ドル円介入後の安値を更新!
昨日のドル円だが、東京市場序盤は米国の追加金融緩和観測を背景としたドル売りと本邦当局の介入警戒感や追加金融緩和観測による円売りが交錯、84.25円を中心に上下15銭程度の狭いレンジ内でのもみ合いが継続した。その後は9月中間期末に向けたリパトリの動きから小幅に弱含む場面がみられたものの、日経新聞の「日銀は次回10月4・5日の金融政策決定会合で追加的な金融緩和を協議」との報道や、FRBの小規模な追加金融緩和の可能性を指摘した米WSJ紙の記事が下支えすると84円前半で一進一退の展開となった。動意の無いままNY市場に移行し発表された9月リッチモンド連銀製造業指数は(予想:6 結果:-2)と予想を下回り、2010年1月以来のマイナスを記録。さらに9月消費者信頼感指数も(予想:52.1 結果:48.5)とこちらも予想を下回り、2010年2月以来の低水準を記録するなどいずれも悪い数値となった米経済指標を受け84円を割れると一時83.689円まで下落、83.867円で取引を終えた。
ユーロ円は東京市場序盤から、日経平均やGLOBEXのNYダウ先物など株価の軟調推移を背景に、リスク回避ムードが広がる中113.15円付近まで下落。さらに欧州勢の参入後にはスペインの格下げなど不穏な噂が流れたほか、米格付会社S&Pが「アイルランドのアングロ・アイリッシュ銀行の資本再編コストは350億ユーロを超える可能性があり、一段の格下げの可能性もある」との見解を示したことからユーロ売りが活発化し、113円台を割り込み112.70円付近へと一時売り込まれた。しかし、その後は独GFK消費者信頼感調査は(予想:4.2 結果:4.9)と予想を上回った事に加え、シュタルクECB(欧州中銀)専務理事が「非標準的措置の多くは第4四半期で期限を迎え、延長されることはないだろう」「融資が増加へと転換するターニングポイントが見られる」と発言したことをきっかけにユーロは反転、引けにかけても上値を切り上げ113.956円で取引を終えた。
本日の展開
本日のドル円だが、84.00円付近には日銀のドル買いオーダーが控えているとの見方があったものの、前日はあっさり84円を割れるなど介入期待は剥落してきたといえよう。一部報道で米WSJ紙が市場予想よりも「FRBが小規模な米国債買い入れの可能性」を報じたものの、米国債買い入れ増額を中心としたもう一段の量的緩和を検討しているとの見方を後退させるには至っておらず、早ければ次回11月の会合で追加金融緩和措置を実施する可能性は依然燻っている。さらに米10年債利回りは2.5%を割れるなど、本日も米金利先安感を背景にドル売り圧力が一段と強まる可能性が高いと考えられる。
ユーロ円は、日足一目均衡の先行スパンの雲の上限を上抜けしているほか、遅行線・基準線・転換線をみると三役好転買いシグナルが引続き点灯しており、テクニカル面では上値が拡大する展開が予想される。しかし、米格付機関ムーディーズがアイルランドのアングロ・アイリッシュ銀行の債券格付けを引き下げたことを受けて、PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国を巡る信用不安が再燃していることもあり、積極的に手を出しづらくなっている事も確かだ。また、トリシェECB総裁が「経済見通しには依然不透明性がある」との慎重な見解を示すなど欧州重債務国を中心とした財務、信用不安の燻りに加え、6月から続く高値圏での上値の重さが意識されており、現水準から上値を買い上がるには新たな支援材料が必要となろうか。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.00-85.50
ユーロ・円 112.00-114.90
ポンド・円 131.50-135.00
【今日の主な経済指標】
15:45 FRF 消費者信頼感指数
17:30 GBP 消費者信用残高
17:30 GBP マネーサプライM4確定値
18:00 EUR 消費者信頼感
18:30 ZAR 消費者物価指数
18:30 CHF KOF景気先行指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 CAD 鉱工業製品価格
21:30 CAD 原料価格指数
≪2010年9月28日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
84円を割れたことでバーゲン・ハント的な買いが継続され「ブル」。しかし、前日
発表された米経済指標はいずれも悪化。今回の指標はそのヘッドラインの悪さだけ
でなく、構成項目の雇用指数や雇用関連が軒並み悪化していることで、来月初めに
発表される公式雇用統計にとっても陰りを落とすものと言えそう。ただし、歴史的
な安値圏であることで現水準では割安感から買いも期待でき、本邦当局の介入に注
視しながら84円を挟んだ攻防に注目していきたい。
ポンド円は「ブル」
昨日発表された英第2四半期GDP確報値は前期比+1.2%、前年同期比+1.7%とそれぞ
れ予想通りの結果となる一方、英第2四半期総合事業投資が前期比+0.7%と予想の
同-1.6%を大幅に上回ったことを手掛かりに参加者のポンド買いが優勢になり「ブ
ル」。しかし、欧州を巡る信用不安が蒸し返されている上、株高一服でリスク選好
が後退すれば、四半期末でのリパトリやリスク縮小の動きが予想されることから、
