雇用統計を受け米景気に対する悲観的な見方弱まる!
金曜日のドル円は、前日の米国株上昇を受けて日経平均株価が買い先行の展開となったことに加え、民主党の小沢幹事長が「急激な円高は好ましくない」と発言したことが支援材料となり、わずかに値を伸ばしたが、米国時間に控えた米雇用統計の結果を見極めたいのとムードが強く、日・欧州時間は狭いレンジでの小動きとなった。なお、注目されていた米雇用統計は8月分は予想を上回り(予想:-10万人、結果:-5.4万人)、7月分が-13.1万人から-5.4万人、6月分が-22.1万人から-17.5万人へと過去2ヶ月分が上方修正されると、85.22円まで急騰した。その後は利益確定の売りに押され、じりじりと値を崩す展開となり、ISM非製造業景況指数の結果(予想:53.2、結果51.5)が予想を下回ると下げ幅を拡大、雇用統計の上昇分を帳消しとなる値動きとなった。結果的には米国時間の指標発表時に往来相場を形成し、終値は始値と同水準の84.282円で取引を終えた。
ユーロ円は東京時間は材料難から小動きとなったが、欧州時間に発表されたユーロ圏小売売上高の前月比が予想(予想:0.2%、結果:0.1%)をわずかに下回るも、前年同期比が予想(予想:0.6%。結果:1.1%)を大きく上回り、上昇のきっかけとなった。その後、米雇用統計の結果を受けた米景気鈍化懸念の後退に伴いリスク志向が強まり、上げ幅を拡大し109.55円までの上昇した。しかし、米ISM非製造業景況指数の発表によって流れは一変し大きく下落、米国株の上昇に支えられ前日比50銭強高い108.709円で取引を終えた。
今週の展開
今週のドル円は、月曜日の米国がレイバーデーのため米株式市場などが休場となり、取引量の減少が見込まれるものの、底堅い値動きとなろうか。先週末の金曜日は結果的に往来相場となったとはいえ、米雇用統計にて労働市場が懸念されていたほど悪くないことが示され、米経済が景気後退に陥るとの懸念が和らいでいるため、ドル売りの流れに歯止めがかかる可能性もある。一方、ドル売りによる円高の流れから日本経済が打撃を受けている中で、9月6~7日に日銀の金融政策決定会合が開催される。8月30日の臨時会合において市場への資金供給策を拡充する追加金緩和を既に発表しているため、今回の会合は無風で終わるとの見方が大勢となっているが、追加緩和に言及し円売りを呼ぶ展開も想定しておく必要があるかもしれない。いずれにせよ方向性がはっきりしていないため8月24日安値83.588円のサポート、8月30日高値85.905円のレジスタンス、どちらをブレイクするかが今週の焦点となろう。
ユーロ円は、市場のリスク許容度回復に伴い日々値を切り上げている。先週末は米ISM非製造業景況指数発表によって連れ安となったが、ユーロドルが上昇を続けていることから、ユーロの地合はドルよりも強いとの見方もある。金曜日は8月30日直近高値109.556円に上値を抑えられる形となったが、ユーロ圏のファンダメンタルズは回復傾向にあるため、主要国の株価が堅調な推移となれば、レジスタンスのブレイクが目先の目標となりそう。また、110円付近には一目均衡表日足基準線、週足転換線が控えているため、一段上のレジスタンスを突破するには新たな支援材料が欲しいところだ。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 82.00-86.30
ユーロ・円 105.50-111.00
ポンド・円 126.00-133.80
【今週の主な経済指標】
6日
13:00 JPY 日銀・金融政策決定会合(1日目)
18:00 EUR 貿易収支
18:30 ZAR 四半期 南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
7日
08:01 GBP 英小売連合(BRC)小売売上高調査
08:50 JPY 外貨準備高
13:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・速報値
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・速報値
14:45 CHF 失業率
19:00 DEM 製造業新規受注
8日
07:45 NZD 四半期製造業売上高[前期比]
08:50 JPY 機械受注
08:50 JPY マネーストックM2
08:50 JPY 国際収支・貿易収支
10:30 AUD 住宅ローン件数
14:00 JPY 金融経済月報(基本的見解)
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI
15:00 DEM 経常収支
15:00 DEM 貿易収支
15:45 FRF 財政収支
15:45 FRF 貿易収支
17:30 GBP 製造業生産指数
19:00 DEM 鉱工業生産
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 CAD 住宅建設許可件数
22:00 CAD カナダ銀行 政策金利
23:00 CAD Ivey購買部協会指数
9日
03:00 USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
04:00 USD 消費者信用残高
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
