ドル円続落の中、雇用統計や如何に!?
昨日のドル円は東京市場序盤、本邦輸出企業のドル買いなどが入ったことや、菅首相から「為替の過度の変動は看過できない」と発言したこともあり一時83.00円付近まで上昇。しかし、ワシントンで開催される先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を明日に控えて、政府・日銀は介入をやりづらいとの見方も強く、また米追加金融緩和観測も上値抑制要因となる中、東京市場終盤にかけて82.85円前後で小動きとなった。欧州勢が参入すると、改めて米追加金融緩和観測を背景としたドル売りが全般的に強まる中、桜井財務副大臣が「円高は中央銀行の政策だけでは解決できない。為替がどうふれていくかは市場が判断する」と発言したことで本邦当局の介入期待感をさらに後退、82.25円付近まで下落した。さらにNY市場では米新規失業保険申請件数が市場予想より改善したものの、米追加緩和期待とG7での下押し圧力が勝り一時82.114円まで続落して1995年5月以来の安値を更新した。引けにかけてフィッシャー・ダラス連銀総裁、そしてホーニグ・カンザスシティ連銀総裁が相次いで追加金融緩和に消極的な姿勢を示した事で小幅に反発、82.433円で取引を終えた。
ユーロ円は米追加金融緩和観測を背景とした急激な上昇に対して、欧州要人の牽制発言などが警戒されたほか、ECB(欧中銀)政策金利発表を前にしたポジション調整の売りに上値を抑えられたことから、東京市場は115.40円付近でもみ合いとなった。欧州勢参加後は一時115.65円付近まで上昇する場面があったものの、米追加金融緩和観測に加え、桜井財務副大臣の発言などを受けた政府・日銀の介入警戒感の後退を背景としたドル円の急落につられて反落した。さらにトリシェECB総裁が記者会見の中で「強いドルは国益との米国のスタンスに同意」「米国が強いドルについて言及している事が重要だ」とコメントした事が意識され、対ドルで下落すると対円もつられて一時114.246円まで下値を拡大した。NY勢参加後は売られすぎからショートカバーが散見し、114.751円まで反発し、取引を終えた。
本日の展開
本日のドル円だが、ガイトナー米財務長官の「貿易黒字国の通貨高容認発言」や、フレアティ加財務相による「為替介入への懸念表明」など、G7前に介入を牽制する動きから、事実上本日は円売り介入は出来ないのではとの見方が広がっている。また、ドルインデックスが77.0と安値を更新するなど地合いは脆弱で、短期的なサポート材料は見当たらず、先日の米ADP雇用統計が予想を大きく下回ったことを受けて今夜の米雇用統計に対する悪化懸念も高まっており、引き続き下振れ警戒を怠れないだろう。ただし、週末のG7は非公式で声明の発表されない見通しだが、仮に海外当局者とのコンセンサスがうまくいけば、週明け11日の祭日に介入実地の可能性は否定できず、アジア時間は商いが薄いこともあり効果は絶大になると思われる。週末のショート・ポジション持ち越しには注意が必要か。
ユーロは、米雇用統計の下振れ懸念やFRBの追加金融緩和観測が強まっており、ドルの独歩安が一段と鮮明となる中、テクニカル面でも年初来安値(6月)の1.1875付近から昨年高値(11月)の1.5145付近までの61.8%戻しの1.3900ドルを達成するなど、対ドルで引続き強気のバイアスがかかりそうだ。しかし、昨日ECBの政策金利発表後(政策金利は1.00%据え置き)のトリシェ総裁による記者会見の内容が「無制限の流動性供給は依然必要と判断」「経済見通しのリスクはやや下向きに傾斜」などハト派寄りであった事に加え、期待された出口戦略に言及はなく、強気一辺倒で買い進むには注意が必要だろう。また、9月初旬より一貫して上昇傾向にある現水準には高値警戒感が強く、一旦は調整局面へ移行する可能性が指摘されている。対円では25日間移動平均線の差し掛かる111.75円付近まで軟化することも想定しておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 81.00-83.50
