FOMCを控えて神経質な地合い!量的緩和の規模に注目!
昨日のドル円だが早朝のオセアニア市場で80円台前半へと直近の安値を更新しスタートしたものの、9時過ぎに突如として81.40円付近まで急騰し、市場では「日銀の円売り介入が実施されたのでは」との声が聞かれる一方で、当局からの正式なコメントが得られず情報が錯綜するなか、「AI(人工知能)を用いた自動取引における自動ヘッジのバグが原因」と一部通信社が報じると、80.70円付近まで押し戻される展開となった。欧州勢参加後は中国指標の好結果を背景としたリスク選好ムードと、米追加緩和期待によるドル安の地合いが拮抗し80.60円付近での小康状態が続いた。NY市場に移ると米10月ISM製造業景況指数が発表され、56.9と市場の事前予想(54.0)を上回り、2010年4月以来の高水準を記録。また好悪分岐点である「50」を15ヶ月連続で上回り、構成項目も軒並み良く、特に生産、新規受注、そして雇用指数はいずれも前回から拡大したことにより、80円後半まで反発する場面も見られた。しかし、引けにかけNYダウが伸び悩むと上値が重くなり80.515円で取引を終えた。
ユーロ円は東京市場序盤に、システムトラブルや人為的ミスとみられる動きでドル円が急騰したことにつれ113.30円付近まで上昇した後に、80銭ほど押し戻され上値の重い動きとなったが、対ドルの上昇や株高にサポートされ、東京市場終盤にかけて概ね112円台後半で底堅く推移した。欧州勢参入後は明日から開催される米国のFOMC会合が意識され、動意の乏しかったものの、欧州株や時間外のダウ先物の下落を背景とした売りが出たほか、ユーロ/ドルでも売りが出たことでジリ安展開に112円を割れた。さらにNY市場でダウが下値を拡大すると、引けにかけてリスクポジション解消の売りが散見したことで軟調な値動きに111.871円で取引を終えた。
本日の展開
ドル円だが、本日から2日間に渡りFOMCが開催されるが追加緩和の国債買い入れ額が焦点となっており、大規模となれば引き続きドルが売られやすい状況となり、1995年4月に記録した史上最安値である79.750円を巡る攻防となりそうだ。仮に上記水準を割り込んだ場合は投げ売りの展開となり大きく下落する可能性も考えられる。また、米中間選挙では下院における野党共和党が過半数獲得との見通しで、37議席のうちで野党が10議席以上を確保すると与野党逆転となり、政情不安からドルが売られやすい地合いが続く可能性もある。ただし日銀は米追加緩和策に伴うドル安への対応として異例の政策決定会合の前倒しを決定しており、史上最安値が現実味を帯びてくれば日本国債購入に付随する紙幣増刷による追加緩和も指摘されている。また、FOMC(連邦公開市場委員会)通過後は材料出尽くしによるドル買い戻しの可能性もあり、ドル安一辺倒とは考えにくく、ドルショートの深追いは禁物であろう。
ユーロはFOMCでは大規模な米国債買い入れプログラムが発表される可能性からドル売り・ユーロ買いが引続き優勢の展開となりそうだ。対ドルの1.40台では欧州当局者のけん制発言が入る可能性があるものの、ECBが危機対応型の金融緩和策からの出口戦略を模索していることもあり、下落余地は限定的とみることもできよう。ただし、対円はドル円の下落次第では円の全面高となる可能性もあり、現時点では中立スタンスで様子を窺うのもいいだろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.75-82.00
ユーロ・円 110.00-113.50
ポンド・円 127.80-132.50
【今日の主な経済指標】
12:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
18:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
≪2010年11月1日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
バーゲン・ハント的な買いや、米国の10月ISM製造業景況指数が2010年4月以来の
高水準を記録し、特に「雇用指数」は57.7(前回 56.5)へと拡大しており、今
週5日の公式雇用統計に対する明るい要素として意識され「ブル」を後押しした。
先週末に発表された日本の財務省の9月29日-10月27日の外国為替平衡操作実施状
況では、為替介入額がゼロとなっており、通貨安競争への批判の高まりから通貨
当局の介入警戒感も後退している。さらにソニーやホンダなど大手の本邦輸出企
業が相次いで想定為替レートを円高方向へと修正したこともあり、今夜FOMCの結
果によっては史上最安値更新も十分考えられる。
ポンド円は「ブル」
予想では5ヶ月連続での下落となる見込みだった英PMI製造業10月の結果は予想を
上回り、中国製造業PMIも改善するなどリスク選好の流れが優勢となり、「ブル」
となった。今週4日の木曜にはBOE(英中銀)が政策金利と資産買い入れ枠を公表
するが、前回の議事録で資産買い取り規模の拡大に傾斜した意見が複数出たもの
の、先週末の英第3四半期GDPが市場予想の2倍の伸びを示したことを受け英追加
