米景気減速懸念は根強く、下値試し継続か!?
昨日のドル円は米景気減速懸念が再燃する中、日銀による臨時金融政策決定会合の結果を受けて、材料出尽くし感から円買いが強まった。米株安を受けて、中国をはじめとしたアジア各国の株安が日経平均株価の下落に拍車をかけ、日経平均株価は終値ベースで年初来安値を更新する等、市場では引き続きリスク回避の動きが優勢となり、東京時間でのドル円は84.053円まで下落した。その後、池田財務副大臣が「ゼロ金利政策導入の可能性もあるべき」との認識を示した事から、円高対策への期待感が膨らみ84.544円まで値を戻した。米国時間においては注目されていたケース・シラー住宅価格指数が予想を上回ったため(予想:3.6%、結果:4.2%)わずかに値を戻したもののドル売りの流れを変えるには至らず、また、FOMC議事録公表の影響は限定的だった事もあり、再度リスク回避の動きから下値試しとなり83.824円まで下落した。最終的にはかろうじて84円台を回復したものの下値不安を残したまま84.165円で取引を終えた。
ユーロ円は前日正午を境に一本調子に下落基調となり、8月24日安値105.424円から8月30日高値109.556円までの上昇に対し61.8%押しとなる107円を下抜けした後は、日経平均株価の下落と共に更に下げ幅を拡大し106.174円まで下落した。その後は池田財務副大臣の発言を受けて切り返す展開となり、独失業率・ユーロ圏消費者物価指数は予想通りとなったため上向きの流れに影響は与えず、107.770円まで上昇した。しかし、買い一服後は再びリスク回避の流れから円買いが強まり107円を割り込み106.688円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、根強いリスク回避の動きが優勢となっている。政府高官からは「急激な為替変動には断固たる措置をとらなければならない」等、為替介入を連想させる発言はあるものの、実行性には懐疑的な見方があるため、円高に歯止めをかけるには至っていない。現在の下降トレンドは米景気先行き懸念が主な要因となっていると思われることから、引き続き米経済指標の行方に注目が集まりそうだ。週末の米公式雇用統計を前に、本日はADP雇用統計が発表される。先週から米指標において予想を下回る結果が相次いでいる事から、結果次第では15年ぶり安値(8月25日安値83.588円)を更新する展開も想定しておきたい。また、米国時間にはADP雇用統計の他、ISM製造業景況指数、建設支出等、注目度の高い指標発表の発表が相次ぐため、米国時間は特に警戒が必要となろう。
ユーロ円は下降トレンドを形成しており、反発するには材料不足な状態が続いている。影響は限定的だったとはいえ、昨日発表されたドイツ失業者数は好結果となる等、少ないながらもユーロの支援材料が出てきている状況といえよう。財政再建中の南欧諸国の雇用環境が悪化している反面、ユーロの中心国ドイツは安定的な経済環境である事から、先々は下支え材料として意識されるかもしれない。ただし、あくまで中長期的な材料のため、目先は米景気減速を背景としたリスク回避がどこまで続くかに注意が必要と考えられる。円買いの動きが強まった場合には8月24日安値105.424円を試す可能性もあるため、下値拡大時には注意を払いたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.00- 84.80
ユーロ・円 105.40-107.80
ポンド・円 127.00-131.50
【今日の主な経済指標】
10:30 AUD 四半期国内総生産(GDP)[前期比]
10:30 AUD 四半期国内総生産(GDP)[前年同月比]
15:00 DEM 小売売上高指数[前月比]
15:00 DEM 小売売上高指数[前年同月比]
16:30 CHF SVME購買部協会景気指数
17:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI)
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
20:30 USD チャレンジャー人員削減数[前年比]
21:15 USD ADP雇用統計[前月比]
23:00 USD ISM製造業景況指数
23:00 USD 建設支出[前月比]
≪2010年8月31日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「べア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
下値を拡大している中、逆張りスタンスは継続し「ブル」となっている。日銀の臨時会合の結果は期待
以上のものとはならなかったが、「このまま円高が続けば為替介入が行われ反発するのでは?」との期
待が残っている表れだろうか。しかし、短期的に見た場合、好材料への反応は限定的である反面、悪材
料には大きく値が振れる展開が続いているため、下値リスクには警戒が必要となりそうだ。
ユーロ円は「ブル」
直近の状況としてはユーロの悪材料が目立っていない事もあり「ブル」が継続している。しかし、米景
気減速懸念を発端とした世界的なリスク回避の動きから、円が買われやすい状況と言えそうだ。対ユー