ユーロ・円 111.75-116.80
ポンド・円 129.60-134.50
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI
14:45 CHF 失業率
15:00 DEM 貿易収支
15:00 DEM 経常収支
15:45 FRF 財政収支
17:30 GBP 卸売物価指数
20:00 CAD 新規雇用者数
20:00 CAD 失業率
21:15 CAD 住宅着工件数
21:30 USD 非農業部門雇用者数変化[前月比]
21:30 USD 失業率
23:00 USD 卸売在庫
≪2010年10月7日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
現水準での「ブル」優位に変化はないものの、今夜の米雇用統計を控えて
ポジション調整の動きも見受けられた。注目の雇用統計だが市場の織り込
み度としては、まず6日に発表されたADP全国雇用者数は市場予想を下回り、
前日の米新規失業保険申請件数は予想より強く一進一退の状況。しかし、
市場のムードは弱いとの見方が主流であり、仮に強い数字が発表されれば
サプライズとなり、週末要因を鑑みるとポジション調整のドルの買い戻し
が大きく進む可能性はあるだろう。
ポンド円は「ブル」
BOEが政策金利を現行の0.50%に据え置くことを決め、資産買取プログラ
ムを2,000億ポンドで維持すると発表するとショートカバーや新規買いが
集まり「ブル」となった。しかし、英国の景気・英欧の景況格差・財政見
通しは依然として弱く、欧州通貨内ではポンドのアンダーパフォームが続
く可能性には留意したい。
豪ドル円は「ブル」
東京市場に発表された豪雇用統計では失業率は5.1%と予想通りとなった
ものの、新規雇用者数が前月比+49,500人と予想の同+20,000人を大幅上回
ったことを受けて、利上げ観測が再燃すると共に参加者の買いが優勢とな
り「ブル」となった。米国は追加金融緩和観測が強まっている一方、豪州
は景気堅調を受けて豪準備銀行の年内追加利上げ観測が復活しており、金
利面での買い意欲が一段と高まりそうだ。また、ドルから金など実物資産
へのシフトも加速しており、金相場と相関の高い豪ドルは引き続き買いが
入りやすいとみる。対ドルは27年ぶりの高値を更新しており、いよいよパ
リティ(1.0000豪ドル=1.0000ドル)を視野に入れる展開となろうか。対円
はテクニカル的に4月高値88.16円から5月安値72.04円の下落幅に対して61
.8%戻しにあたる82.04円を明確に上抜けすることができるのか注目して
いきたい。
ユーロ円は米追加金融緩和観測を背景とした急激な上昇に対して、欧州要人の牽制発言などが警戒されたほか、ECB(欧中銀)政策金利発表を前にしたポジション調整の売りに上値を抑えられたことから、東京市場は115.40円付近でもみ合いとなった。欧州勢参加後は一時115.65円付近まで上昇する場面があったものの、米追加金融緩和観測に加え、桜井財務副大臣の発言などを受けた政府・日銀の介入警戒感の後退を背景としたドル円の急落につられて反落した。さらにトリシェECB総裁が記者会見の中で「強いドルは国益との米国のスタンスに同意」「米国が強いドルについて言及している事が重要だ」とコメントした事が意識され、対ドルで下落すると対円もつられて一時114.246円まで下値を拡大した。NY勢参加後は売られすぎからショートカバーが散見し、114.751円まで反発し、取引を終えた。
本日の展開
本日のドル円だが、ガイトナー米財務長官の「貿易黒字国の通貨高容認発言」や、フレアティ加財務相による「為替介入への懸念表明」など、G7前に介入を牽制する動きから、事実上本日は円売り介入は出来ないのではとの見方が広がっている。また、ドルインデックスが77.0と安値を更新するなど地合いは脆弱で、短期的なサポート材料は見当たらず、先日の米ADP雇用統計が予想を大きく下回ったことを受けて今夜の米雇用統計に対する悪化懸念も高まっており、引き続き下振れ警戒を怠れないだろう。ただし、週末のG7は非公式で声明の発表されない見通しだが、仮に海外当局者とのコンセンサスがうまくいけば、週明け11日の祭日に介入実地の可能性は否定できず、アジア時間は商いが薄いこともあり効果は絶大になると思われる。週末のショート・ポジション持ち越しには注意が必要か。
