米は政府・日銀による為替介入黙認!今後も介入継続か!?
金曜日のドル円は、東京時間の朝方に行われた日米首脳会談において材料視されるようなことが無かった為、午前中は小幅な値動きとなった。午後に入ると日本当局による介入観測が広がり急騰、85.393円まで上昇した。9月15日に為替介入を実施した際は野田財務相が介入の事実を公表しているが、今回の急騰については政府・日銀共にノーコメントを貫いていることで、介入観測前の水準(84.50円近辺)まで値を崩した。また、ほぼ同じタイミングで白川日銀総裁が辞任するとの噂も流れたが、総裁本人から「そのような事実も予定もない」と発言があった。その後、米国時間に発表された耐久財受注(予想:-1.0% 結果:-1.3%)・新築住宅販売件数(予想:29.5万件 結果:28.8万件)が予想を下回り84.115円まで下落する場面も見られたものの、介入に対する警戒感が改めて強まったことから下値は堅く84.233円で取引を終えた。
ユーロ円は、朝方からじりじりと値を伸ばし時間足ベースで形成したダブルボトムのネックラインを上抜けると上げ幅を拡大、更に東京時間午後の為替介入の噂によって113.754円まで急騰した。しかし、「介入だったかもしれない」との観測に留まったため値を削る展開に。また、独輸入物価指数が予想を下回ると(予想:0.3%、結果:0.2%)下げ幅を拡大し112.660円まで反落した。その後はIFO企業景況感指数が予想を上回り(予想:106.4、結果:106.8)2007年6月以来の好数値を記録したことで流れが一変。米国時間においても米株価の堅調推移が好感され日中にマークした高値を上抜け113.773円まで上昇、値を保ったまま113.631円で取引を終えた。
今週の展開
今週のドル円は、28日にケース・シラー住宅価格指数、30日の米四半期実質GDP、シカゴ購買部協会景気指数、10月1日ISM製造業景況指数といった指標発表が予定されており、日々注意が必要となるだろう。また、9日24日の急騰において為替介入の有無は明確になっていないものの、警戒感は強まっているため下方向へは攻めづらい状況となった。また、日米首脳会談において介入に対する批判的な発言等が出なかったことから、米国は介入を黙認するとの見方が広がっており政府・日銀も公言通り、急激な変動時には実行に移りやすい下地が整ったと言えるだろう。政府要人からは為替介入を行う明確な価格水準は無いとの発言もあるが、9月15日は83円を割り込んだ時点で介入に踏み切っているため、下落した場合に意識される水準となりそうだ。
ユーロ円は、ドルの軟調推移を受けてユーロドルが上昇トレンドを継続し連れ高となっている。ユーロに積極的な買材料があると言うよりはドルが米景気減速懸念から最も売られやすく、円は為替介入に対する警戒感が強まっており、消去法的にユーロ買いが優勢といった構図になっているようだ。また、先週末はユーロ圏の経済指標が予想を下回りセンチメントが悪化したところに独経済指標の好結果を受けて反発となっており、ユーロ圏の牽引役を担っている独の影響力の大きさがうかがえた。今週は28日の独GFK消費者信頼感調査、30日独失業率、ユーロ圏消費者物価指数等の指標を控えており、上昇トレンドを継続出来るかどうかが注目されそう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 82.00-86.50
ユーロ・円 110.00-116.00
ポンド・円 129.00-138.00
【今日の主な経済指標】
27日
08:50 JPY 企業向けサービス価格指数
08:50 JPY 貿易統計(通関ベース)
17:00 EUR マネーサプライM3
28日
15:00 DEM GFK消費者信頼感調査
15:45 FRF 消費支出
17:30 GBP 四半期経常収支
17:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、確定値)
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:00 USD 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
29日
06:45 NZD 貿易収支
08:50 JPY 日銀短観・四半期大企業全産業設備投資
08:50 JPY 日銀短観・四半期大企業製造業先行き
08:50 JPY 日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
15:45 FRF 消費者信頼感指数
17:30 GBP マネーサプライM4確定値
17:30 GBP 消費者信用残高
18:00 EUR 消費者信頼感(確定値)
18:30 CHF KOF景気先行指数
18:30 ZAR 消費者物価指数(CPI)
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:30 CAD 原料価格指数
21:30 CAD 鉱工業製品価格
30日
06:45 NZD 住宅建設許可件数
08:01 GBP GFK消費者信頼感調査
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値
08:50 JPY 小売業販売額
08:50 JPY 大型小売店(既存店)販売額
10:30 AUD 住宅建設許可件数
11:00 NZD NBNZ企業信頼感
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格
