルは主要通貨に対して買われ、
ドル円も一時82.716円まで上値を拡大している。本格的な上昇トレンドに転じるか
は未知数ではあるが、5・25日間移動平均線がゴールデンクロスを形成しているよ
うにテクニカル的な地合いも強まっており、目先も堅調な推移が期待できそうだ。
また、10月にも幾度か上値を押さえられた82.00円の大台を突破できたことで、本
邦政府による介入後の高値と11月安値の半値戻しにあたる83.10円付近まで上値余
地が広がることが考えられる。
ポンド円は「ブル」
BOE(英中銀)四半期インフレ報告では「今後2年のCPI上昇率は1.6%前後」と、前
回の1.4%から上方修正され、これを受け市場はポンド買い一色となって一時133.0
91円まで急騰。133円台示現に逆張り系の参加者が反応し「ベア」優勢となった。
最近の英経済指標が予想以上に堅調であることや、欧州PIIGS諸国の信用不安を背
景にユーロからの資金シフトも強まる可能性があり、欧州通貨内ではアウトパフォ
ームとなりそうだ。また、11月はヘッジファンドの決算月にあたることから、利益
確定で「ドル買い・円売り」の流れが強まる可能性があり、対ドルが下落する一方、
対円は堅調という展開も考えられるだろう。
豪ドル円は「ブル」
豪ウエストパック消費者信頼感指数は前月比-5.3%と前月の同+3.3%から低下する
一方、豪住宅ローン貸出は前月比+1.3%と予想の同+1.0%を上回るなど、強弱入り
混じる経済指標に参加者のポジションも拮抗。僅かに「ブル」が勝ったものの、前
日CMEが銀先物の証拠金を30%引き上げると発表したことをきっかけに、他の商品に
も証拠金比率引き上げの観測が出ている。目先にはさらなる商品相場の下落リスク
の可能性があり、豪ドルにとっては悪材料と意識される為、注意を要したい。
ユーロは、欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国の財政懸念がくすぶる中、米国債利回りの急上昇や金・原油相場の急落を受けてドルの買い戻しが優勢となったNY市場の流れを引き継ぎ、対ドルでは東京市場に一時1.3735付近へと下落。対円も一時112.25円付近へと下押しした。しかし、その後は中国の金融引き締めが一部銀行に対する預金準備率の引き上げにとどまったほか、日経平均や GLOBEXのNYダウ先物が堅調に推移したこともサポート要因となり、欧州市場にかけて対ドルは強含みになると1.3820付近まで反発し、対円も112.95円付近まで連れ高となった。NY勢参加後は強い米経済指標を背景にドル円が急騰すると113.80円付近まで連れ高となったが、世界第2位の清算・決済機関であるLCHクリアネットが「アイルランド国債に対するヘアカット(必要証拠金)を15%上乗せする」と発表。アイルランド国債を保有している金融機関への資金調達懸念を想起させ、対ドルは一時1.37台を割り込み、対円も112.501円まで反落する激しい相場展開となった。引けにかけショートカバーが散見し113.396円まで回復して取引を終えた。
本日の展開
本日のドルだが、年末まで残り1ヵ月半となり、ヘッジファンドなどは決算対策で利益の確定に動く時期となる中、FOMCでの追加金融緩和決定と雇用統計という米重要イベントを無事通過したことで、ドル売りポジションが巻き戻される可能性も浮上してきていると考えられる。また、本日から韓国・ソウルで2日間開催される20カ国・地域(G20)首脳会議ではドイツのメルケル首相を筆頭に米国の金融政策を取り上げる方針であるとの話がでているように、G20に向け先進国を含めた米ドル安是正の機運が高まっており、一旦ドルのショート・ポジションを縮小し、中立スタンスで様子を見るのもいいだろう。テクニカル的にも重要抵抗帯となっていた82.00円付近を明確に上抜けた事で、上値目標は一目均衡基準線のさしかかる83.00円付近となりそうだ。
ユーロは欧州PIIGS諸国の信用不安がくすぶっている上、昨日は米新規失業保険申請件数が好結果となるなど、最近の強い米経済指標を背景にユーロは対ドルを中心に下値がぜい弱な地合いが続くのではと思われる。また、G20声明を警戒した短期的なポジション調整に加えて、11月はヘッジファンドの決算に向けた益出しや年末を意識したポジションの巻き戻しも考えられ、調整局面へ突入する可能性も排除できないだろう。しかし対円は、ドルのショート・ポジションと共に円のロング・ポジションも巻き戻される可能性も高いと考えられる。また、ドル円が82.00円を突破したことで上昇に弾みがつき、連れ高の展開も否定できず底堅い値動きも予想される。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 81.00-83.10
ユーロ・円 112.50-114.50
ポンド・円 130.50-133.50
【今日の主な経済指標】
18:00 EUR 欧州中央銀行(ECB)月報
≪2010年11月9日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ベア」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ドル・インデックスは78.00付近まで上昇するなどドルは主要通貨に対して買われ、
ドル円も一時82.716円まで上値を拡大している。本格的な上昇トレンドに転じるか
は未知数ではあるが、5・25日間移動平均線がゴールデンクロスを形成しているよ
うにテクニカル的な地合いも強まっており、目先も堅調な推移が期待できそうだ。
また、10月にも幾度か上値を押さえられた82.00円の大台を突破できたことで、本
邦政府による介入後の高値と11月安値の半値戻しにあたる83.10円付近まで上値余
地が広がることが考えられる。
ポンド円は「ブル」
BOE(英中銀)四半期インフレ報告では「今後2年のCPI上昇率は1.6%前後」と、前
回の1.4%から上方修正され、これを受け市場はポンド買い一色となって一時133.0
91円まで急騰。133円台示現に逆張り系の参加者が反応し「ベア」優勢となった。
最近の英経済指標が予想以上に堅調であることや、欧州PIIGS諸国の信用不安を背
景にユーロからの資金シフトも強まる可能性があり、欧州通貨内ではアウトパフォ
ームとなりそうだ。また、11月はヘッジファンドの決算月にあたることから、利益
確定で「ドル買い・円売り」の流れが強まる可能性があり、対ドルが下落する一方、
対円は堅調という展開も考えられるだろう。
豪ドル円は「ブル」
豪ウエストパック消費者信頼感指数は前月比-5.3%と前月の同+3.3%から低下する
一方、豪住宅ローン貸出は前月比+1.3%と予想の同+1.0%を上回るなど、強弱入り
混じる経済指標に参加者のポジションも拮抗。僅かに「ブル」が勝ったものの、前
日CMEが銀先物の証拠金を30%引き上げると発表したことをきっかけに、他の商品に
も証拠金比率引き上げの観測が出ている。目先にはさらなる商品相場の下落リスク
の可能性があり、豪ドルにとっては悪材料と意識される為、注意を要したい。