FOMC・米雇用統計の発表を控え警戒感!
ドル円は前日のNYダウが大幅高となった流れを引き継ぎ、日経平均も前日比+146円高で寄り付くなどリスク選好ムードが下支えとなり、東京市場のスタートは86.65円付近で強含む展開となった。しかし、冴えない経済指標を受けた豪ドル円の下落をきっかけにクロス円全般が下押しすると86.30円付近へと軟化。その後も野田財務相が「市場が為替相場を決める」との発言から政府の介入は消極的であるとの見方が強まったほか、上海総合指数の下げ幅拡大によるリスク回避の円買いから86円を割れる展開となった。欧州時間に入っても米WSJ紙による「来週のFOMCでFRB(米連邦準備制度理事会)はMBSや国債の買い入れを検討する」との観測記事がドルを一段と圧迫し、7月30日安値の85.932円を下抜け、約8カ月ぶりの安値を更新し一時85.668円まで下落した。また、NY時間には6月中古住宅販売成約件数が-2.6%と市場の事前予想(3.9%)を大きく下回り、住宅市場の回復に遅れが生じている可能性が示唆されたことで軟調な展開が継続。引けにかけショートカバーが確認されたが86円には届かず、85.870円で取引を終えた。
ユーロ円は東京市場序盤、日経平均が寄り付きから堅調に推移したことからリスク志向の拡大を受けて、114.10円付近へと強含む展開となった。ただ、中国株式市場が前日のNY株式市場の大幅高にもかかわらず上値の重い値動きとなり、株高連鎖を期待した向きの失望感を誘うと、売りが先行し113.60円付近まで反落。欧州時間にはGLOBEXのNYダウ先物が下げ幅を拡大する展開、またドル円の下落が重石となるなどの影響で113.40円付近まで続落した。NY時間に入っても米経済指標の不振を受け、リスク回避の流れとなったことに加え、スイスの7月消費者物価指数が市場の事前予想を大きく下回ったことも後押しとなり、一時113.107円まで下押しした。引けにかけNYダウの反発もあり、買い戻しが優勢となったものの113.619円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドルだが、米連邦準備制度理事会(FRB)が低迷を続ける米国の景気回復を後押しするために、量的緩和政策を検討しているとの不安が広がり、来週のFOMCを控えて買いづらい展開となっているようだ。また、6日発表の米雇用統計において、ガイトナー米財務長官が、「米国の失業率は向こう数カ月は上昇する」との見通しを示しており、失業率は9.5%→9.6%と予想されている。しかし一方で、7月民間部門雇用者数はプラス11万人と改善するとの見通しも強いことから、強弱ミックス予想に方向感が定まらない状況となっている。本日発表される7月米ADP全国雇用者数がドル円相場の分岐点となる可能性が高いものの、上値の重い展開が続きそうだ。
ユーロは欧州圏の景気指標が全般的に堅調であることや、米国の低金利長期化観測や追加緩和観測から、対ドルを中心に堅調な値動きが続きそうだ。また、明日のECB理事会では政策金利が1.00%に据え置かれるとの見方が強いものの、最近の堅調なユーロ圏の経済指標を受けて景気二番底懸念は後退しており、金利発表後のトリシェECB総裁による会見では景気の先行きに楽観的な見方が示される可能性が高く、ユーロ買いのサポートとなりそうだ。ただし、対円は米景気指標の下振れを受けてNYダウが下落する可能性も否定できないことから、一方的な上昇は難しいかもしれない。テクニカル的には、5日移動平均が掛かる113.50円付近、75日移動平均が掛かる113.80円付近を明確に上抜ける展開となれば上昇に弾みがつきそうだ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 84.80-86.50
ユーロ・円 112.40-115.50
ポンド・円 135.50-138.70
【今日の主な経済指標】
17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数
17:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数
18:00 EUR 小売売上高
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
20:30 USD チャレンジャー人員削減数
21:15 USD ADP雇用統計
23:00 USD ISM非製造業景況指数
≪2010年8月3日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
歴史的な安値圏であることもあり、この水準では割安感から参加者の圧倒的な支持を受け90%以上
が「ブル」。しかし、景気下振れ懸念や低金利長期化観測を背景としたドル安地合いが一段と鮮明
になっており、10年債は2.88%台に低下し、2年債も0.51%台へと低下するなどドルの買い材料を
探すのも厳しく、上値の重い展開が続くのではないかと思われる。
ポンド円は「ベア」
英国と日米欧の景況格差が注目を集めており、ファンダメンタルズからの買いと、高値警戒感から
オシレーター系の売りが交錯し50%-50%のポジションと拮抗したが、僅かに「ベア」が勝った。
テクニカル的には4/26の高値145.968円から5/20最安値126.686円の61.8%戻し138.602円が上値の
ターゲットと考えられそう。
豪ドル円は「ブル」
6月の豪小売売上高が前月比+0.2%と予想の同+0.4%を下回ったほか、豪住宅建設許可件数も前月
比-3.3%と予想の同+2.0%に反してマイナスとなったことを受けて下落すると参加者は押し目買い
のチャンスと見て買いが集中し「ブル」。注目された豪準備銀行理事会では予想通り政策金利を4.