下値が脆弱な局面が続くかもしれない。
豪ドル円は「ブル」
欧州のソブリンリスク再燃が危惧されたものの、リスク回避の動きは限定的となっ
たことで連休明けの上海総合株価が大幅高となった事でリスク選好の動きが強まっ
たほか、金先物も一時1300ドルを示現するなど「ブル」は継続。好調な豪経済を背
景に来月5日に予定されるRBA(豪準備銀)理事会では政策金利の0.25%の引き上げ
が予想されており、今後の動向が注目される。
ユーロ円は東京市場序盤から、日経平均やGLOBEXのNYダウ先物など株価の軟調推移を背景に、リスク回避ムードが広がる中113.15円付近まで下落。さらに欧州勢の参入後にはスペインの格下げなど不穏な噂が流れたほか、米格付会社S&Pが「アイルランドのアングロ・アイリッシュ銀行の資本再編コストは350億ユーロを超える可能性があり、一段の格下げの可能性もある」との見解を示したことからユーロ売りが活発化し、113円台を割り込み112.70円付近へと一時売り込まれた。しかし、その後は独GFK消費者信頼感調査は(予想:4.2 結果:4.9)と予想を上回った事に加え、シュタルクECB(欧州中銀)専務理事が「非標準的措置の多くは第4四半期で期限を迎え、延長されることはないだろう」「融資が増加へと転換するターニングポイントが見られる」と発言したことをきっかけにユーロは反転、引けにかけても上値を切り上げ113.956円で取引を終えた。
本日の展開
本日のドル円だが、84.00円付近には日銀のドル買いオーダーが控えているとの見方があったものの、前日はあっさり84円を割れるなど介入期待は剥落してきたといえよう。一部報道で米WSJ紙が市場予想よりも「FRBが小規模な米国債買い入れの可能性」を報じたものの、米国債買い入れ増額を中心としたもう一段の量的緩和を検討しているとの見方を後退させるには至っておらず、早ければ次回11月の会合で追加金融緩和措置を実施する可能性は依然燻っている。さらに米10年債利回りは2.5%を割れるなど、本日も米金利先安感を背景にドル売り圧力が一段と強まる可能性が高いと考えられる。
ユーロ円は、日足一目均衡の先行スパンの雲の上限を上抜けしているほか、遅行線・基準線・転換線をみると三役好転買いシグナルが引続き点灯しており、テクニカル面では上値が拡大する展開が予想される。しかし、米格付機関ムーディーズがアイルランドのアングロ・アイリッシュ銀行の債券格付けを引き下げたことを受けて、PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国を巡る信用不安が再燃していることもあり、積極的に手を出しづらくなっている事も確かだ。また、トリシェECB総裁が「経済見通しには依然不透明性がある」との慎重な見解を示すなど欧州重債務国を中心とした財務、信用不安の燻りに加え、6月から続く高値圏での上値の重さが意識されており、現水準から上値を買い上がるには新たな支援材料が必要となろうか。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.00-85.50
ユーロ・円 112.00-114.90
ポンド・円 131.50-135.00
【今日の主な経済指標】
15:45 FRF 消費者信頼感指数
17:30 GBP 消費者信用残高
17:30 GBP マネーサプライM4確定値
18:00 EUR 消費者信頼感
18:30 ZAR 消費者物価指数
18:30 CHF KOF景気先行指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 CAD 鉱工業製品価格
21:30 CAD 原料価格指数
≪2010年9月28日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
84円を割れたことでバーゲン・ハント的な買いが継続され「ブル」。しかし、前日
発表された米経済指標はいずれも悪化。今回の指標はそのヘッドラインの悪さだけ
でなく、構成項目の雇用指数や雇用関連が軒並み悪化していることで、来月初めに
発表される公式雇用統計にとっても陰りを落とすものと言えそう。ただし、歴史的
な安値圏であることで現水準では割安感から買いも期待でき、本邦当局の介入に注
視しながら84円を挟んだ攻防に注目していきたい。
ポンド円は「ブル」
昨日発表された英第2四半期GDP確報値は前期比+1.2%、前年同期比+1.7%とそれぞ
れ予想通りの結果となる一方、英第2四半期総合事業投資が前期比+0.7%と予想の
同-1.6%を大幅に上回ったことを手掛かりに参加者のポンド買いが優勢になり「ブ
ル」。しかし、欧州を巡る信用不安が蒸し返されている上、株高一服でリスク選好
が後退すれば、四半期末でのリパトリやリスク縮小の動きが予想されることから、
下値が脆弱な局面が続くかもしれない。
豪ドル円は「ブル」
欧州のソブリンリスク再燃が危惧されたものの、リスク回避の動きは限定的となっ
たことで連休明けの上海総合株価が大幅高となった事でリスク選好の動きが強まっ
たほか、金先物も一時1300ドルを示現するなど「ブル」は継続。好調な豪経済を背
景に来月5日に予定されるRBA(豪準備銀)理事会では政策金利の0.25%の引き上げ
が予想されており、今後の動向が注目される。