15:00 ZAR マネーサプライM3
15:45 FRF 卸売物価指数(PPI)
16:55 DEM 失業率
16:55 DEM 失業者数
18:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)
19:00 JPY 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:00 ZAR 貿易収支
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 USD 四半期実質国内総生産(GDP、確定値)
21:30 CAD 月次国内総生産(GDP)
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
1日
08:30 JPY 全世帯家計調査・消費支出
08:30 JPY 有効求人倍率
08:30 JPY 失業率
08:30 JPY 全国消費者物価指数(CPI)
08:30 JPY 東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
16:15 CHF 実質小売売上高
16:30 CHF SVME購買部協会景気指数
17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI)
18:00 EUR 失業率
21:30 USD 個人消費支出(PCE)
21:30 USD 個人所得
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・確報値
23:00 USD 建設支出
23:00 USD ISM製造業景況指数
≪2010年9月24日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米首脳会談において為替介入に対する苦言も出なかったことで安心感が広がり
「ブル」継続となった。金曜日の急騰に関して、「実際は介入を行ったが公式
な見解は発表していないだけ」、「大口の買いによる上昇が噂を呼んで市場参
加者が飛びついただけ」等、思惑が交錯しており真偽は定かになっていない。
いずれにせよ、介入に対する警戒は解けない状況が継続するため下値は限られ
てくるかもしれない。
ユーロ円は「ベア」
反発し高値警戒感が強まり「ベア」に転換した。先週中頃からのポジションの
変化を見ると、113円近辺での売り意欲が強いように感じられる。113円台は6
月に2回、7月下旬から8月上旬も上値を抑えられた価格帯であることから、上
抜けるためには新規の好材料が必要となりそう。上昇した場合の最初の目標は
7月28日直近高値114.744円が意識される水準と予想される。
豪ドル円は「ブル」
豪は他の主要国と比較して良好な経済情勢を保っているため引き続き「ブル」
となった。テクニカルにおいては週足一目均衡表基準線を上抜け雲上限に差し
掛かりつつある。ファンダメンタルズ、中期的なテクニカル共に強基調にある
ためどこまで値を伸ばすかが注目される。ただし、高値警戒感も強まっている
ため利益確定等の売りに押されて反落する展開も想定する必要があるだろう。
ユーロ円は、朝方からじりじりと値を伸ばし時間足ベースで形成したダブルボトムのネックラインを上抜けると上げ幅を拡大、更に東京時間午後の為替介入の噂によって113.754円まで急騰した。しかし、「介入だったかもしれない」との観測に留まったため値を削る展開に。また、独輸入物価指数が予想を下回ると(予想:0.3%、結果:0.2%)下げ幅を拡大し112.660円まで反落した。その後はIFO企業景況感指数が予想を上回り(予想:106.4、結果:106.8)2007年6月以来の好数値を記録したことで流れが一変。米国時間においても米株価の堅調推移が好感され日中にマークした高値を上抜け113.773円まで上昇、値を保ったまま113.631円で取引を終えた。
今週の展開
今週のドル円は、28日にケース・シラー住宅価格指数、30日の米四半期実質GDP、シカゴ購買部協会景気指数、10月1日ISM製造業景況指数といった指標発表が予定されており、日々注意が必要となるだろう。また、9日24日の急騰において為替介入の有無は明確になっていないものの、警戒感は強まっているため下方向へは攻めづらい状況となった。また、日米首脳会談において介入に対する批判的な発言等が出なかったことから、米国は介入を黙認するとの見方が広がっており政府・日銀も公言通り、急激な変動時には実行に移りやすい下地が整ったと言えるだろう。政府要人からは為替介入を行う明確な価格水準は無いとの発言もあるが、9月15日は83円を割り込んだ時点で介入に踏み切っているため、下落した場合に意識される水準となりそうだ。
ユーロ円は、ドルの軟調推移を受けてユーロドルが上昇トレンドを継続し連れ高となっている。ユーロに積極的な買材料があると言うよりはドルが米景気減速懸念から最も売られやすく、円は為替介入に対する警戒感が強まっており、消去法的にユーロ買いが優勢といった構図になっているようだ。また、先週末はユーロ圏の経済指標が予想を下回りセンチメントが悪化したところに独経済指標の好結果を受けて反発となっており、ユーロ圏の牽引役を担っている独の影響力の大きさがうかがえた。今週は28日の独GFK消費者信頼感調査、30日独失業率、ユーロ圏消費者物価指数等の指標を控えており、上昇トレンドを継続出来るかどうかが注目されそう。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 82.00-86.50