ユーロは、米雇用統計の下振れ懸念やFRBの追加金融緩和観測が強まっており、ドルの独歩安が一段と鮮明となる中、テクニカル面でも年初来安値(6月)の1.1875付近から昨年高値(11月)の1.5145付近までの61.8%戻しの1.3900ドルを達成するなど、対ドルで引続き強気のバイアスがかかりそうだ。しかし、昨日ECBの政策金利発表後(政策金利は1.00%据え置き)のトリシェ総裁による記者会見の内容が「無制限の流動性供給は依然必要と判断」「経済見通しのリスクはやや下向きに傾斜」などハト派寄りであった事に加え、期待された出口戦略に言及はなく、強気一辺倒で買い進むには注意が必要だろう。また、9月初旬より一貫して上昇傾向にある現水準には高値警戒感が強く、一旦は調整局面へ移行する可能性が指摘されている。対円では25日間移動平均線の差し掛かる111.75円付近まで軟化することも想定しておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 81.00-83.50
ユーロ・円 111.75-116.80
ポンド・円 129.60-134.50
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI
14:45 CHF 失業率
15:00 DEM 貿易収支
15:00 DEM 経常収支
15:45 FRF 財政収支
17:30 GBP 卸売物価指数
20:00 CAD 新規雇用者数
20:00 CAD 失業率
21:15 CAD 住宅着工件数
21:30 USD 非農業部門雇用者数変化[前月比]
21:30 USD 失業率
23:00 USD 卸売在庫
≪2010年10月7日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
現水準での「ブル」優位に変化はないものの、今夜の米雇用統計を控えて
ポジション調整の動きも見受けられた。注目の雇用統計だが市場の織り込
み度としては、まず6日に発表されたADP全国雇用者数は市場予想を下回り、
前日の米新規失業保険申請件数は予想より強く一進一退の状況。しかし、
市場のムードは弱いとの見方が主流であり、仮に強い数字が発表されれば
サプライズとなり、週末要因を鑑みるとポジション調整のドルの買い戻し
が大きく進む可能性はあるだろう。
ポンド円は「ブル」
BOEが政策金利を現行の0.50%に据え置くことを決め、資産買取プログラ
ムを2,000億ポンドで維持すると発表するとショートカバーや新規買いが
集まり「ブル」となった。しかし、英国の景気・英欧の景況格差・財政見
通しは依然として弱く、欧州通貨内ではポンドのアンダーパフォームが続
く可能性には留意したい。
豪ドル円は「ブル」
東京市場に発表された豪雇用統計では失業率は5.1%と予想通りとなった
ものの、新規雇用者数が前月比+49,500人と予想の同+20,000人を大幅上回
ったことを受けて、利上げ観測が再燃すると共に参加者の買いが優勢とな
り「ブル」となった。米国は追加金融緩和観測が強まっている一方、豪州
は景気堅調を受けて豪準備銀行の年内追加利上げ観測が復活しており、金
利面での買い意欲が一段と高まりそうだ。また、ドルから金など実物資産
へのシフトも加速しており、金相場と相関の高い豪ドルは引き続き買いが
入りやすいとみる。対ドルは27年ぶりの高値を更新しており、いよいよパ
リティ(1.0000豪ドル=1.0000ドル)を視野に入れる展開となろうか。対円
はテクニカル的に4月高値88.16円から5月安値72.04円の下落幅に対して61
.8%戻しにあたる82.04円を明確に上抜けすることができるのか注目して
いきたい。