ロも含め、円は概ね下落基調となっており、また本日から注目度の高い米経済指標発表が控えているた
め、通常以上に注意が必要だ。
豪ドル円は「ブル」
昨日発表された豪小売売上高、豪経常収支は共に予想を上回り、豪経済の力強さを裏付ける格好となり
「ブル」となった。相変わらずの円買い圧力から相対的な結果として値を崩しているが、ドル売り・円
買いといった外部要因が弱まれば、安定した経済環境を背景に豪ドルがクローズアップされる可能性も
あるだろう。
ユーロ円は前日正午を境に一本調子に下落基調となり、8月24日安値105.424円から8月30日高値109.556円までの上昇に対し61.8%押しとなる107円を下抜けした後は、日経平均株価の下落と共に更に下げ幅を拡大し106.174円まで下落した。その後は池田財務副大臣の発言を受けて切り返す展開となり、独失業率・ユーロ圏消費者物価指数は予想通りとなったため上向きの流れに影響は与えず、107.770円まで上昇した。しかし、買い一服後は再びリスク回避の流れから円買いが強まり107円を割り込み106.688円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、根強いリスク回避の動きが優勢となっている。政府高官からは「急激な為替変動には断固たる措置をとらなければならない」等、為替介入を連想させる発言はあるものの、実行性には懐疑的な見方があるため、円高に歯止めをかけるには至っていない。現在の下降トレンドは米景気先行き懸念が主な要因となっていると思われることから、引き続き米経済指標の行方に注目が集まりそうだ。週末の米公式雇用統計を前に、本日はADP雇用統計が発表される。先週から米指標において予想を下回る結果が相次いでいる事から、結果次第では15年ぶり安値(8月25日安値83.588円)を更新する展開も想定しておきたい。また、米国時間にはADP雇用統計の他、ISM製造業景況指数、建設支出等、注目度の高い指標発表の発表が相次ぐため、米国時間は特に警戒が必要となろう。
ユーロ円は下降トレンドを形成しており、反発するには材料不足な状態が続いている。影響は限定的だったとはいえ、昨日発表されたドイツ失業者数は好結果となる等、少ないながらもユーロの支援材料が出てきている状況といえよう。財政再建中の南欧諸国の雇用環境が悪化している反面、ユーロの中心国ドイツは安定的な経済環境である事から、先々は下支え材料として意識されるかもしれない。ただし、あくまで中長期的な材料のため、目先は米景気減速を背景としたリスク回避がどこまで続くかに注意が必要と考えられる。円買いの動きが強まった場合には8月24日安値105.424円を試す可能性もあるため、下値拡大時には注意を払いたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.00- 84.80
ユーロ・円 105.40-107.80
ポンド・円 127.00-131.50
【今日の主な経済指標】
10:30 AUD 四半期国内総生産(GDP)[前期比]
10:30 AUD 四半期国内総生産(GDP)[前年同月比]
15:00 DEM 小売売上高指数[前月比]
15:00 DEM 小売売上高指数[前年同月比]
16:30 CHF SVME購買部協会景気指数
17:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI)
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
20:30 USD チャレンジャー人員削減数[前年比]
21:15 USD ADP雇用統計[前月比]
23:00 USD ISM製造業景況指数
23:00 USD 建設支出[前月比]
≪2010年8月31日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「べア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
下値を拡大している中、逆張りスタンスは継続し「ブル」となっている。日銀の臨時会合の結果は期待
以上のものとはならなかったが、「このまま円高が続けば為替介入が行われ反発するのでは?」との期
待が残っている表れだろうか。しかし、短期的に見た場合、好材料への反応は限定的である反面、悪材
料には大きく値が振れる展開が続いているため、下値リスクには警戒が必要となりそうだ。
ユーロ円は「ブル」
直近の状況としてはユーロの悪材料が目立っていない事もあり「ブル」が継続している。しかし、米景
気減速懸念を発端とした世界的なリスク回避の動きから、円が買われやすい状況と言えそうだ。対ユー
ロも含め、円は概ね下落基調となっており、また本日から注目度の高い米経済指標発表が控えているた
め、通常以上に注意が必要だ。
豪ドル円は「ブル」
昨日発表された豪小売売上高、豪経常収支は共に予想を上回り、豪経済の力強さを裏付ける格好となり
「ブル」となった。相変わらずの円買い圧力から相対的な結果として値を崩しているが、ドル売り・円
買いといった外部要因が弱まれば、安定した経済環境を背景に豪ドルがクローズアップされる可能性も
あるだろう。