ユーロ・円 110.00-116.00
ポンド・円 129.00-138.00
【今日の主な経済指標】
27日
08:50 JPY 企業向けサービス価格指数
08:50 JPY 貿易統計(通関ベース)
17:00 EUR マネーサプライM3
28日
15:00 DEM GFK消費者信頼感調査
15:45 FRF 消費支出
17:30 GBP 四半期経常収支
17:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、確定値)
22:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:00 USD 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
23:00 USD リッチモンド連銀製造業指数
29日
06:45 NZD 貿易収支
08:50 JPY 日銀短観・四半期大企業全産業設備投資
08:50 JPY 日銀短観・四半期大企業製造業先行き
08:50 JPY 日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
15:45 FRF 消費者信頼感指数
17:30 GBP マネーサプライM4確定値
17:30 GBP 消費者信用残高
18:00 EUR 消費者信頼感(確定値)
18:30 CHF KOF景気先行指数
18:30 ZAR 消費者物価指数(CPI)
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:30 CAD 原料価格指数
21:30 CAD 鉱工業製品価格
30日
06:45 NZD 住宅建設許可件数
08:01 GBP GFK消費者信頼感調査
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値
08:50 JPY 小売業販売額
08:50 JPY 大型小売店(既存店)販売額
10:30 AUD 住宅建設許可件数
11:00 NZD NBNZ企業信頼感
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格
15:00 ZAR マネーサプライM3
15:45 FRF 卸売物価指数(PPI)
16:55 DEM 失業率
16:55 DEM 失業者数
18:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)
19:00 JPY 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:00 ZAR 貿易収支
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 USD 四半期実質国内総生産(GDP、確定値)
21:30 CAD 月次国内総生産(GDP)
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
1日
08:30 JPY 全世帯家計調査・消費支出
08:30 JPY 有効求人倍率
08:30 JPY 失業率
08:30 JPY 全国消費者物価指数(CPI)
08:30 JPY 東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)
16:15 CHF 実質小売売上高
16:30 CHF SVME購買部協会景気指数
17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI)
18:00 EUR 失業率
21:30 USD 個人消費支出(PCE)
21:30 USD 個人所得
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・確報値
23:00 USD 建設支出
23:00 USD ISM製造業景況指数
≪2010年9月24日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米首脳会談において為替介入に対する苦言も出なかったことで安心感が広がり
「ブル」継続となった。金曜日の急騰に関して、「実際は介入を行ったが公式
な見解は発表していないだけ」、「大口の買いによる上昇が噂を呼んで市場参
加者が飛びついただけ」等、思惑が交錯しており真偽は定かになっていない。
いずれにせよ、介入に対する警戒は解けない状況が継続するため下値は限られ
てくるかもしれない。
ユーロ円は「ベア」
反発し高値警戒感が強まり「ベア」に転換した。先週中頃からのポジションの
変化を見ると、113円近辺での売り意欲が強いように感じられる。113円台は6
月に2回、7月下旬から8月上旬も上値を抑えられた価格帯であることから、上
抜けるためには新規の好材料が必要となりそう。上昇した場合の最初の目標は
7月28日直近高値114.744円が意識される水準と予想される。
豪ドル円は「ブル」
豪は他の主要国と比較して良好な経済情勢を保っているため引き続き「ブル」
となった。テクニカルにおいては週足一目均衡表基準線を上抜け雲上限に差し
掛かりつつある。ファンダメンタルズ、中期的なテクニカル共に強基調にある
ためどこまで値を伸ばすかが注目される。ただし、高値警戒感も強まっている
ため利益確定等の売りに押されて反落する展開も想定する必要があるだろう。