08:50 JPY 四半期法人企業景気予測調査・大企業業況判断指数(BSI)
08:50 JPY 四半期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
10:30 AUD 失業率
10:30 AUD 新規雇用者数
14:00 JPY 消費者態度指数・一般世帯
14:30 FRF 非農業部門雇用者・改定値[前期比]
15:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)
17:00 EUR 欧州中央銀行(ECB)月報
17:30 GBP 貿易収支
20:00 GBP イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
21:15 CAD 住宅着工件数
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 CAD 貿易収支
21:30 CAD 新築住宅価格指数
23:00 ZAR 南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利
10日
08:50 JPY 日銀・金融政策決定会合議事要旨
08:50 JPY 国内企業物価指数
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)
15:45 FRF 鉱工業生産指数
17:30 GBP 卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI)
20:00 CAD 失業率
20:00 CAD 新規雇用者数
23:00 USD 卸売在庫
≪2010年9月3日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「べア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米景気先行き懸念が和らぎ「ブル」継続となった。米ISM非製造業景況指数の結果が悪かったとはいえ、
米雇用環境の改善を打ち消す程ではなかったのとの見方もあり、再度上値を伸ばす可能性を秘めている。
また、6日はレイバーデーに伴う米株式市場などが休場のため取引量の減少が見込まれる。突発的な材
料によって大きく値が振れるケースも想定して起きたい。
ポンド円は「ブル」
8月31日安値をマークした後は日々安値を切り上げており上昇期待から「ブル」を継続している。時間
足を見ても9月2日17時を起点に一本調子に上昇しており、短期的なトレンドは上向きのため、どこまで
値を伸ばすか注目される。また、日足一目均衡表に目を向けると、ローソクの実体が転換線の下を推移
している。先週末は転換線乗せを試したものの上ヒゲで終わっているため、終値ベースで上抜けできる
かどうかが注目される。
豪ドル円は「ブル」
リスク志向による資源国通貨買いが優勢となっており「ブル」継続となった。8月30日高値を更新する
等、他のクロス円よりも地合の強さがうかがえる。日足一目均衡表では雲の上を推移しており転換線も
上向きとなったため、7月27日高値79.419円を目標とした上昇トレンドを形成する展開も想定できよう。
ユーロ円は東京時間は材料難から小動きとなったが、欧州時間に発表されたユーロ圏小売売上高の前月比が予想(予想:0.2%、結果:0.1%)をわずかに下回るも、前年同期比が予想(予想:0.6%。結果:1.1%)を大きく上回り、上昇のきっかけとなった。その後、米雇用統計の結果を受けた米景気鈍化懸念の後退に伴いリスク志向が強まり、上げ幅を拡大し109.55円までの上昇した。しかし、米ISM非製造業景況指数の発表によって流れは一変し大きく下落、米国株の上昇に支えられ前日比50銭強高い108.709円で取引を終えた。
今週の展開
今週のドル円は、月曜日の米国がレイバーデーのため米株式市場などが休場となり、取引量の減少が見込まれるものの、底堅い値動きとなろうか。先週末の金曜日は結果的に往来相場となったとはいえ、米雇用統計にて労働市場が懸念されていたほど悪くないことが示され、米経済が景気後退に陥るとの懸念が和らいでいるため、ドル売りの流れに歯止めがかかる可能性もある。一方、ドル売りによる円高の流れから日本経済が打撃を受けている中で、9月6~7日に日銀の金融政策決定会合が開催される。8月30日の臨時会合において市場への資金供給策を拡充する追加金緩和を既に発表しているため、今回の会合は無風で終わるとの見方が大勢となっているが、追加緩和に言及し円売りを呼ぶ展開も想定しておく必要があるかもしれない。いずれにせよ方向性がはっきりしていないため8月24日安値83.588円のサポート、8月30日高値85.905円のレジスタンス、どちらをブレイクするかが今週の焦点となろう。
ユーロ円は、市場のリスク許容度回復に伴い日々値を切り上げている。先週末は米ISM非製造業景況指数発表によって連れ安となったが、ユーロドルが上昇を続けていることから、ユーロの地合はドルよりも強いとの見方もある。金曜日は8月30日直近高値109.556円に上値を抑えられる形となったが、ユーロ圏のファンダメンタルズは回復傾向にあるため、主要国の株価が堅調な推移となれば、レジスタンスのブレイクが目先の目標となりそう。また、110円付近には一目均衡表日足基準線、週足転換線が控えているため、一段上のレジスタンスを突破するには新たな支援材料が欲しいところだ。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 82.00-86.30