金融緩和観測は下火となっている。米国の景気鈍化懸念や、米追加金融緩和観測
から総体的にポンドが買われやすい地合いとなろうか。
豪ドル円は「ブル」
豪第3四半期住宅価格指数が前期比+0.1%と予想の±0.0%を上回ったほか、中国
製造業PMIの改善を受けた豪ドル買いが優勢となり「ブル」。米国の量的緩和観
測や日米の実質ゼロ金利長期化観測を背景に、引き続き豪ドルが買われやすい局
面といえよう。また、本日の豪準備銀行理事会でのサプライズ利上げ可能性もあ
り、80円台示現も十分考えられるだろう。
ユーロ円は東京市場序盤に、システムトラブルや人為的ミスとみられる動きでドル円が急騰したことにつれ113.30円付近まで上昇した後に、80銭ほど押し戻され上値の重い動きとなったが、対ドルの上昇や株高にサポートされ、東京市場終盤にかけて概ね112円台後半で底堅く推移した。欧州勢参入後は明日から開催される米国のFOMC会合が意識され、動意の乏しかったものの、欧州株や時間外のダウ先物の下落を背景とした売りが出たほか、ユーロ/ドルでも売りが出たことでジリ安展開に112円を割れた。さらにNY市場でダウが下値を拡大すると、引けにかけてリスクポジション解消の売りが散見したことで軟調な値動きに111.871円で取引を終えた。
本日の展開
ドル円だが、本日から2日間に渡りFOMCが開催されるが追加緩和の国債買い入れ額が焦点となっており、大規模となれば引き続きドルが売られやすい状況となり、1995年4月に記録した史上最安値である79.750円を巡る攻防となりそうだ。仮に上記水準を割り込んだ場合は投げ売りの展開となり大きく下落する可能性も考えられる。また、米中間選挙では下院における野党共和党が過半数獲得との見通しで、37議席のうちで野党が10議席以上を確保すると与野党逆転となり、政情不安からドルが売られやすい地合いが続く可能性もある。ただし日銀は米追加緩和策に伴うドル安への対応として異例の政策決定会合の前倒しを決定しており、史上最安値が現実味を帯びてくれば日本国債購入に付随する紙幣増刷による追加緩和も指摘されている。また、FOMC(連邦公開市場委員会)通過後は材料出尽くしによるドル買い戻しの可能性もあり、ドル安一辺倒とは考えにくく、ドルショートの深追いは禁物であろう。
ユーロはFOMCでは大規模な米国債買い入れプログラムが発表される可能性からドル売り・ユーロ買いが引続き優勢の展開となりそうだ。対ドルの1.40台では欧州当局者のけん制発言が入る可能性があるものの、ECBが危機対応型の金融緩和策からの出口戦略を模索していることもあり、下落余地は限定的とみることもできよう。ただし、対円はドル円の下落次第では円の全面高となる可能性もあり、現時点では中立スタンスで様子を窺うのもいいだろう。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.75-82.00
ユーロ・円 110.00-113.50
ポンド・円 127.80-132.50
【今日の主な経済指標】
12:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
18:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
≪2010年11月1日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
バーゲン・ハント的な買いや、米国の10月ISM製造業景況指数が2010年4月以来の
高水準を記録し、特に「雇用指数」は57.7(前回 56.5)へと拡大しており、今
週5日の公式雇用統計に対する明るい要素として意識され「ブル」を後押しした。
先週末に発表された日本の財務省の9月29日-10月27日の外国為替平衡操作実施状
況では、為替介入額がゼロとなっており、通貨安競争への批判の高まりから通貨
当局の介入警戒感も後退している。さらにソニーやホンダなど大手の本邦輸出企
業が相次いで想定為替レートを円高方向へと修正したこともあり、今夜FOMCの結
果によっては史上最安値更新も十分考えられる。
ポンド円は「ブル」
予想では5ヶ月連続での下落となる見込みだった英PMI製造業10月の結果は予想を
上回り、中国製造業PMIも改善するなどリスク選好の流れが優勢となり、「ブル」
となった。今週4日の木曜にはBOE(英中銀)が政策金利と資産買い入れ枠を公表
するが、前回の議事録で資産買い取り規模の拡大に傾斜した意見が複数出たもの
の、先週末の英第3四半期GDPが市場予想の2倍の伸びを示したことを受け英追加
金融緩和観測は下火となっている。米国の景気鈍化懸念や、米追加金融緩和観測
から総体的にポンドが買われやすい地合いとなろうか。
豪ドル円は「ブル」
豪第3四半期住宅価格指数が前期比+0.1%と予想の±0.0%を上回ったほか、中国
製造業PMIの改善を受けた豪ドル買いが優勢となり「ブル」。米国の量的緩和観
測や日米の実質ゼロ金利長期化観測を背景に、引き続き豪ドルが買われやすい局
面といえよう。また、本日の豪準備銀行理事会でのサプライズ利上げ可能性もあ
り、80円台示現も十分考えられるだろう。