50%に据え置くことを決定。声明では「豪経済の成長がトレンド付近となる可能性が高く、インフ
レは目標水準に近い。世界経済の見通しが依然として不確実であることを踏まえた上で、理事会は
現在の金融政策が適切であるとみている」と予想ほどハト派的ではなかったことで下値はサポート
されやすいだろう。
ユーロ円は東京市場序盤、日経平均が寄り付きから堅調に推移したことからリスク志向の拡大を受けて、114.10円付近へと強含む展開となった。ただ、中国株式市場が前日のNY株式市場の大幅高にもかかわらず上値の重い値動きとなり、株高連鎖を期待した向きの失望感を誘うと、売りが先行し113.60円付近まで反落。欧州時間にはGLOBEXのNYダウ先物が下げ幅を拡大する展開、またドル円の下落が重石となるなどの影響で113.40円付近まで続落した。NY時間に入っても米経済指標の不振を受け、リスク回避の流れとなったことに加え、スイスの7月消費者物価指数が市場の事前予想を大きく下回ったことも後押しとなり、一時113.107円まで下押しした。引けにかけNYダウの反発もあり、買い戻しが優勢となったものの113.619円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドルだが、米連邦準備制度理事会(FRB)が低迷を続ける米国の景気回復を後押しするために、量的緩和政策を検討しているとの不安が広がり、来週のFOMCを控えて買いづらい展開となっているようだ。また、6日発表の米雇用統計において、ガイトナー米財務長官が、「米国の失業率は向こう数カ月は上昇する」との見通しを示しており、失業率は9.5%→9.6%と予想されている。しかし一方で、7月民間部門雇用者数はプラス11万人と改善するとの見通しも強いことから、強弱ミックス予想に方向感が定まらない状況となっている。本日発表される7月米ADP全国雇用者数がドル円相場の分岐点となる可能性が高いものの、上値の重い展開が続きそうだ。
ユーロは欧州圏の景気指標が全般的に堅調であることや、米国の低金利長期化観測や追加緩和観測から、対ドルを中心に堅調な値動きが続きそうだ。また、明日のECB理事会では政策金利が1.00%に据え置かれるとの見方が強いものの、最近の堅調なユーロ圏の経済指標を受けて景気二番底懸念は後退しており、金利発表後のトリシェECB総裁による会見では景気の先行きに楽観的な見方が示される可能性が高く、ユーロ買いのサポートとなりそうだ。ただし、対円は米景気指標の下振れを受けてNYダウが下落する可能性も否定できないことから、一方的な上昇は難しいかもしれない。テクニカル的には、5日移動平均が掛かる113.50円付近、75日移動平均が掛かる113.80円付近を明確に上抜ける展開となれば上昇に弾みがつきそうだ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 84.80-86.50
ユーロ・円 112.40-115.50
ポンド・円 135.50-138.70
【今日の主な経済指標】
17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数
17:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数
18:00 EUR 小売売上高
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
20:30 USD チャレンジャー人員削減数
21:15 USD ADP雇用統計
23:00 USD ISM非製造業景況指数
≪2010年8月3日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ベア」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
歴史的な安値圏であることもあり、この水準では割安感から参加者の圧倒的な支持を受け90%以上
が「ブル」。しかし、景気下振れ懸念や低金利長期化観測を背景としたドル安地合いが一段と鮮明
になっており、10年債は2.88%台に低下し、2年債も0.51%台へと低下するなどドルの買い材料を
探すのも厳しく、上値の重い展開が続くのではないかと思われる。
ポンド円は「ベア」
英国と日米欧の景況格差が注目を集めており、ファンダメンタルズからの買いと、高値警戒感から
オシレーター系の売りが交錯し50%-50%のポジションと拮抗したが、僅かに「ベア」が勝った。
テクニカル的には4/26の高値145.968円から5/20最安値126.686円の61.8%戻し138.602円が上値の
ターゲットと考えられそう。
豪ドル円は「ブル」
6月の豪小売売上高が前月比+0.2%と予想の同+0.4%を下回ったほか、豪住宅建設許可件数も前月
比-3.3%と予想の同+2.0%に反してマイナスとなったことを受けて下落すると参加者は押し目買い
のチャンスと見て買いが集中し「ブル」。注目された豪準備銀行理事会では予想通り政策金利を4.
50%に据え置くことを決定。声明では「豪経済の成長がトレンド付近となる可能性が高く、インフ
レは目標水準に近い。世界経済の見通しが依然として不確実であることを踏まえた上で、理事会は
現在の金融政策が適切であるとみている」と予想ほどハト派的ではなかったことで下値はサポート
されやすいだろう。