ユーロ・円 105.50-111.00
ポンド・円 126.00-133.80
【今週の主な経済指標】
6日
13:00 JPY 日銀・金融政策決定会合(1日目)
18:00 EUR 貿易収支
18:30 ZAR 四半期 南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
7日
08:01 GBP 英小売連合(BRC)小売売上高調査
08:50 JPY 外貨準備高
13:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・速報値
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・速報値
14:45 CHF 失業率
19:00 DEM 製造業新規受注
8日
07:45 NZD 四半期製造業売上高[前期比]
08:50 JPY 機械受注
08:50 JPY マネーストックM2
08:50 JPY 国際収支・貿易収支
10:30 AUD 住宅ローン件数
14:00 JPY 金融経済月報(基本的見解)
14:00 JPY 景気ウオッチャー調査-現状判断DI
15:00 DEM 経常収支
15:00 DEM 貿易収支
15:45 FRF 財政収支
15:45 FRF 貿易収支
17:30 GBP 製造業生産指数
19:00 DEM 鉱工業生産
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 CAD 住宅建設許可件数
22:00 CAD カナダ銀行 政策金利
23:00 CAD Ivey購買部協会指数
9日
03:00 USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
04:00 USD 消費者信用残高
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
08:50 JPY 四半期法人企業景気予測調査・大企業業況判断指数(BSI)
08:50 JPY 四半期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
10:30 AUD 失業率
10:30 AUD 新規雇用者数
14:00 JPY 消費者態度指数・一般世帯
14:30 FRF 非農業部門雇用者・改定値[前期比]
15:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)
17:00 EUR 欧州中央銀行(ECB)月報
17:30 GBP 貿易収支
20:00 GBP イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
21:15 CAD 住宅着工件数
21:30 USD 新規失業保険申請件数
21:30 CAD 貿易収支
21:30 CAD 新築住宅価格指数
23:00 ZAR 南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利
10日
08:50 JPY 日銀・金融政策決定会合議事要旨
08:50 JPY 国内企業物価指数
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、改定値)
15:45 FRF 鉱工業生産指数
17:30 GBP 卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI)
20:00 CAD 失業率
20:00 CAD 新規雇用者数
23:00 USD 卸売在庫
≪2010年9月3日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「べア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米景気先行き懸念が和らぎ「ブル」継続となった。米ISM非製造業景況指数の結果が悪かったとはいえ、
米雇用環境の改善を打ち消す程ではなかったのとの見方もあり、再度上値を伸ばす可能性を秘めている。
また、6日はレイバーデーに伴う米株式市場などが休場のため取引量の減少が見込まれる。突発的な材
料によって大きく値が振れるケースも想定して起きたい。
ポンド円は「ブル」
8月31日安値をマークした後は日々安値を切り上げており上昇期待から「ブル」を継続している。時間
足を見ても9月2日17時を起点に一本調子に上昇しており、短期的なトレンドは上向きのため、どこまで
値を伸ばすか注目される。また、日足一目均衡表に目を向けると、ローソクの実体が転換線の下を推移
している。先週末は転換線乗せを試したものの上ヒゲで終わっているため、終値ベースで上抜けできる
かどうかが注目される。
豪ドル円は「ブル」
リスク志向による資源国通貨買いが優勢となっており「ブル」継続となった。8月30日高値を更新する
等、他のクロス円よりも地合の強さがうかがえる。日足一目均衡表では雲の上を推移しており転換線も
上向きとなったため、7月27日高値79.419円を目標とした上昇トレンドを形成する展開も想定できよう。